【ネイリストのテクニック】uka 東京ミッドタウン 六本木 中島理恵さん流『初秋のクラシカルネイル』♯1
TOPネイリストに、今イチオシのデザイン&テクニックを教えていただく本企画。今回ご登場いただくのは、技術力の高さとデザインセンスで支持を集める「uka 東京ミッドタウン 六本木」の中島理恵さん。前編では、中島さんが技術力アップのために取り組んでいることや、秋に向けたネイルデザインのポイントについてお伺いしました。
uka 中島さんにインタビュー
美容師からネイリストへ。課題をクリアしながらの成長
——ネイリストを目指したきっかけは?
もともとは美容師を目指していて、ヘアサロンで働いていました。4年くらい働いてスタイリストデビューもしたんですが、ひどい手荒れになってしまって…。爪も10本全部ボコボコになって、これは美容師を続けるのは難しいなと。じゃあ何をしようかと考えていたとき、ネイリストへの転向を考えるようになりました。勤務していたヘアサロンでは、ネイルもしていて、おもしろいなと思っていたので。
——そこからスクールに通い始めたんですか?
はい。25歳くらいから、アルバイトしながらネイルの学校に行っていました。そこに、ukaの代表の渡邉が、1度授業をしに来たんです。「今なにしてるの?」と声をかけられて、居酒屋でアルバイトをしながらスクールに通っていることを話したら、「なんでネイルの勉強をしているのに居酒屋なの? ヤル気があるならうちに来たら」と言ってくれて。当時はアルバイトの採用はなかったんですけど、週3日で採用してもらいました。アルバイト中はアシスタント業務をさせてもらって、1年後にネイリストとして入社しました。
——技術を磨くためにしていたことは?
アシスタント時代は、サロンで週1回の練習会があったので、そこで先輩に見てもらっていました。それ以外は、自分でモデルさんを呼んできたり、チップを使ったりして、閉店後に自主練をしていましたね。技術の試験があって、合格した施術からサロンワークに入れるんです。ukaはケアに力を入れているので、マッサージや除去などからスタートするんですが、そういった勉強もきちんとして。できたところから先輩のヘルプに入ったりして、学んでいきました。今でも、時間があるときにはチップを使ってデザインを考えながら練習しますし、試してみたい新しい技術や商材が入ったときなど、月に1・2回は閉店後にモデルさんを呼んで練習しています。
会話が苦手…だからこそ重要な技術力の向上
——サロンワークで心がけていることは何ですか?
とにかく妥協せず、丁寧な技術を提供することです。私、昔から話すのが本当に苦手で…。若いころは、無言で施術して怒られるほど。だからこそ、丁寧な施術は心がけていました。そうすると、技術をほめていただけるようになって、全然会話をしなくても指名をいただけることも増えていって。じゃあもう、そういうネイリストがいてもいいか、と(笑)。もちろん、お話が好きなお客様もいらっしゃいますから、そういう方にはいろいろ質問をするようにしています。お客様によって、お話がしたいか、リラックスして過ごしたいか、求めていることって違うと思うので、「このお客様はどうされたら嬉しいのかな」と想像しながら、気持ちよく過ごしていただける空間を作ることも大切にしています。
——リピーターの方も多いですか?
そうですね、8割くらいはリピーターで、長く通っていただいている方が多いです。東京ミッドタウン店のオープンから所属しているので13年目になるんですが、長い方だと10年以上通ってくださっている方もいます。技術を信頼していらしてくださるのが、とてもうれしいですね。リピーターの方だと好みもわかっているので、デザイン提案もしやすいです。来店されるのがわかったら、お好きそうなデザインを3つくらい考えておいて、提案するようにしています。
——新規の方の場合の提案はどうしていますか?
まずは、その方のライフスタイルをお聞きします。お仕事で色が限定されるのか、アートのあるデザインをしたいのか、とか、手を使う頻度によって爪の長さを決めたり、家事をよくするならジェルの強度を強めたり。デザインについては、決めてこられない方も多いです。そういうときはサンプルストックをお見せして、気になるものをお伺いしながら、好みの傾向を探っていきます。
何度も模索しながら納得のいくデザインを見つける
——デザインを考えるときに参考にしているものは?
ふだんはファッションを参考にすることが多いです。コレクションでトレンドの傾向をよくチェックしています。他のネイリストさんの作品も見ますし、美術館が好きなので現代アートを見ることも多いです。とにかく、いろんなものを見るということを心がけていますね。自分の中から湧いてくるものって、そんなにないので…。ゼロからデザインを生み出すのって、本当に難しいことだと思います。私はデザインをパッとひらめくタイプではないので、いろんなものを見て、それを真似しつつ、「もう少しこうしたらいいかな」とか試行錯誤しながら、デザインを考えていきます。最初からいいものなんて全然できなくて、少しずつデザインを変えながら何回も作り直して、何枚もチップを作って…。いろいろしてみて、やっと「ここだ」というのに辿りつくんです。
——では、この秋にオススメのデザインを教えてください。
2019年のトレンドカラーとして注目なのが「パープル」。パープルを使ったファッションアイテムも多いので、ネイルにも取り入れたいところです。この夏は蛍光カラーやメタリックなどのスポーティな要素が人気でしたが、秋冬は一転してエレガントでクラシカルな雰囲気が気になります。フレンチやセパレートなどの従来のクラシカルなデザインではなく、人気の高いニュアンスアートを取り入れた、型にはまらないゆるっとしたデザインが好まれると思います。
中島さんが提案する『初秋のクラシカルネイル』
エレガント×クラシカルな雰囲気を、今っぽいアートに落とし込んだデザイン。落ち着いたトーンのパープルをベースに、爪先に人気継続中のニュアンスアートを。スパイダージェルを使用した細い曲線とマーブルカラーが、エレガントで大人っぽい指先を作り上げる。サテンのような質感のミラーネイルを合わせて、秋冬に似合うクラシカルなデザインに。
中島さん流『クラシカルネイル』のいいところ
1.トレンドカラーのパープルベースでおしゃれに
2.落ち着いたトーンなので仕事を選ばない
3.爪先に寄せたデザインで派手過ぎない
会話が苦手ながら、技術力を高めることでお客様からの支持を獲得していった中島さん。13年ネイリストとして技術を磨き、社内外から評価されるように。トレンド感がありつつシックなデザインは、大人女性の秋の指先にぴったり。後編では、提案していただいた『初秋のクラシカルネイル』の詳しい作り方をご紹介します。
▽後編はこちら▽
【ネイリストのテクニック】uka 東京ミッドタウン 六本木 中島理恵さん流『初秋のクラシカルネイル』>>
取材・文:山本二季
撮影:奥村亮介(スタジオバンバン)
教えてくれたのはこの人!
中島理恵さん
uka 東京ミッドタウン 六本木 ネイリスト
ネイリスト歴13年。トレンドを取り入れたモードなデザインに定評あり。サロンワークの傍ら、雑誌撮影等でも活躍中。ネイルデザインのコンテスト受賞経験も多く、社内外問わずデザインセンスを支持されている。
インスタグラム https://www.instagram.com/rie_nakajima/
Salon Data
uka 東京ミッドタウン 六本木
(ウカ トウキョウミッドタウン ロッポンギ)
住所 東京都港区赤坂 9-7-4 東京ミッドタウン ガレリア2F
TEL 03-5413-7236
URL https://www.uka.co.jp/salons/midtown/