自分から出会いに行く「攻めの採用」!4年間で19名を採用することに成功 「OjOmano」倉田晋吾さん

「OjOmano」所属の倉田晋吾さんは、スタイリスト以外にもさまざまな肩書きがあり、そのひとつに「CHO(人事最高責任者)」として4年前から人事担当となり、19名もの採用に成功したそうです。

前編ではなぜそのようなことが実現できたのかを伺いました。ポイントとなっていたのは、自分から求職者に出会いに行く、「攻め」の採用。自身が編集長を務める「TOOL MAGAZINE」で美容学校を取り上げた記事を作成したり、美容学生を対象としたクーポンの発行など接点を多く作ることで、採用率のアップにつながっているといいます。

今回、お話を伺ったのは…

倉田晋吾さん

大学卒業後、美容室に入社し、通信教育で美容師資格を取得。その後、再現性サロン「MaNO」に入社し、30歳でスタイリストデビュー。4年前から求人担当者に就任し、新卒・中途社員を19名採用することに成功。その一方で「美容業界の知らないを解消する」をコンセプトとした、WEBマガジン「TOOL MAGAZINE」を2020年9月に立ち上げ、編集長を務める。美容室求人セミナーの講師も数多く担当しているほか、「求人チーム育成塾」を主催している。

求職者たちに自ら出会いにいく「攻めの採用」で、採用率アップ

倉田さんが編集長を務める「TOOL MAGAZINE」で、美容専門学校を取材したときの様子

――人事部長として、4年間で19名を採用されたそうですが、なぜそのようなことが実現できたのでしょうか?

求職者の人たちに出会う接点を、とにかくたくさん作りました。求人サイトやSNSはもちろん、美容学校や学生とのつながり、自社のブランディングなど数多くの手を打っています。受け身の採用ではなく、攻めの採用という感じでしょうか

先日スタッフを対象に、何をきっかけにうちのサロンを知ったのかというアンケートをとったのですが、SNS、美容学校の先生からの紹介と本当にさまざまでした。

――美容学校や学生とのつながりを作ったとのことでしたが、具体的にどのようにして作ったのですか?

ディーラーさんやメーカーさんに美容学校をご紹介いただいて、ガイダンスに参加させていただいています。あとは美容学生を対象としたスタイリングモデルの募集や割引クーポンの発行をSNSでしていまして、学生さんがうちのサロンに触れるきっかけになっています。

最近では僕が編集長を務めている「TOOL MAGAZINE」で美容学校への取材をさせてもらい、それぞれの学校の特徴や魅力がわかるように記事を作っているので、そこでもつながりができています。学校に電話をしたり、ホームページから問い合わせをしたりして、取材依頼をするのですが協力してくださる学校も多いんです。取材時には、学校のガイダンスがあれば、参加させてもらえるようにお伝えしています。

もともと「TOOL MAGAZINE」は僕が発信するために個人的に作ったものですが、今では求人活動になくてはならない存在になっていますね。

「なぜ人が必要なのか」、目的を常に意識する

美容室求人セミナーで講師を務める倉田さん。採用で最初にやることはその目的を考えることだという

――ほかにも求人をするうえで大切なことはありますか?

そもそもなぜ求人が必要なのかという、目的を意識することも大切だと思っています。漠然となんとなく人が必要だと採用をスタートさせるより、どんな人を採用したいかが明確になったほうが、どこに出会いに行けばいいかもわかりやすくなると思うんです

自社の場合でいうと、美容師はその人自体が商品になるという考え方で。お店に並んでいる商品棚みたいなものをイメージしていただくと、わかりやすいと思うのですが、人が増えない、人が入れ替わらない状態というのは、その並んでいる商品がずっと変わらない状態です。新しい人が入ることで、お客さまに新鮮味を感じてもらい、ほかのスタッフにも刺激になると思っています

――会社のブランディングというお話しがありましたが、大切にしていることはどんなことでしょうか?

等身大の自社の魅力を発信していくことだと思います。等身大以上のものを見せてしまうと、人は集まると思うのですが、マッチングミスにもつながりかねないので。とはいえ他社との差別化や会社を魅力的に見せることはしないといけないので、それが難しいなと僕も日々感じています。

インスタで求人用のアカウントを運用しているのですが、投稿の方ではモデルさんを撮影した写真で格好よく見せつつ、ストーリーではスタッフの等身大の写真を公開するなど、バランスを取りながら発信していますね。

人事担当就任はキャリアアップに複数のルートを作るための取り組み

最初こそ戸惑った人事の仕事に、今はやりがいを感じているという倉田さん

――ちなみに美容師で求人担当を兼務している人はたくさんいますが、「人事」、ましてや「人事最高責任者」というポジションは珍しいですね。どのような経緯で就任されたのですか?

自社の取り組みのひとつとして、美容師にも複数のキャリアアップの仕組みを作るということに挑戦しており、僕は人事に任命されたんです。これまでの美容師は、アシスタントからスタイリストになって店長になるというひとつのルートしかなかったと思いますが、それは美容室に部署がないから。そこで撮影、教育など役割のスペシャリストを作ったんです。学校の図書係、生き物係みたいな形を想像してもらうといいかもしれません。

――最初からうまくいったのですか?

いえ、最初は何からやっていいのかわからず、採用のコンサルティングの方を入れてもらいました。その方と求人の目的の確認や、この説明会に何人くらい呼びたいからこの日までにフォロワーをこれくらい増やそうなど、期限と数値を明確にした目標を立てて取り組み始めましたね。

正直僕はこれまで採用で何か実績があったわけでもなかったので、最初は「じ、人事!?」と驚いたのですが、挑戦するのは面白そうだなと思い受けてみることにしたんです。今は人事となったおかげでセミナーを担当したりさまざまな経験ができているので、自分の成長につながっているのかなと思いますね。


倉田さんが採用活動を成功させた3つの理由

1.求職者ととにかく多くの出会いを作る、攻めの採用に切り替えた

2.美容学生を対象としたスタイリングモデルの募集や、学生専用の割引クーポンで、接点を持った

3.「TOOL MAGAZINE」の取材を通して、美容学校とのつながりを作った

後編ではスタイリストのデビュー月に売上140万円という、社内の新記録を作った倉田さんにそのコツを伺います。なんと自分の行きつけの居酒屋で集客をするという、「居酒屋集客」で達成できたという倉田さん。インスタ集客がどうにも苦手だったという倉田さんですが、等身大の自分を見せ、好きな人の輪が広がっていく居酒屋集客はとてもあっていたといいます。後編もお楽しみに!

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Salon Data

OjOmano
住所:東京都世田谷区南烏山5-4-7 カネキ南烏山2F
TEL:03-6279-6643
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