目指したのは「中途入社できる有名サロン」。50代、60代になっても美容師が輝き続けられる環境を「ECLART」南裕大さん

日本の美容業界を支える企業の魅力を紹介する本企画。今回登場いただくのは、東京、埼玉、大阪などを中心に美容室34店舗を展開する「ECLART」。最新技術を導入した髪質改善を手頃な価格で提供していることや、全店個室完備のスタイリッシュな店舗を備えていることなどで人気を集めており、創業から4年で急速に店舗を増やしてきた企業です。
今回お話しを伺うのは代表取締役の南裕大さん。起業のきっかけは、ご自身が美容師として長く働くなかで感じていた、「年齢を重ねても活躍し続けることができるのか」という不安。50代、60代になっても美容師が輝き続けられるために目指したのが、「中途入社できる有名サロン」という形だったといいます。
お話を伺ったのは・・・
株式会社ECLART
代表取締役
南裕大さん

山野美容専門学校卒業。東京・銀座の美容室で5年間勤務したのち、業務委託サロンに転職する。1年目で店長に昇格、その後エリアマネージャーとなり13年間、勤務。年齢を重ねても美容師が安心して働ける環境を作ろうと、2021年3月には株式会社ECLARTを設立。2025年9月時点で直営店9店舗、FC26店舗の計35店舗を展開するまでになり、急成長を遂げている。
年齢を重ねても活躍できる。「三方よし」の経営で急成長

――「ECLART」開業のきっかけから教えてください。
中途入社もできる有名サロンを作りたかったというのが最も大きな動機です。僕自身、美容師として長く働いてきました。起業前、最後に働いていた業務委託サロンではマネージャーまで経験しましたが、一般的に美容師は40代を超えると活躍できないイメージがあり、40代を前にして未来に対する不安が大きくなっていったんです。また当時は低価格帯のサロンで働いていたため、そんな環境に対して胸を張れない自分もいました。
一方でブランドイメージの高い有名サロンで働いている美容師は、50代、60代でも格好よく働いている人がいる。しかし有名サロンに中途入社するのは難しい現状があります。
そこで年齢を重ねた美容師でも中途入社ができて、給料の面でもお休みの面でも満足ができ、周りにも「このサロンで働いている」と胸を張って宣言できるようなサロンを作ろうと思ったんです。
もうひとつのビジョンが高単価サロンかつ美容師の高収入も実現できるサロンを目指すことでした。自分が転職活動をしていたときに高単価サロンほど給料が低いことに気づき、そのどちらも実現できるサロンを作りたいという思いがあったんです。起業から4年が経ちましたが、理想としたサロンを築けている自負はあります。
――具体的にはどのようにして、南さんが理想としたサロンを実現しているのでしょうか。
お客様はもちろん、スタッフにとっても、会社にとっても三方よしを実現できるような、さまざまな取り組みを行っています。
具体的な取り組みのなかで特徴的な部分を一部ご紹介すると、まずお客様が来店されなければ美容師は活躍のしようがありませんから、集客にはかなり力を入れています。「ECLART」の集客の特徴としては、会社、個人の両方で集客に尽力している点です。
周りを見ていても個人集客にゆだねているサロンと、お店の集客には力を入れているけれど個人集客の方法をどう教えればいいか分からないサロンのどちらかに偏っているサロンが多いと思います。弊社では会社も集客に力を入れていますし、スタッフには個人で集客するためのSNSの発信方法など細かく教えています。
会社、個人の両方が集客に力を入れることで、会社全体の集客力がかなり高い状態になり、平均して月に200名ほどの新規のお客様が来店されます。
――なるほど。顧客がいない状態で転職しても安心ですね。
はい。そしていくら集客力があっても、お越しいただいたお客様が心の底から満足や感動を覚えなければリピートしていただくことはないと思っているので、その状態を全力で叶えることも心がけています。
「ECLART」は髪質改善に力を入れているサロンですので、最先端の薬剤を導入し一流の技術をお手頃な価格で提供してます。たとえば一般的には3万円ほどする縮毛矯正のメニューが、約半額の1万5,000円程度です。
またどのサロンも全席が完全に壁に仕切られた個室になっており、人の目を気にすることなく、施術を受けられるのもお客様から支持される理由のひとつです。これは美容師の働く環境としてもプラスのポイントで、美容師ひとりに1室の個室が与えられるため、予約が入っていないときも個室内で待機ができ、休憩やSNS発信などにあてることも可能です。
また弊社はマンツーマン施術を基本としており、お客様をかけ持ちする必要がありません。個室のなかで目の前のお客様だけに集中できるのは、美容師にとって幸せな環境だと思っています。
理不尽さがなく、自由な環境。最先端の技術も修得できる

