似合う髪型がわからなかった新人時代。脳内ロールプレイで提案力を伸ばすことに成功「W」MINAさん
自由が丘にある新感覚スクランブルサロン「W」。こちらはカフェ併設のヘアサロンで、カラーの待ち時間などにコーヒーやチーズケーキといった食事も楽しめるのが特徴です。そんな「W」に2022年に入社し、スタイリストを務めているのがMINAさん。
学生時代にヘアショーに力を入れていたMINAさんは、そこで培ったコミュニケーション力がサロンワークや先輩との交流につながっているといいます。
また、「W」入社までに2社経験しているというMINAさん。1社目でデビュー目前までカリキュラムを進めましたが、カット技術をもう少し磨きたいと思い、勉強し直すために転職を決意したそうです。
今回、お話を伺ったのは…
「W」スタイリスト
MINAさん

千葉県出身。山野美容芸術短期大学を卒業後、2社を経て、2022年に中途採用で「W」へ入社。美容師歴18年目のベテランスタイリストで、子どもを持つママさん美容師でもある。
元々は栄養士志望。受験結果に運命を感じて美容師の道へ

――美容師を目指そうと思ったきっかけを教えてください。
私は昔からさまざまなことに興味を持つ性格で、高校生のときは将来の夢がいくつもあったんです。そのなかで最初に選んだのは管理栄養士で、夢を叶えるために大学受験をしたのですが落ちてしまって。その時期から応募が可能で、管理栄養士を目指せる学校を探しましたが見つかりませんでした。そこで、ほかの夢を叶えられそうな学校を探していたところ、山野美容芸術短期大学がまだ募集を受け付けており、これも何かの運命だと感じて美容師を目指すことにしました。
――大学受験がきっかけで美容師を目指したのですね。学生時代に力を入れていたことは?
ヘアショーです。学校自体がヘアショーに力を入れていたというのもあるのですが、先輩に誘われてはじめて参加したときに、その楽しさに目覚めてしまって。それから校内、校外、クラブとさまざまなヘアショーに積極的に参加していました。
――ヘアショーでの経験は美容師になってから活きていますか。
サロンワークに活きていると思います。私が参加してきたヘアショーは先輩、後輩関係なくチームを組んで、ひとつの作品を作り上げるもので、団結力が求められました。サロンワークも同じでひとりではサロン運営は難しく、スタッフみんなで協力する必要があります。連携して仕事をしていく姿勢は、ヘアショーで築けたと思っています。
また、ヘアショーを通して人間関係の作り方や目上の人との接し方に慣れていたので、美容師になってから先輩とのコミュニケーションに悩むことはあまりありませんでした。
――ほかにも美容専門学校時代の取り組みで、いまに活きている要素はありますか?
マッサージです。私の通っていた学校ではマッサージの授業があって、ツボの場所や押し方をくわしく勉強するんです。1社目では施術の最後にマッサージの時間があり、お客様からよく高評価をいただいていていました。実際、お客様に「マッサージが気持ちいいから来店している」と言われたことがあり、リピートにもつながっていたと思います。
失敗の原因は明確に。効率よく進めるための練習法

――これまで「W」を含めて3社に入社しているそうですが、1社目はどのようなサロンだったのでしょうか。
1社目は都内に5店舗構えるサロンでした。当時カリスマ美容師ブームだったこともあり、私は青山で働くことへの憧れがあったので、青山に店舗を持つサロンに絞った結果、たどり着いたサロンです。入社後、青山店に配属されることはありませんでしたが、講習で足を運ぶことがあり、その度にテンションが上がっていました(笑)。
待遇面でいうと、カリキュラムがしっかりしていて分野ごとに試験があったのですが、ひとつ合格する度に昇給するシステムでした。そのため、モチベーションを高く持ったまま練習に臨めていたんです。
――やりがいがありますね。カリキュラムを早く進めるなかで悩んだことは?
ブローの習得です。思い通りのブローができるようになるまでに時間がかかりました。
――具体的にどのような練習で乗り越えたのでしょうか。
振り返ってみると効率的ではないのですが、とにかく練習を重ねていました。朝早くに出勤したり、夜遅くまで残ったりと自分で時間を確保して、1日の目標回数を決めた上で練習していました。
――数をこなすなかでも工夫したことはありましたか?
ブローのときはあまり工夫していませんでした。ただ、カット練習のときに効率よく進めるため、スタイルをひとつ作ったら写真を撮り、自分または先輩が確認して失敗の原因を明確にするようにしていたんです。この工夫をブローのときも取り入れていたら、もっと早く次のステップに進めていたのではないかと思います。
カット技術を学び直すために転職を決意

――デビューしたのは1社目だったのでしょうか?
デビューは2社目でしました。1社目ではモデルカットの終了目前までカリキュラムを進めて、デビュー直前で転職しました。
――なるほど。1社目で転職しようと思った理由は何ですか。
カット技術をもっと学びたいと思ったからです。1社目ではカリキュラムで学べるスタイルの種類が少なく、もっと提案できるスタイルの幅を広げてからデビューしたほうがいいのではないかという思いがあったので、学び直すために3年目で転職を決意しました。
――それでは2社目ではアシスタントからスタート?
はい。ただ、私の希望と既に習得している技術をよく理解してくれていたので、カット以外は技術チェック、カット技術のみ練習するというカリキュラムを組んでいただけました。
――デビューに向けて取り組んだことはありますか。
お客様に似合う髪型を提案する練習をしていました。カウンセリングのときに先輩がお客様に似合う髪型をすぐ提案していたのですが、アシスタントの私はまったく思い浮かばなくて危機感を感じたんです。それから生活を送るなかで、すれ違う人や同じ電車に乗っている人にどんな髪型が似合うかを脳内でロールプレイングして、提案力を鍛えていました。
MINAさんが充実した新人時代を送れた3つのポイント
1.学生時代にヘアショーやマッサージなどを経験していた
2.カット技術を学び直すために転職をした
3.街で見かけた人に似合う髪型をイメージして提案力を伸ばした
後編ではスタイリストデビュー後のお話や、「W」に入社することになった経緯などについて伺います。産休とコロナ禍のタイミングが重なり、復帰できない可能性があったため転職を考え始めたというMINAさん。「W」代表の丸山さんとは元々面識があり、カフェ併設の美容室をオープンする構想を聞いたときにワクワクしたので「W」に応募したそうです。
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TEL:080-9080-5858