「大好きなネイルがあるから4人の子育てもがんばれた」ネイリスト・ウサミレナさん流子育てと仕事の両立法
小学校4年生の長男から2歳の四男まで、4人の男の子を育てているネイリストのウサミさん。前編では自宅サロンからどのように路面店まで発展させたのかを伺いました。ポイントとなったのは、「美爪クリエイター」というほかにはない自爪育成の技術でお客さまの悩みを解決してきたこと、そしてその強みが一目瞭然でわかるようにブログに書いたことだったそうです。
後編ではウサミさんが子育てと仕事を両立するうえで、大切にしてきたことを伺います。キャリアアップの途中で必要になる費用の捻出をどのようにとらえていたか、家族の理解をどのように得たか、4人いるお子さんを小さなころから保育園に預けるかどうかなど、ママネイリストを目指す方が気になるポイントについて、細かくお聞きしました。ネイリストとして5年目となった今、ウサミさんが感じているのは「ネイルがあったからこそ、子育てもがんばれた」という思いだそうです。
今回お話を聞いたのは…
ウサミレナさん
ネイルサロン「La bouquet」オーナーネイリスト。2人のお子さんを出産後、ネイリストの勉強を開始。ネイリスト検定、ジェル検定取得後は、より高いレベルの技術を求め、全国トップレベルの先生から技術を学ぶ。2016年に自宅サロン「La bouquet」を開業し、ネイリストデビュー。その後、自爪育成の技術を持った「美爪クリエイター」のネイルサロンへの勤務を経て、2020年11月に念願だった路面店をオープン。現在はサロン経営のかたわら「サロン開業したい女性を応援」をモットーに、「美爪クリエイター」育成コースやフラワーアートの講座も開講中。ネイリストデビュー後に2人のお子さんを出産し、現在は4兄弟の母。
大好きなネイル。ママになってから仕事としてスタート
————小さなお子さんを育てながら、ネイリストを目指したきっかけは何だったんですか?
自宅サロンの流行により、これなら私でもネイリストになれるかもしれないと思えたことです。私は元々、趣味でセルフネイルをするぐらいネイルが大好きでした。ただ仕事には選ぶ勇気がなくて…。というのもネイルサロンは激務だと聞いていたので、仕事にしてしまったらネイルが嫌いになってしまうのではないかと不安だったんです。 そこで別の仕事につき、結婚、出産を経て、しばらくは専業主婦として子育てを中心に過ごしていました。次男の手が離れてきたころに、自宅サロンのことを耳にして、まずはネイルの講座に通って、検定を取得しました。
————実際にやってみて、ネイルが嫌いになってしまいそうな瞬間もありましたか?
いえ、辛いと思ったことはほとんどないですね。むしろ本当に幸せな、癒しの時間でした。日々家事や子育てに追われている毎日のなかで、ネイルの練習をしているときだけはママではなく「ウサミレナ」としていられるような感じで。それまでは独学で、ネットの情報を参考に見よう見まねでやっていたので、しっかりとした先生に教えてもらえることが何よりうれしかったです。
キャリアアップ途中の出費にはある程度目をつぶり、あとから取り返す気持ちで!
————講座に通われるときなどは、ウサミさんやご主人のご両親にサポートをお願いされていたんですか?
私も夫も両親が遠方なので頼ることができず、夫が休みの日に講座に通ったり、1日に数千円の保育料を支払って一時保育を利用することもありました。ちなみにネイリストとして活動を始めたあとも、保育園に入れるまでは、一時保育を利用することも多かったですね。当時の売上と比べると完全に赤字になってしまいますが、最初はやはりしょうがないのかなと思います。スキルを身につければいくらでも取り返せると思って、目をつぶることにしました(笑)。
————お休みの日にお子さんの面倒を見てもらっていたということは、ご主人は理解があったんでしょうか?
理解があったというよりは、最初にスクールに通っていた時点では、私がサロンを経営するようになるとは想像もしていなかったと思います(笑)。自宅サロンを開くというときも、不安そうな雰囲気が伝わってきましたが、反対される前にがんばって説得していましたね。今では仕事も軌道に乗り、しっかり応援してくれていますので、最初から100%理解してもらうことは求めず、まずは結果を出していくことが大切かなと思います。
————なるほど。ちなみに自宅サロン、路面店の経営、サロン勤務とさまざまな形でお仕事をされてきていますが、ママの勤務形態としておすすめはありますか?
