明るさよりも優しさを。求めるのは“子どもに寄り添える人”【チョッキンズ 武田功さん】#3
美容師を目指す学生、新天地を目指すスタイリストさんにとって、避けては通れない就職活動。採用を勝ち取るためには、どんな準備が必要? 心がまえは? そんな疑問を、実際のサロン採用担当者にインタビュー!
今回は、0歳から小学生までを対象とした「こども専門美容室チョッキンズ」にフォーカス!普通の美容室とは違い、チョッキンズのお客さまはすべてお子さま。子どもたちにとってヘアカットが楽しい思い出になるよう、温かく安心できる空間づくりを心がけています。そんなチョッキンズが大切にしているスタッフへの想いを、4回に分けてお届けします。
第3回目は、サロン見学・面接について。
チョッキンズが求める人物像や子ども専門サロンならではのやりがいを探ります。
お話を伺ったのは…
チョッキンズ 副社長
武田功さん
もともと美容師としてキャリアをスタート。その後、美容師専門の人材派遣・紹介会社の立ち上げに携わり、数百名に及ぶ美容師の採用面接を経験。
現在は「こども専門美容室チョッキンズ」を運営する株式会社グー・チョキ・パーで副社長として採用やマネジメントにも深く関わる。
ダイレクトな喜びに触れることが、子ども専門ならではのやりがい

――サロン見学は必須ですか?
必須ではありませんが、最近サロン見学したいというニーズが増えているので、要望があれば実施しております。
――サロン見学の内容を教えてください。
まずは店内をじっくり見ていただきます。
実際にお子さまがカット中であれば、その場も見てもらいますね。店内には「車の椅子」や「寝転べるシャンプー台」「赤ちゃん筆のサンプル」など、子ども専門サロンならではの工夫がたくさんあるので、それを見て雰囲気を知ってもらいたいのです。
見学してもらいながら、こちらからの説明と皆さんの質問に答えていきます。
――どのような話をされるのでしょうか?
見学に来られた方が“本当は何が知りたいのか”、これを汲み取るようにして説明しています。
たとえば、条件面を気にしていそうだと感じたら給与や勤務時間の説明を丁寧にしますし、子育てとの両立を不安に思っていそうだと感じたら働きやすさを重点的にお伝えしたり。
皆さんが口にしない“潜在的な不安”を感じとって、なるべく説明できるように心がけています。
そのため、見学される方は気負いせずに色々と質問していただきたいですね。
――子どものカットの難しさも説明しますか?
はい、大事な部分なのでその点もしっかりお伝えしています。
最も大変なのは2〜3歳のイヤイヤ期のお子さま。泣き暴れの中で安全に施術する技術が必要ですが、ほとんどの美容師さんは経験がないジャンルです。ここが子ども専門美容室の難しさでもあります。
その反面、泣いていた子が最後に笑顔でバイバイしてくれた時の喜びは大きいです。次の来店時に成長を感じたり、お手紙や似顔絵をもらったりすることもあります。こうしたダイレクトな喜びは、子ども専門ならではのやりがいです。
なので難しさだけではなく、チョッキンズならではの喜びも必ずお話します。
面接の目的は“ここで働きたい気持ちを高めてもらうこと”

――では次は面接について伺います。
面接の回数は?
1回です。
ですが、サロン見学の時に既に色々会話をしているので、実質2回目のようになる方もいます。
――面接で必ず話すことは?
面接では「楽しく長く働いてほしい」という想いを一番伝えています。
「必ずこれを聞く」「必ずこれを言う」と決めているものは特にありません。
というのも、落とそうと思って面接を進めているのではなく「ここで働きたい」とより感じてもらえるように進めています。そのため、あまり難しい質問をして人となりを知るという手法はとっておりません。
相手に合わせて、その人が一番知りたいこと・安心したいことに応える面接にしたいというのが私の考えです。
サロン見学での説明もそうですが、聞いた話が入社後の実態と違っていては意味がないので、チョッキンズのことをより理解してもらえるよう仕組みも面接でしっかりお伝えしています。
――面接で悪い印象を与えるのはどんな方ですか?
強いて言えば、気をつかえない人ですかね。
たとえば、たばこ臭かったり作業着で面接に参加されていたりとか。そういうところに気をつかえない方やTPOをわきまえない方は少し気になります。
ただ、即不採用にすることはなく「なぜその状態で来たのか?」と必ず聞きます。
夜勤明けだったからなど、こちらが納得できる理由を話してもらえれば全く問題はありません。
逆に、理由が全く説明できなかったり、あるいは注意したことを受け止めてもらえない場合には、「この人とのコミュニケーションは難しいかな」と思うことはあります。
――では、話し方やコミュニケーション能力は重視しますか?
話し上手かどうかは重視していません。
面接は緊張する場なので、普段の100%を発揮できる人なんてほとんどいないですから。
中には、面接中ずっと緊張していて終わった瞬間に「何を話したか覚えていない」という方もいますね。
だからこそ、私たちが話しやすい空気を作って、その人の本質が少しでも見えるようにすることが大事だと考えています。
明るさより大切なのは、子どもに寄り添える優しさ
――必ずしも明るくポジティブな人だけを採用したいわけではないんですね?
明るい人はもちろん大歓迎です。でも、うちには“とにかく明るくないといけない”という決まりはありません。
実際、うちに応募してくれる方は美容師として自信をなくしてしまって自己肯定感が少し低い方も結構いらっしゃいます。
でも、そういう方って実はとても優しいんです。自分より弱い存在に自然と優しくできる人が多い。子どもが好きで、丁寧に向き合える人なら、テンションが高くなくてもネガティブでも全く問題ありません。
――実際にチョッキンズで接客されているスタッフさんは皆さんとても明るい印象でした。
皆さん元からああいうテンションというより、“子どもの前だと明るくなる”という方が近いと思います。子どもにはパワーがありますし、自然と笑顔になるんですよね。
“優しい接客”“元気な接客”など、スタイルは人それぞれでいいです。いろんなタイプの人がいる方がいいよねというのがチョッキンズの採用方針になっています。
チョッキンズの面接のポイントまとめ
1.「働きたい理由」を自分の言葉で話す。
2.不安や気になっていることは率直に質問する。
3.明るさよりも「子どもと丁寧に向き合う姿勢」が大切。
取材・文/原田 菜月




