サービスコーヒーは豆から挽く！ 小さな満足の提供でファンを掴む『Amoute』のサロン作りの極意に迫る
LINEをはじめとした考え抜かれた発信で人気店に成長した『Amoute』。SNSの活用だけでなく、施術や商材の質の高さも支持を得ている理由です。他にもサービスドリンクへのこだわりや再来につながるヒアリング方法の研究など、お客さまの満足度を高める小さな工夫の積み重ねがありました。
前編に引き続き代表のHIROさんに、ファンを掴むサロン作りの極意について伺いました。
地域による集客方法の違いを痛感したオープン当初
————そもそも、なぜLINEを活用した集客を始めたのでしょうか？
「恵比寿では私が以前のサロンで行っていた集客方法がまったく通じなかったからです。2015年に『Amoute』をオープンする前は同じ系列の大田区のサロンで働いており、その時はチラシ、ポスティング、DMなどで集客を行っていました。安定した成果を上げ続けていて技術にも自信があったので、恵比寿でも結果を残せると思っていましたが予想以上に効果がなかったんです。
今振り返ってみると、おそらく都心のほうが自ら情報をキャッチしに行く方が多いため、私たちが手元に届ける前に他のサロンに向かっていたのだと思います。そこでLINEをはじめ、インスタグラム、ツイッター、ユーチューブ、ブログ、ティックトックなど考えついたことはすべて試しました。その結果、少しずつコツを掴んで軌道にのせることができたんです。
ちなみに、私のフォロワーはすべてのSNSを合わせると約24万人いますね。『Amoute』はグループ内で初の都心への出店だったため、ほぼゼロ状態からのスタートで当時は本当に大変でした（笑）」
小さなこだわりがサロンへの信頼を生む
————サロンの内装のこだわりはありますか？
「細かな点に配慮してお店作りをしていますね。たとえば最近は、造花ではなく生花を飾り始めました。女性スタッフが異動したことで男性スタッフのみになり、サロンに華やかさが欠けてしまったと感じたためです（笑）。女性のお客さまも多く訪れますから、やわらかな印象を与える空間作りは意識しなければなりません。生花は毎週買いに行く必要があるため手間がかかりますが、やはり雰囲気はグッとよくなります。
またサービスドリンクもこだわっているポイントです。コーヒーは本店で豆から挽いており、お客さまのタイミングに合わせてドリップしてご提供しているんです。『インスタントとは違う本格的な味わいを楽しめる』と好評をいただいていますね。他にもハーブティーを3種類用意していてこちらも人気です。基本的な接客はできて当たり前ですから、小さなサービスにこだわってお客さまの満足を提供することが大切だと思っています」
お客さまのひとつ先にいる方々を意識した施術を提供
————リピート率を高めるために、心掛けていることはありますか？
「お客さまの先にいる方々を意識したスタイル作りを意識しています。ご家族や仕事仲間など周りから好評価を得ることが、私の技術への信頼につながると思うからです。
たとえばこの前は、20代前半の彼女さんがいるお客さまを施術しました。彼女の仕事について聞いてみると、『普段は制服を着ていて、清潔な髪型で仕事をしているサービス業』とのことでした。私はこれまで美容師を続けてきたなかで、『自分が日頃できないスタイルを、恋人に求める方が多い』と感じているので、お客さまの彼女さんはパーマスタイルなどの雰囲気がある髪型を好むと思ったんです。そこでそのスタイルに仕上げたところ、とても好評だったようで、また私の元に足を運んでくださいました。たくさんの方々をよろこばせることができれば、お客さまはきちんと評価をしてくれるのだと感じていますね」
————最後に今後の目標を教えてください。
「スタッフを育てることに力を入れていきたいです。この前は、私たち世代と現代での教育方法の違いについて社内で話し合いました。時代とともに指導の仕方が変わるのは当たり前なので、これまでのように『理解してくれ』とこちら側の要求だけを伝えても、そんな簡単に受け入れてはもらえないと思います。
これからは私たちがもっと後輩の目線に立ち、『若手が何をやりたいか、どんなサロンで働きたいか』を汲み取ってバックアップするスタイルに変えていきたいです。お店の未来を作るのはやはり若手ですから、サロンがよりよくなることを第一に考えて経営をしていきたいと思います」
ファンを掴むサロン作りの極意
スタッフ同士がにこやかに会話をしている姿が印象的だった『Amoute』。ファンを掴むサロン作りの極意をまとめると下記の3つでした。
１.小さな工夫を散りばめて、居心地のよい空間を作る
２.お客さまのひとつ先にいる方々を意識した施術でファンを掴む
３.若手の目線に立った、バックアップ型の教育スタイルを採用
SNSと美容師の付き合い方について「美容の知識は隠さずに、もっと積極的に発信したほうがよい」と語ってくださったHIROさん。居心地のよい雰囲気に触れたい方、集客に悩んでいる美容師の方は、一度サロンに足を運んでみてはいかがでしょうか。
▽前編はこちら▽
戦略的な集客術は必見！『大切なあの人』に教えたくなる美容室『Amoute』の成果を上げるLINE活用の極意に迫る>>
