キーワードはマネジメント&教育!『JE SUIS HEUREUSE』の次世代のチーム作り
『JE SUIS HEUREUSE』は、2015年の8月にオープンした美容室。サロンにはフリーランスの美容師とヘアメイクが所属しており、若手をプロフェッショナルに育てる教育体制を求めて熱い想いを持った技術者が集まっています。そんな『JE SUIS HEUREUSE』が支持を得ている背景には、フリーランスとしての武器を作るための自己分析や人間力を基礎から鍛える取り組みがありました。
今回はオーナーのRYO ISHIYAMAさんにインタビュー。前編では、次世代のクリエイティブ集団を作るための極意に迫ります。
キーワードは、マネジメントと教育
————まず『JE SUIS HEUREUSE』は、どのようなサロンでしょうか?
「『JE SUIS HEUREUSE』はフリーランスの美容師とヘアメイクが集うビューティークリエイティブ集団であり、表参道に『je suis heureuseTokyo』、神宮前に『je suis heureuse Miel』、渋谷区の鶯谷町に『je suis heureuse Lien』の3店舗を展開しています(春には明治神宮前に新店舗が完成する予定)。
弊社ではサロンワークをはじめ、東京、ミラノ、パリなどの大きなコレクションでのヘアメイクや、動画、イベントの制作も行っておりメンバーは研修中のスタッフを含めて現在19名です」
————数年前からフリーランスが集まる美容室が増えていますが、周りのサロンとの違いはありますか?
「大きな違いは、マネジメントと教育に力を入れていることです。ほとんどのシェアサロン型の美容室では、自己プロデュースとスキルアップをまだまだ個人に任せていることが大半です。
数年前までは、それでも通用していたかもしれませんが、今は表面上の演出だけでは成功するのが難しい時代なので、僕は『もっと本質を理解できるような教育が結果を左右する』と考えています。
そこで『JE SUIS HEUREUSE』では、すでに安定している経歴の長いメンバーが1人ひとりに必要な技術指導やマネジメントを行い、スターを育てる体制を整えています」
マネジメントのスタートは「友だちを100人作ること」
————それでは、どのようにマネジメントを行うのでしょうか?
「メンバーに友だちが100人いる状態を作ることから始めます。『JE SUIS HEUREUSE』の単価だと、100人のリアルなつながりがあればフリーランスとして、生計の基礎ができあがるので。この状態を作るためには、まず『自分はどのような人間で、これからどうなりたいのか?』を知ることが必要です。わかりやすくいうと自己分析ですね。
最近では、中高生の頃からSNSに取り組んでいる美容師がほとんどなので、発信慣れしている場合はこの能力を早くから持っていることもありますが、なかには苦手なメンバーもいます」
————そのようなスタッフは、どのように自己分析を進めていくのでしょうか?
「ベタですが、まずはマンダラートのようなチャートを使ってマッピング作りに取り組むこともあります。ちなみにマンダラートとは、3×3の9マスを用いて考えを明確にしていく思考方法です。マッピングにより自分の性格がわかったら、続いてはその強みを伝える力を付けるために1つひとつに対して100文字の作文を書きます」
自分の魅力を見つけて、それを伝える力を付ける
————「100文字作文」について、もう少し具体的に教えてください。
「たとえば、『友だちを大切にする性格』だと分かったスタッフは、その友だちの魅力について100文字の文章を書きます。友人を誰かにプレゼンする力がなければ、周りの人々は『この人は友だち想いだな』とは思いませんからね。つまり、『自分の魅力を見つけて、それを伝える力を付ける』この一連の流れをサポートすることがマネジメントです。
ちなみに、この100文字作文を応用してメンバーの紹介動画を作る計画を立てており、コメントを自分で話すか、他のスタッフがメンバーを紹介するか、それともまったく違うやり方か、より魅力が伝わる伝え方をずっと探しています(笑)」
次世代のクリエイティブ集団を作るための極意
職人のアトリエをイメージして小さくスタートを切ったという『JE SUIS HEUREUSE』。次世代のクリエイティブ集団を作るための極意をまとめると、下記の3つでした。
1. マネジメントと教育をキーワードに、次世代で活躍できる美容師を育てる
2. 根本を見つめ直す質問を投げかけて自分の魅力に気付かせる
3. 強みを的確に届けるために、発信力を基礎から鍛える
後編では、プロフェッショナルを育てる教育方法に迫ります。
▽後編はこちら▽
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