メイク技術も身につけた美容師に。資生堂グループの美容室の門を叩いて「シセイドウ パサージュ ボーテ」金澤史花さん
大手化粧品ブランド「資生堂」が100%出資する「資生堂美容室」。そのなかでもラグジュアリーな空間と卓越した技術力で人気を集めているのが「シセイドウ パサージュ ボーテ」です。
「資生堂美容室」に入社して2年目(2024年3月時点)となるのが、金澤史花さん。祖母が美容師という環境で育ち、小さなころから美容を身近に感じることが多かったそうです。さらに高校生のときに姉の成人式の晴れ姿を見たことで、だれかをきれいにしたい、人生の節目に携わりたいと考えるようになったといいます。
そんな金澤さんは就活時、美容師だけでなくメイク技術も極めたいという思いを持って、サロン選びをしていたそうです。コロナ禍での就活だったため、SNSを利用していたという金澤さん。メイク技術も身につけられ、サロンの雰囲気も自分にあった「資生堂美容室」を見つけることができたといいます。
今回、お話を伺ったのは…
金澤史花さん
「シセイドウ パサージュ ボーテ」アシスタント
大阪府内の美容専門学校を経て、2022年4月に「資生堂美容室」へ入社。1店舗を経て、「シセイドウ パサージュ ボーテ」に異動。入社2年目ながら、メイクもできる美容師という明確なビジョンを持ち、日々努力を重ねている。
人の節目に携われる美容師の仕事。メイクにも興味を持った高校生時代
――美容師を目指したきっかけは?
私の祖母が美容師をしていて、小さいころから髪を切ってもらったり、パーマをかけてもらっていたりしたので、自然と美容に興味を持つようになりました。そしていつかは美容師の仕事に就いてみたいと、漠然と考えるようになっていったんです。
もうひとつ大きなきっかけとなったのは、私が高校生のときに姉が成人式を迎えたことです。振り袖に身を包み、ヘアメイクをした姉を見て、いつもとは全く違う、別人のような姿に驚きました。だれかのことをきれいにしてみたい、そして人生の節目や思い出の一部に携わってみたいと考えるようになりました。
――高校卒業後は美容専門学校に進まれたのですか?
はい。メイクにも興味があったので、美容師だけでなくメイクやネイルなども学べる3年制の学校を選びました。
――実際に専門学校に入り、美容を学ぶようになって、どのようなことを感じましたか?
ヘアもメイクも、自分が思い描いたイメージを実際に形にするのはとても難しいということです。技術が追いついていない面もあったとは思うのですが、人それぞれ頭や顔の形、そして毛質が異なるので、それに対応していくのが当時の私にはとても難しくて。美容の技術は、かなり緻密に計算されているんだということが分かりました。
――そのときに感じた難しさを、どのように乗り越えていきましたか?
先生とのコミュニケーションをとって、分からないことや気になることがあれば、たくさん聞くことを大切にしていましたね。練習をするのもわりと好きな方だったかなと思います。そのおかげなのか、卒業のときに学校長賞をいただくことができました。
インスタを活用し、コロナ禍の就活を乗り切る
――就活を意識しはじめたのは、いつごろからでしたか?
2年生の後半ぐらいです。このころに自分が就職したいサロンや、興味のあるサロンを調べてくるという授業があって、インスタを使って調べるようになりました。サロンについて調べていくと先生にアドバイスをもらえたり、過去にそのサロンに受かった先輩がいれば、その方がしていた準備を教えてもらうことができたので、就活に活かしていました。
――サロン選びには、インスタを活用されていたのですね。
はい。学校に掲示されている求人票などももちろん見ていましたが、インスタだとサロンやそこで働いている人のリアルな情報をより知ることができたのと、私の就活期はコロナ禍真っ只中で、気軽にいろんなサロンや説明会に足を運ぶことができなかったので、SNSが頼りでした。
――インスタを見る際には、具体的にはどんな情報を重要視していましたか?
提供しているスタイルやお店が打ち出している雰囲気が、自分が求めているものにあっているのかを見ていました。私は甘めの可愛いスタイルより、格好良い雰囲気のスタイルやお店が好きだったので、それに合うようなお店を調べていました。
あとはSNSだと働いている人のアカウントにも飛べるので、そこでどんなお客さまを担当しているかとか、どんなスタイルを提供している方なのかも見ていました。気になるサロンがあればフォローして、情報は常にキャッチするようにしましたね。
ちなみに就活の際に美容学生のSNSのフォロワー数を見ているサロンもあったので、友人のなかにはフォロワー数を増やしたり、アカウントの見え方を意識している人もいました。
メイクについても学べる環境が整ったサロンへ
――そのなかで、資生堂美容室を選んだ理由は?
資生堂であれば美容師としてのカリキュラムと並行して、メイクのカリキュラムもあると聞いたので、メイクについてもきちんと学べると思ったからです。またインスタで店内の様子なども見てサロンの雰囲気がとても格好良かったので、そこもプラスでした。
――応募する前に、サロンには足を運びましたか?
はい。今私が働いている「シセイドウ パサージュ ボーテ」に、お客として足を運びました。当時の私は学生でしたし、銀座という土地にも、お店の雰囲気にもとても緊張しました。でも同時に「ここで働けたら私ってすごく格好良いな」と思い、行きたいという思いが憧れに変わっていきましたね。
あとはスタッフの方がすごく優しかったのも決め手になりました。そのときに今ここで一緒に働いている河井が担当してくれたんです。向こうは多分覚えていないと思いますが(笑)。最初美容学生だということは、隠そうと思っていたのですが、話している際にばれてしまって、そこからここに応募しようと思っていることを話して、いろいろなアドバイスをもらいました。
――具体的にはどんなアドバイスでしたか。
このお店では新卒採用はしていないけど、ほかの店舗に入って、異動願いを出せることを教えてもらいました。あとはお店の教育体制の情報などを色々と教えてもらったり、私の通っていた美容学校の先輩が資生堂美容室で働いていたのでその話をしたり。一美容学生に色々とアドバイスをしてくれる優しさにも感動してしまって。ここで働きたいという思いがどんどん募っていきました。
金澤さんのサロン選びをスムーズにした3つのポイント
1.美容師としてだけでなく、メイクにも携わりたいという明確なビジョンを持っていた
2.インスタを活用し、リアルなサロンの情報を得ていた
3.実際にサロンに足を運ぶことで、お店やスタッフの雰囲気を確認していた
後編では金澤さんに実際の採用試験を振り返っていただきます。履歴書の書き方や、技術試験の練習など、専門学校の先生のアドバイスがとても役立ったという金澤さん。面接では準備していたような形で進めることができず、終了後は落ち込んだそうですが、無事に合格を勝ち取ることができたそうです。そんな金澤さんが大事だと思っているのが、やりたいことを口に出すことだと言います。後編もお楽しみに!