飛び級志向の新技術者を育てる!『JE SUIS HEUREUSE』の時代の一歩先を行く教育術
丁寧なマネジメントで強いチームを構築している『JE SUIS HEUREUSE』。安定した成果を残し続けている理由について「これまでの経験を踏まえて、まずは自分が働きやすい環境を作ったからですね」と、ISHIYAMAさん。他にも、『JE SUIS HEUREUSE』が厚い支持を得ている背景には、教える側の姿勢を見直す取り組みや、スキルアップを目指す定期的な勉強会がありました。
後編では、プロフェッショナルを育てる教育方法に迫ります。
教育はプレゼント
————教育は、どのように取り組んでいるのでしょうか?
「こちらの態度が適当だと、メンバーのやる気を削いでしまいますから『カリキュラムを作る前に、教える側の姿勢を見直すことが大切だ』と考えています。そこで『JE SUIS HEUREUSE』では、指導者の心得を決めてチーム全体で共有しており、心得は『すべてを承認すること』『すべての相談に乗ること』『答えを教えること』『導き組み立てさせること』『結果が出るまで付き合うこと』の5つです。
また『このメンバーは、できるからたくさん教える』『このメンバーは、いまひとつだからほどほどに指導する』などレベルによって教え方を変えるのではなく、すべてのメンバーに平等に接することも大切にしています。
僕は『教育はプレゼントだ』と思っていて、日頃から『自分が持っている技術は全部あげる』という気持ちで教えています。ただ世話好きなだけなんですけど(笑)」
目的の違う3種類の勉強会でスキルアップを
————どのようなレッスンを開催していますか?
「3種類のレッスンを開催していて、1つ目は『SALON EDUCATION』です。所属メンバーが参加可能な定期勉強会で週に2回、現在は営業後に『je suis heureuse Lien』で開催されています。この勉強会では、お客さまをお迎えするために必要なスキルをメインに指導しており、時間はだいたい2~3時間くらいです。
続いて、『TEAM EDUCATION』は、所属メンバーが閲覧できるオンラインの教育システムで、ブリーチの比較検証やカラー剤について解説した動画などを共有しています。
最後に『SPOT EDUCATION』は月に1回、ディーラーさんのスタジオなどを借りて開催される勉強会です。毎月10日に開かれていて、内容はその時々で変わります。消費税に関する情報共有や薬剤についての勉強、撮影方法についての研究など、臨機応変に内容を変えて学んでいます」
どんなビジョンを持つ人に対しても存在価値がある組織を目指して
————すべての教育で共通している指導スタイルについて教えてください。
「『JE SUIS HEUREUSE』の教育は、『すべてを自分で考えて答えにたどり着く』のではなく『僕たちが叩きとなる1つの答えを教える』スタイルです。ちなみに、僕は『何度も反復練習をして、自分でトライ&エラーを繰り返して、やっとゴールに行きついて次のステップに進む』という階段式の教育方法で育ってきました。
そのおかげで高いスキルを身に付けることができたので、『魅力がある教育方法だ』と実感していますが、『とにかく早く上手になって、たくさんのお客さまを担当したい!』と思っている、飛び級志向の美容師には、僕が育ってきたその当時の教育方法は、あまり向いていないと感じています。
フリーランスとして働いている美容師には、この傾向が強い印象を受けているので『そういうタイプの技術者向けの教育方法が必要ではないか』と。
そこでサロンでは、お客さまがよろこぶ施術の方法を教えており、身に付けた技術の範囲でお客さまにサービスをご提供できる『カテゴリー別のデビュー制度』を採用しています。
たとえば、シャンプー、トリートメント、ブローを習得したらこの3つのセットメニューをご提供できます。しかし、それだけでは似合わせや、色と形を作りながら、質感にもこだわることはできません。そのため、そんな発展途上の技術者は、正規料金よりもリーズナブルな価格に設定して、お客さまをお迎えしています。
カテゴリー別のデビューを果たしたメンバーは、その時は理解ができない動作がおそらくあるはずなのですが、立ち止まらずに次のステップに進むことで、その時に初めて技術の意味が分かるようになります。そして、すべてを身に付けてオフィシャルデビューを果たした時に、技術の全貌が理解できるので、『最後にネタバラシをする指導スタイル』と言い換えてもよいかもしれません(笑)」
————最後に、今後はどのような展開を考えていますか?
「これまで美容業界で働いてきたなかで、美容の技術を突き詰めたい、ライフスタイルも充実させたい、SNSを上手に活用してインフルエンサーのような形で活躍したいなど、さまざまな考え方を持つ美容師に会ってきたので、『JE SUIS HEUREUSEを、どんなビジョンを持つ人に対しても存在価値がある組織に育てたい』と考えています。
そのために、『自分自身が充実していて幸せであること』『好きなことをいつまでも好きであり続けること』、そして『周りの方々を幸せにできる術を身に付けること』を忘れずに魅力的なチームを作っていきたいですね」
プロフェッショナルを育てる教育の極意
新卒でチームに参加したメンバーでも2年ですべての技術を身に付け活躍しているという『JE SUIS HEUREUSE』。プロフェッショナルを育てる教育の極意をまとめると、下記の3つでした。
1. カリキュラムを作る前に、教える側の姿勢を見直す
2. 目的の違う勉強会でスキルアップを目指す
3. 飛び級志向の美容師にマッチした教育スタイルを確立する
早いうちからさまざまな経験を積ませているというISHIYAMAさん。「カリキュラムが終わる前の美容師メンバーにも積極的にヘアメイクの現場や、チャレンジの機会を用意して、仕事の幅を広げる後押しをしています」と、笑顔で答えてくれました。丁寧なマネジメントに触れたい方、技術への熱い想いがある方は、サロンに足を運んでみてはいかがでしょうか。
▽前編はこちら▽
キーワードはマネジメント&教育!『JE SUIS HEUREUSE』の次世代のチーム作り>>