流行の渦のなかで自分を貫く。実力主義の現場で磨いた技術と精神力「bloc japon」長峯千紘さん

流行の最先端、渋谷に店を構える人気サロン「bloc japon」。ジャンルにとらわれない多彩なデザインと高い技術力を備え、多くの美容師が活躍しています。そんなハイレベルな技術とスピードが求められる実力主義の現場でキャリアを積んできたのが、長峯千紘さんです。

前編では、青森から上京し「bloc japon」に入社するまでの就職活動や、サロンとの出会いについて伺いました。後編では、量と質の両方を求められた新人時代のリアル、売上という数字と向き合った葛藤、そしてその環境で培った技術力と精神力について伺います。

今回、お話を伺ったのは…

「bloc japon」

ヘアディレクター 長峯千紘さん

青森県出身。八戸理容美容専門学校卒業。2022年にbloc japonへ入社。アシスタントとして経験を積み、2024年にスタイリストデビュー。現在はヘアディレクターとして活躍中。絶対的な技術力を土台に、1人ひとりの個性や雰囲気に寄り添った似合わせを得意としている。

インスタグラム

量と質、両方を求められた新人時代を同期と支え合い乗り越える

実力主義の現場で努力を重ねる長峯さん

――実際に「bloc japon」に入社してみて、いかがでしたか?

入社前のイメージと真逆というほどではないですが、正直ギャップはありました。ほかのサロンだと、アシスタントとスタイリストである程度役割が分かれていると思うんです。でも「bloc japon」はスタッフが30人弱いて、全員で助け合わないと回らない環境。

先輩が後輩のカラーを塗ることもあれば、アシスタントが上の方の施術をサポートすることも当たり前で、常に全員で動いている感じでした。

仕事量も本当に多くて、一気に3つ、4つと任されることもあります。そのなかでどう効率よく回すかを考えながら、しかもサロンとしてはハイレベルを掲げているので、技術も妥協できない。

忙しいときは指示が一気に飛んできて、パンクしそうになることもありましたね。

――どのようにして乗り越えたんですか?

一番は、同期の存在です。私を含めて同期が5人いて、「じゃあ私がこっちもらうから、そっちお願い」「今5分空いたからフォロー入れるよ」と、つねに声を掛け合っていました。

完全な役割分担というより、その場その場で動きながら支え合う感じ。あのときは本当にチーム戦でしたね。

今はフリーランスになったり、地元に帰ったりした子もいるんですが、あの時期を一緒に乗り越えたからこそ、絆は強いです。

――とくに大変だったことは?

やっぱり、求められるレベルの高さですね。技術力はもちろん、仕事のスピード、気配り、全部が高水準。人数が多い分、できる、できないも目に見えてしまう環境でした。

技術チェックはクリアできても、次は数字の世界。売上という結果で評価されるようになります。自分なりにいいスタイルを作れていると思っても、売上が高い人のほうが評価される。そこは正直、葛藤もあって。

「私だってできるのに」って思うこともたくさんありましたね。

技術力と自分の強みをコツコツと積み上げ、指名のお客様を増やす

現在はお客様と信頼関係を築き、楽しく働いているとのこと

――売上は苦戦していたのですか?

これまでも苦戦してきましたし、今でも伸び悩むときはあります。今ってSNSの時代で、バズる・バズらないとか、何かに特化して一気に売れるとか、そういう流れもあるじゃないですか。でも、私はあまりバズ狙いが好きじゃなくて。

絶対的な技術をちゃんと身につけたいし、幅広いスタイルを提供できる美容師でいたい。そのうえで1人ひとりにちゃんと似合わせたバランスを提案したいと思っているので、流行に全振りするというよりは、コツコツ積み上げるタイプなんだと思います。

流行りやバズりなど「渋谷だな」「東京だな」と思う現実に直面することもありましたけど(笑)、それでも自分のやり方でやろうと決めていました。

――その「コツコツ」が実ったと感じる瞬間はありますか?

初めて来てくださるお客様に「インスタグラムを見て来ました」とか「スタイルを見て気になって」と言ってもらえると、ちゃんと見てくれている人がいるんだなって思います。

とくに、自分の好きなテイストをわかって来てくれる方。「このスタイルが好きで予約しました」と言われると、本当にうれしいです。派手にバズったわけではないけれど、自分の好きなものを発信し続けてきた意味はあったんだな、と感じますね。

今は少しずつでも、ちゃんと積み重なっている実感があります。

直感を信じて「やっちゃえ」精神が理想の職場と出会う秘訣

これからもコツコツと努力をして美容師を続けていきたいとお話ししてくれた

――新人時代苦労されたお話しを聞きましたが、2年目にはスタイリストデビューを果たしていますよね。

はい。一般的には3〜4年アシスタントをして、カットモデルを経てデビュー、という流れが多いと思うんですが、「bloc japon」のカリキュラム自体が少し特殊なんです。

アシスタントの18項目があって、それをクリアしたらカットモデルを入れられるようになります。そして、担当したモデルの方が次にお金を払ってリピートしてくれたら、その時点でスタイリストになれるんです。とにかく実践をやっていこう、というスタンスです。

私は1年目の時点で、項目自体は終わっていて、いつでもデビューできる状態ではありました。でも「この実力でお金をいただくのはまだ早い」と思って、2年目までモデルを続けてからデビューしました。なかには1年経たずにスタイリストになる子もいます。その分、自分で練習しないといけないですけど。


――自分次第、という環境なんですね。

そうですね。週に1回はみんなで練習する機会がありますが、それ以外は基本的に自分から動かないと教えてもらえません。「教えてください」と言わなければ、先輩も見てくれない。よくも悪くも、自分次第。でもその分、がんばった人はちゃんと伸びるし、報われる環境だと思います。

「bloc jaopn」には本当にいろんなスタイルの人がいて、自分が追求したいテイストの先輩のところに行って学べるのは、大きな強みですね。

ただし、先輩が「もう大丈夫」と言ってくれる環境ではないので、自分で決めるしかない。だからこそ、メンタルは本当に鍛えられました。めちゃくちゃ強くなったと思います(笑)。

――最後に、地方から東京に出たいと思っている就職・転職活動中の方へメッセージをお願いします。

人生なるようになるのでとにかく挑戦してみてください!

100発100中で自分に合うサロンを見つけるなんて、正直難しいし、入ってみないと本当にわからないところってたくさんあります。合わなかったら辞めてもいいと思うんです。だからこそ、いろんな場所に足を運んで、空気を感じてみることが大切。そして最後は直感ですね。「ここだ」と思ったら、自分を信じて行動したほうがいいと思います。

落ちたら落ちたで、「そこじゃなかったんだな」って気持ちを切り替えることも大切。違う場所で花が咲くかもしれないし、やらないで後悔するより、やってみた方が絶対いいですよね。

ダメだったら諦めもつくし、うまくいったら最高。「どうしよう」より「やっちゃえ」くらいのテンションで自分の道を進んでください。

長峯さんが東京のサロンで活躍するために行った3つのこと

1.自分の好きなスタイルを言語化する

2.直感を信じて挑戦を続ける

3.積極的に自分から行動する


渋谷の人気サロンにおいて第一線で活躍する長峯さん。その背景には自分の好きを極める姿勢や積極的に行動する努力が見られました。長峯さんのお話しは、地方から東京のサロンを目指す方の希望にもなったのではないでしょうか。


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bloc japon
住所:東京都渋谷区宇田川町32-7 YY UDAGAWA BLD.11F
TEL:03-3462-0070

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