ネイルサロン検索サイトで13ヵ月連続1位!シンプルな金額設定で、リピーターを獲得する『NailZERO+』の経営戦略 #1
11,000件以上のネイルサロンを掲載する検索サイト『ネイルブック』で13ヵ月連続1位を獲得した『NailZERO+』は、現在も2ヵ月先まで予約が埋まる繁盛店です。棚には飛行機のプラモデル、壁には大きな日本地図のカレンダー、ネイリストは男性…。そんな個性的なサロンが注目を集めている理由には、時間別定額制というメニューの導入や女性の理想の休日を叶える価格設定といった工夫がありました。
今回は『NailZERO+』のオーナー兼ネイリストの塩見隼人さんにインタビュー。人気サロンを作り上げた経営のアイデアについて深く伺いました。
1万円でお釣りがでる価格設定の理由
————塩見さんは『NailZERO+』の人気の秘密は、どういうポイントにあるとお考えでしょうか?
「大きな理由のひとつは、会計システムがわかりやすいように『時間別の定額制』にしたことだと思います。明朗会計と打ちだしながらも実際にお店に行くと料金設定が思いのほかわかりにくく、お客さまにストレスを与えているサロンが結構あると感じていまして。ちなみにネイル業界の料金設定は大きく4つあります。まず、自由にデザインをオーダーできますがパーツが増えるごとに料金がプラスされる『アート・パーツ追加制』です。次に、選んだ指の本数分だけアートが施せる『施術する本数による定額制』。そして、指定されたアートの中から好きなものを選ぶことができる『デザイン別での定額制』。最後に『時間別定額制』があり、それも2種類に分かれています」
————その2種類というのは?
「ひとつは、サロン側が指定できるメニューを限定しているパターン。たとえば『1時間のコースであれば、3種類のデザインから選べますがどれにしますか?』といった感じです。次に僕が採用している時間内でフルにご要望に応えて、デザインを提供するパターン。これは時間内であれば、どんなデザインや手法、ボリュームであっても金額が変わらないシステムで、お客さまが安心して理想のネイルをオーダーできます。ただ、オーダーされるデザインはまったく予測できませんから、時間内に完成させるための技術が求められます。正直に言うと、本当に毎回大変ですよ(笑)」
————なるほど。そのシンプルさは魅力ですね。他に取り入れているサービスはありますか?
「現在は集客が安定したので価格を変えていますが、当初は『リピーター2時間定額制』という税込み8,500円のプランを実施したことが効果的でした。休日にいらっしゃるお客さまが多く、僕はそのせっかくの休日を『1万円以内で素敵に過ごしていただきたい』と考え、この値段に設定しました。8,500円にすれば1,500円のお釣りが返ってくるので、帰りがけにカフェなどによってのんびりできますからね。ちなみにこれは予想外にうまくいったことですが、帰りにスタバに寄った方がイチゴ味のドリンクとイチゴデザインのネイルを一緒に撮ってSNSにアップしてくれて、それが拡散され、集客につながったこともありました」
装飾を控えたシンプルな内観の秘密
————お店作りの段階でリピート率を高めるために、意識したことはありましたか?
「すっぴんでも来れるお店にしようと思いました。お客さまと話すなかで『休日や仕事帰りなどにおしゃれをしてネイルサロンに足を運ぶのは、結構大変』という声を度々聞いたことがあったんです。そこでサロンの装飾を控えてできるだけシンプルにして、お客さまが緊張せずに過ごせる空間を意識しました。所々に僕が作ったプラモデルが置いてありますが(笑)」
————そもそもネイリストは女性のイメージが強くありますが、なぜ塩見さんはこの業界に足を踏み入れたのでしょうか?
「大学生の頃にテレビを観ていたらネイリストが映っていて、なんとなく興味を持ったことがきっかけです。プラモデルなどの細かな作業が好きだったことも、影響していたのかもしれません。しかし僕が大学を卒業した時は就職氷河期だったので仕事を探すことが難しく、アルバイトをしていた建築関係の会社にそのまま就職し、床を作る仕事などをしていました。それでもやはりネイリストへの憧れが消えなかったので、働きながら学校に通いネイルの世界に足を踏み入れたんです。その後、7~8年ほど池袋にあった別のネイルサロンで働いていて、当時は指名してくれるお客さまが80名ほどいました。自分のお店を構える気持ちはまったくありませんでしたが、ある日突然『1ヵ月後にお店が閉店する』と言われて(笑)」
————なるほど。その後はどのように行動したのでしょうか?
「困っていたところ複数のお客さまから『お店を出してよ』と要望をいただいたんです。それで開業を決心し、とりあえず池袋で物件を探してバタバタと準備を進めていき『NailZERO+』のオープンに至りました。2014年のことでした」
男性ネイリストだからこそ感じた悩み
————これまでに辛かった時期はありますか?
「オープンから1年半ほど経った頃にお客さまが減ってしまい、焦った時期がありました。実は開業してから新規の集客にまったく取り組んでおらず、来店される方は全員以前のサロンのリピーターの方だったんです。引っ越ししたり、結婚されたりと、環境が変わればお店に来れなくなる方もいますから、失客は仕方がないことなのですが…」
————なぜ新規の集客に力を入れなかったのでしょう?
「僕が男性ネイリストでマンションの一室でふたりきになりますから、知らない方にアプローチをしても不安に思って来ないだろうと思ったんです。つまり発信しても集客につながる自信がありませんでした。それでもお客さまは減っていきますから、そんなことは考えていられないと、真剣に集客に取り組み始めました」
リピート率を高める極意
突然のサロンの閉店にもめげず、『NailZERO+』をオープンした塩見さん。リピート率を高めるための極意をまとめると下記の3つでした。
1.会計システムをシンプルにすること
2.利用者のライフスタイルにあった価格設定の実施
3.お客さまがストレスなく通えるディスプレイの考案
後編では集客を成功させ、人気サロンを作り上げた道のりに迫ります。
▽後編はこちら▽
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