――働く環境で、ほかにも特徴的な部分はありますでしょうか。
弊社では正社員と業務委託の2種類から自分に合う働き方を選ぶことができますが、業務委託の場合はとくに働く時間、休みを自由に決めることができます。また社内ルールに関してもスタッフが輝くためであれば、柔軟に対応をしています。
さらに少し手前味噌になるかもしれませんが、マネージャー陣や運営責任者などの上層部がスタッフの味方であり、人格的にも優れた人がとても多いのも「ECLART」の特徴だと思っています。もちろん注意をしたりすることもありますが、それはスタッフの成長のためにほかなりません。スタッフの働きやすさを一番に考えて行動したり、発言したりしているため、理不尽さというものが一切ない環境だという自負はあります。
――お客様の満足のためには技術力の高さもポイントとのことでしたが、どのようにして実現しているのでしょうか。
基本的にほかのサロンで10年ほど経験を積んできた人が転職してくるケースが多いので、ベースの技術が高い人が多く在籍しています。常に最先端の薬剤を豊富に揃え、そういったスタッフたちに縮毛矯正の知識や技術を共有していくことにより、技術力の高さを実現できています。
また美容師向けオンライン学習サービス「HAIR CAMP」を導入しているので、常に最新の技術や知識にアップデートしていくことが可能です。「ECLART」のスタッフはみんな、お客様に喜んでもらいたいという思いを抱いているため、それぞれが持っている技術や知識を会社で共有し、日々、技術を高め合っています。
ほかにも「ECLART」では、「お直し」をOKにしていることも個人の技術力を高めるポイントになっていると感じています。
――「お直し」とは?
縮毛矯正などの施術がうまくいかなかった際にやり直しをすることです。一般的な美容室ですと「お直し」は悪いこととされており、お直しを減らすように指導しているため、一度で成功させなければいけないというプレッシャーがあり、強めの薬剤を使う傾向にあります。そうすると薬剤が強く効きすぎてしまって、髪が痛んでしまうことがあるんです。こういう状態になったら元に戻すことはできませんし、お客様からの信頼も失います。
「ECLART」ではお直しはしょうがないこととしており、技術ミスは認めて積極的にお直しをするように指導しているんです。そうするとスタッフは薬剤を弱めに設定しておいて、あとから修正することもできるわけです。こういうことを美容師に話すと、お直しが増えてしまうと思われる方がいるのですが、僕の感覚では美容師が試行錯誤をするようになって技術力が上がります。縮毛矯正の高い技術を維持していくには最新の薬剤を豊富に導入すること、そして日々技術をアップデートしていくことが絶対に欠かせないと思っています。
FC店オーナーが守られながら、自由な経営判断が可能になる「VFC」展開

――個人集客ができるように支援もしているとのことですが、そうするとスタッフが独立してしまうという声も聞きます。南さんはどうお考えですか。
あまりそういったことを意識していません。そもそも独立したいと考えること自体は素晴らしいことですし、グループ内でFC店として独立をしやすいようなさまざまな独立支援を行っているため、グループ内独立を選ぶスタッフも多く、グループでパートナーとして歩んで行くこともできます。独立支援ではオーナーと僕たちがWin-Winになるように、直営店のつもりでさまざまなサポートを行っています。
まず店舗運営の要ともいえる物件探しと求人の部分を、本部である我々が担っているのが大きな特徴ではないかと。物件はFC展開がうまくいかなかったときに本部で買い取ることができるように、厳選しています。またマネージャー陣がFC店を訪れ、面接を行うなど求人の部分にも関わることで、いい人材を確保できるようにしているのです。
さらにFC店のロイヤルティは売上の8%と設定していますが、ロイヤルティが発生するのは黒字化してから。ロイヤルティ8%はFC店経営の一般的な数値だとは思いますが、先ほどもお話ししたようにさまざまなサポート込みの数字ですので、その点は魅力なのではないかと。そして店舗経営で困ったときにも、我々本部に相談しやすい空気があると思います。
――手厚いサポートがあるのですね。
はい。お互いにリスクを減らしながら、継続的な店舗展開が可能になっています。個人的に「ECLART」のフランチャイズの仕組みを、フランチャイズチェーンの「FC」と、ボランタリーチェーンの「VC」をあわせて「VFC」と呼んでいます。一般的なFCでは本部が運営のルールなど基本的な部分を一方的に決定することが多いですが、VCは複数の小売店がお互いに独立性を保ちながら、1つにまとまってチェーン店のような組織を作ることを指しており、本部は存在しません。
「ECLART」では我々が本部の役目を務めますが、上下関係ではなく、横並びになってお互いを助け合う存在で、FCとVCのいいとこどりをしているのが大きな特徴だと思っています。
後編では、「ECLART」に入社することでスタッフの方たちに起きた変化について伺います。高単価な施術を提供できる「ECLART」。お客様が少ない状態で入社をしたとしても、 お客様がリピートするようになると、これまでより格段に給料が高くなり、生活に余裕も出てくるそうです。
そういった変化によって、スタッフの方が自分に自信をつけ、さまざまなことに意欲的に取り組むようになる姿を何度も見てきたと南さんはいいます。
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株式会社ECLART
住所:埼玉県さいたま市大宮区桜木町2-2-6まゆずみビル2F





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