壁を突き破るヒントは美容室に通っていた楽しい思い出にあり!【Sraw 野村寧々さん】#2

新たな道を切り開くとき、先輩たちはどのように壁を乗り越えたのかをご紹介するこの企画。前編に続いてbroocHの姉妹店のひとつ、Srawのスタイリスト、野村寧々さんのインタビューをお届けします。美容やファッションに奥手だった高校時代を経て美容師になることを決意したこと、第一志望のヘアサロンに落ちたものの志願したいと思うサロンを見つけ、土壇場でbroocHに就職が決まったことを伺いました。

後編では「誘われたら断らない」を繰り返して人脈を築いたこと、不器用ながらトップスタイリストの専属アシスタントを志願したこと、悩みや壁に突き当たったときの対処法についてご紹介します。

お話を伺ったのは…

Sraw 

スタイリスト 野村寧々さん

名古屋理美容専門学校を卒業後、broocHに入社。昨年7月にスタイリストデビューを果たす。今年で入社6年目を迎える。

自分は不器用。分かっているから練習は人一倍!

一人暮らしを始めたとの友だちは、高校や専門学校の同級生数人ほどだったとか。

――broocHに就職が決まっても、こちらに知り合いや友だちは少なかったでしょう?

高校の同級生が一人、専門学校の友だちが一人くらいでした。最初の頃はbroocHの同期の子たちとご飯に行ったり飲みに行ったりしていました。その繋がりで人脈が少しずつ広がっていった感じですね。

――人見知りではないんですね。

人見知りではないけれど、打ち解けるまでに時間がかかるかもしれません。上京したての頃は、家に一人でいるのがちょっと寂しかったですね。一人きりの家に帰りたくない(笑)。先輩や友だちに誘われたら絶対に断らず、行っていました。そのおかげで人脈を広げることができました。

――アシスタント生活はいかがでしたか?

私は本当に不器用で、練習をしないと身につかなくて。同期を誘って、営業が終わった後に練習していました。

――不器用だったんですか?

アシスタントは技術的なことを覚えるだけでなく、掃除や接客など基本を教わります。全てが初めてのことなので、慣れるまで相当時間がかかりました。

――叱られました?

アシスタント1年目のときは、先輩アシスタントに掃除や接客のことを教わります。私がミスをすると、教えてくれた先輩がスタイリストに叱られてしまうんです。「しっかり教えないから、後輩ができないんでしょ!」って。それが申し訳なくて。

――それは辛いですね。

私も2年目になって、同じように後輩のミスをよく叱られました(笑)。スタイリストから「ちゃんと教えたの?」って聞かれて「教えました」って答えても、「できていないのは教えていないのと同じでしょう!」と返されると、「ああ、その通りだな」と(笑)。

しっかり分かるような伝え方、教え方を考えるようになりました。

あえて売上トップのスタイリスト専属アシスタントを志願!

スタイリストになるための最終試験でパスしたときのスナップ。右が野村さんの師匠、柳亜矢子さん。

――アシスタント2年目が過ぎて、その後は?

特定のスタイリストに付いて技術的なことや接客を学ぶ、専属アシスタントチームの一員になりました。

――どなたに? 希望は出したんですか?

この店でディレクターをしている柳亜矢子さんに付きたいと希望を出しました。今もそうですが、当時も柳さんはすごく忙しくてアシスタントも休みなく動いている感じだったんです。これから美容師を続けていくなら、そういう人に付いて学んだ方が自分のためになると思いました。

――追い込みますね(笑)。

私の場合、空き時間があるとだらけてしまうので。戒められる環境じゃないと甘えちゃうんですよね。

――柳さんのアシスタントになって、いかがでしたか?

接客や技術だけでなく、美容師としての心構えなど、たくさん温かく厳しく指導していただきました。同時に、柳さんのお客さまから「あとどのくらいでデビューするの?」とか、いろいろ話しかけてくださって、すごく嬉しかったですね。お客さまは私よりも前からbroocHにいらしていて、柳さんとの付き合いも長いんですよね。お客さまにも温かく見守っていただきました。

――厳しい環境で「辞めたい」とは思わなかったんですか?

厳しさや怒られて辞めるのは、自分の意志ではないと思うんです。働き方を変えるためとか、別のことをするために辞めるのはいいと思います。それは本人の意志ですから。怒られるって、どこへ行ってもあることなので、それを理由に辞めたくありませんでした。それに、ここを辞めて他のサロンに行ったら、またシャンプーから習うじゃないですか(笑)。同じことをやりたくない気持ちもありました。

――芯がしっかりしているんですね。

そういえば、柳さんからは服装に対する意識も変えていただきました(笑)。柳さんはとてもおしゃれで、ファッションのことも詳しいんです。逆に私はおしゃれに疎かったので、たくさん勉強になりました。

――今の野村さんからは想像できないですね。

柳さんが着なくなった服や化粧品を店に持ってきて「みんなで分けて」って言ってくれることがあるんです。どれもおしゃれなモノばかりで、すごくありがたかったです。服の選び方やブランドのことも教えてもらいました。

――素敵な先輩ですね。アシスタントからスタイリストになるための最終ステップは?

サロンに全スタッフが集まって見ている中でカットとスタイリングをして、それをチェックしてもらうテストがあります。先輩たちがこのテストを受けているのを見ているだけで緊張しましたから、「これは絶対に無理だ!」と思っていました(笑)。

――柳さんから事前にアドバイスなどを受けたんですか?

私が考えていたのがボブだったんですが、すごくシンプルなカットなので柳さんからは「少し作り込んだポイントを作った方が良い」とアドバイスをもらいました。その他にもモデルさんの衣装など、たくさんのことをチェックしてもらいました。

――当日はどうでしたか?

ものすごく緊張しましたが、柳さんやモデルさんのおかげで落ち着いて力を発揮できたと思います。

――そのテストを受けて、晴れてスタイリストになったんですね。これからどんなスタイリストになりたいですか?

美容師としての幅を広げていって、お客さまと一緒に年を重ねていきたいです。

――これからスタイリストを目指す方にアドバイスをお願いします。

どの仕事も大変ですが、美容師はアシスタントから始まります。根性・気合いは必要で、いろいろな立場から物事を考えることも大切です。難しいけれど(笑)。私は仕事で悩んだとき、自分が美容室に通っていたときの楽しさを思い出して気持ちを切り替えています。

――美容室に通っていたときのことを思い出すとは?

実は私、最初の頃は接客が苦手でよく先輩から怒られていたんです。どのくらいの声のトーンで話しかければいいのか、どうやって話しかければいいのか分からなくて。そういうとき、美容室に行っていた時を思い返して、どんな接客をされて嬉しかったのかを考えています。

美容室に行って自分がキレイになることがすごく楽しかったんです。その楽しかった想いを思い返すと、「また頑張ろう!」という気持ちになれます。

野村さん流! 壁を突き破るための3つのポイント

1.友人や先輩の誘いを断らず、人脈を広げる

2.あえて忙しい環境に身を置いて、とことん学び尽くす

3.美容室に通っていたときの楽しい気持ちを思い返す

撮影/森 浩司


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Sraw
住所:東京都渋谷区代官山町13-4 ヴォーグ代官山Ⅱ2F
電話:070-6649-7131

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