世間のニーズを考えた企画でYouTubeチャンネル登録者数約6万人!集客からリピーター定着までのテクニック 遠藤美容室 遠藤孝輔さん#2

埼玉県・与野本町にある「遠藤美容室」は50代から70代の女性に圧倒的な支持を得る人気のサロン。オーナーの遠藤孝輔さんはYouTubeをはじめとしたSNSを使って、技術力の高さと居心地のよいサロンのアピールに成功しています。

前編ではサロンをオープンするきっかけや当時の集客方法などを伺いました。

後編では、約6万人のチャンネル登録者数を持つYouTubeのコンテンツ制作や今後の展望などを伺います。

今回、お話を伺ったのは…

「遠藤美容室」

オーナー 遠藤孝輔さん

埼玉県出身。山野美容専門学校通信科卒業後、新卒で埼玉県の美容室に就職。約3年勤務した後、都内のサロンへ転職する。在籍期間約15年の間に、スタイリストだけでなく統括マネージャーを担当し、経営の知識も得る。2020年に「遠藤美容室」をオープンし、独立。集客のためにはじめたYouTubeはチャンネル登録者数約6万人と人気を博しており、海外からもお客様が訪れる人気店となっている。

インスタグラム

YouTube登録者6万人。セルフカット動画がバズった理由

多くの反響がある遠藤さんのYouTubeチャンネル

――YouTubeを始めたきっかけを教えてください。

「遠藤美容室」のオープン当初、コロナ禍でお客様がほとんど来なくて。空いた時間を活用しようと思ったのがきっかけです。前職でもYouTube動画の制作に携わっていて、編集などの基本的な知識は少しあったので、宣伝もかねて始めました。

当時は外出自粛の影響で美容室に行けない人が多かったので、そこを狙って「家でもできるセルフカット」の動画を試しに出してみたんです。それが思った以上に反響をいただいて、一気に登録者数が増えました。

YouTubeは今でもお店の宣伝やブランディングとしてすごく大きな役割を果たしてくれています。

――どのようにして人気チャンネルになっていったのでしょうか?

最初のほうにセルフカット動画を出してから少しずつ見てくださる方が増えていきました。美容室に行けない人が多かったタイミングだったので、ニーズとタイミングがうまく合ったのがよかったんだと思います。

ただ、同じことを続けていてもすぐに飽きられてしまいますよね。一度再生回数が増えたからといって満足せず、とにかく分析と改善の繰り返し。いろいろなYouTubeの解説動画を見て勉強したり、投稿した動画の反応を見て内容を変えたりしながら、少しずつチャンネルを育てていきました。

――そこから集客につながった流れを教えてください。

コロナが落ち着いてきた頃から「大人女性のビフォーアフター動画」に内容をシフトしました。セルフカットの動画だけでは来店につながりませんし、もともと50代から70代のお客様を多く担当していたので、その方たちの悩みにフォーカスした動画を発信していこうと考えたんです。

そのときからチャンネル登録者数の増加とともに「動画を見て来ました」というお客様が増えていきました。

動画ではカウンセリングの様子や施術の流れをそのまま載せているので、来店前から僕のことを知ってもらえているんですよね。そうすると初めてでも距離が近くて信頼関係ができているので、接客もしやすいです。

今では近隣だけでなく、北海道や山梨、さらにはニュージーランドに住んでいる方が帰国に合わせて来店するなど、いろんな場所から訪れていただいています。YouTubeがきっかけで、お店の可能性が大きく広がりましたね。

「親戚の家に行く感覚」大人女性が通い続けるサロンのつくり方

お客さんのほとんどが常連とのこと

――実際に来店後の反響はいかがですか?

ありがたいことにたくさんの方にご来店いただき、お客様の100%が次回予約をお取りしてくださいます。現在は予約が半年先まで埋まっている状態です。

一番大切なのはもちろん技術力。とくに襟足や顔まわりの作りはかなりこだわっていて、「ほかのサロンでショートは似合わないと言われた」という方でも似合う形を見つけられ、日常生活でも手入れがしやすいスタイルを作るのが強みです。

あとは、お店の雰囲気も大事にしています。若い人が多いおしゃれなサロンは少し敷居が高いと感じている方にとって、「遠藤美容室」はちょうどよい雰囲気なのではないでしょうか。もともと床屋の居抜きで入りやすいので、来ていただいてからもそのままくつろいでもらえるように、接客面も意識しています。

美容室って、どうしても緊張してしまう方も多いと思うんです。なので僕は「親戚の家に遊びに行くくらいの感覚」で来てもらえるようなお店にしたいと思っています。

――接客について、詳しく教えてください。

一番意識しているのは、お客様がリラックスして過ごせる空気を作ることです。

具体的には、自分が話すよりもお客様の話を聞くことを大事にしています。自分が1でお客様が9くらいの割合ですね。髪の相談はもちろんなんですが、世間話やちょっとした愚痴など気軽に話してもらえる雰囲気を作りたいと思っていて。お客様の話に耳を傾けて、自分から余計な話はしないようにしています。髪がきれいになるだけじゃなくて、気持ちもスッキリして帰ってもらえたらうれしいですね。

あとは、妻がアシスタントとしてサポートしてくれているのも大きいと思います。男性美容師と1対1だと緊張してしまう方もいると思うので、個人経営において女性スタッフがいることは重要ですね。

次の挑戦は「組織づくり」個人店から会社経営へ

来年の店舗拡充に向けて構想中の遠藤さん

――次の目標はありますか?

これまでは基本的にひとりでやってきたんですが、これからは組織としての成長を考えていきたいと思っています。

ありがたいことに今は予約が半年先まで埋まる状態で、自分ひとりではどうしても限界が見えてきたところ。なので来年以降はスタッフを雇って、少しずつ組織としての形を作っていく予定です。

具体的には、店舗の移転と拡張。今よりも少し広くて、よりサロンらしい空間にしていきます。店名も「遠藤美容室」ではスタッフを迎えることを考えるとちょっと微妙だと思っていて(笑)。サロン名を考えているところです。

ひとりで自由にやる気楽さもありますが、やっぱり仲間と一緒に喜びを分かち合える会社を作るというのも魅力的。次のステージに進むときなのかなと思っています。

前職の経験も活かしながら、スタッフが主役として輝ける場所を作っていきたいですね。

――最後に、独立を考えている美容師にメッセージをお願いします。

独立する前に一度、店長や役職を経験しておくことがおすすめ。

美容師って個人売上を上げることに意識が向きがちなんですが、独立すると売上以外にもいろいろな数字を見る必要があります。人の管理や教育、求人など、裏側の仕事もすべて自分の責任に。その意味では、組織のなかで役職を経験することは「リスクのない社長業」を体験できるようなものだと思うんです。その経験は、独立したあとに必ず役立ちます。

僕自身も、前職で求人や教育、技術管理などいろいろな仕事を任せてもらっていました。その経験があったからこそ、独立してからも大きく困ることなくスタートできたと思っています。今の自分があるのも、最初に雇ってもらったお店の師匠や前職の社長のおかげ。感謝の気持ちでいっぱいです。

なので、まずは今いる環境のなかで、できるだけ多くの経験を積むこと。それが独立への一番確実なステップだと思います。


特別な立地や派手なブランディングではなく、技術と信頼を積み重ねて人気店を築いてきた遠藤さん。今回の取材を通して、その自然体の姿勢こそが多くのお客様に支持される理由なのだと感じました。今後の新たな挑戦にも期待が高まります。


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遠藤美容室
住所:埼玉県さいたま市中央区下落合5-10-9佐久間ビル1F
TEL:048-853-5651​

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