どの形にもメリット、デメリットがあり、また環境によっても変わってきますので一概には言えないのですが、サロン勤務は技術を身につけられたのと、素敵な空間で施術ができたことがよかったですね。さらに私が勤めていたサロンは家からも近く、自分のお客さまがいるときだけ出勤すればOKだったのでママには働きやすいスタイルでした。デメリットとしては自分のお客さまがいないときに練習をしようとしても、ほかのスタッフのお客さまがいるとやりづらいという点があります。子どもたちがいない時間を有効活用して、練習をしたいところですが、やはりほかのスタッフのお客さまが優先になりますので。
自宅サロンは合間に家事ができたり、子どもが帰ってきたときに家にいられるという利点がありますが、うちの子たちは静かにはしていられるタイプではないので、逆にデメリットにもなっていましたね(笑)。あとは夫が変則的な勤務をしているので、お客さまがいる時間に夫が帰ってきて寝ていることもあるというのが、お客さまにも夫にも気を遣わなくてはならず辛かったですね。今は路面店の空間のなかで施術に集中ができますし、お客さまとのおしゃべりも存分に楽しめるので、路面店がベストな選択かなと思っています。
子育て経験を武器に、お客さまに安心感を与える施術を
————育児をしながらキャリアを積むうえで、大切なことはどんなことでしょうか?
子どもがいるというとハンデのようにとらえる方が多いのですが、メリットとしてとらえるといいと思います。ネイルの施術というのはお客さまとネイリストがお互いの手に触れながら、2時間も3時間も行うものなので、人間的に信頼されているかどうかが指名をしてもらえる大きなポイントになります。もちろん子育てをしているから信頼を得られるというわけではないですが、子育てという人生経験を積んできたネイリストだからと安心して通ってくださる方も多いんです。
もちろん子どもが小さいうちは、体調不良でお客さまに迷惑をかけてしまうこともあります。ただネイルサロンのお客さまは女性がほとんどで、お子さんがいる場合も多いですし、みなさんとても理解があり、子どもがいることが壁になっていると感じたことはありません。とくに個人で経営しているようなサロンであれば、そこがどんなサロンなのかをみなさんよくわかったうえで通ってくださるので、それでトラブルになったこともないですね。もちろんお客さまの理解があってのことなので、感謝しかないですが、子育てをハンデだととらえて立ち止まるのではなく、立派な経験の1つだと胸を張って、前進していくことがキャリアアップにつながると思います。
————最後にお子さんが小さいなかで、ネイリストを目指している方にメッセージがあればお願いします。
小さいお子さんを抱えている、ネイリスト志望のママ達にお話しを聞くと、子どもを保育園に入れるかどうかで悩む方が多いと感じています。私は子どもが小さいうちから保育園に入れていますが、最初はやはり迷いもあったんです。小さいうちは子どもを優先すべきかなとか、子どもがかわいそうかなとか。
でも子どもの適応力は本当にすごくて、保育園で楽しそうにのびのびと過ごしている姿を見て、引け目に感じることはなかったなと思っています。むしろ先生方はプロなので、とてもいい環境で育てられたし、社会性も身についたのかな、と。ネイルもやらず専業主婦だったら、イライラしすぎて家庭崩壊していたかもしれませんが(笑)、大好きなネイルがあるからこそ子育てもがんばれました。進むペースやタイミングはそれぞれあると思うのですが、挑戦したい気持ちがあったらぜひ一歩を踏み出してもらいたいなと思います。
子育てと仕事を両立させるための極意
4人のお子さんを育てながら、ネイリストとして活躍するウサミさんに、子育てと仕事を両立させるための極意を伺うと、以下の3つでした。
1. 下積みが苦にならないくらい、大好きなことを仕事にする
2. キャリアアップ途中の赤字には目をつぶる
3. 子どもがいることはハンデではなく、メリットだととらえる
4人のお子さんを育てながらも、ネイリストとしてのキャリアアップに邁進するウサミさん。その根底には大好きなネイルをお客さまに楽しんでもらいたいという、ひたむきな思いがありました。ネイリストを目指したいママさんはぜひ参考にしてみてくださいね。
▽前編はこちら▽
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