同期から半年遅れのスタート。1つ1つ努力を重ね、ネイリストデビューをつかむ「DLAW tokyo」ネイリスト・NATSUKOさん
ニュアンスアートで人気を集める、表参道のネイルサロン「DLAW tokyo」。そのサロンに入社して4年目となるのが、NATSUKOさんです。
細かい作業が好きで、子どもの頃からネイルが大好きだったというNATSUKOさん。美容専門学校を経て、「DLAW tokyo」に入社します。しかし同期が半年でデビューするなか、その倍の時間がかかったというNATSUKOさん。どのようにしてその苦境を乗り越えたのでしょうか。
今回、お話を伺ったのは…
NATSUKOさん
「DLAW tokyo」ネイリスト
美容専門学校卒業後、「DLAW」に新卒採用で入社。現在は入社4年目で、ネイリストとして活躍するほか、後進の指導にもあたる。日々デザイン性の高いニュアンスアートを生み出し、お客さまの爪を彩っている。
お客として足を運び、応募先のサロンを決定
――ネイリストになろうと思ったきっかけは?
6つ離れた姉の影響で、小学生のころからネイルアートが好きでした。マニキュアから始まって、中学生のころはジェルネイルのキットも揃え、独学で技術を習得しました。ネイルがとてもきれいだったのと、細かい作業もわりと好きで、いつかネイリストになれたらと憧れていました。
――高校卒業後、美容専門学校に通われたそうですね。ネイリストになるために美容専門学校に通うのは必須ではないと思いますが、それでも通われた理由は?
たしかにネイリストになるための国家資格はなく、検定資格のみで、それも必須ではありません。ただ美容専門学校でも授業のなかでネイルについて学べるし、美容師の免許をとっておいたら、仕事の幅も広がるかなと考えたんです。
入学してみるとやはりネイルにしか興味が持てませんでしたが(笑)、それでも美容師の資格は取得し、ネイルの検定に合格してから卒業しました。
――就活の際に、「DLAW tokyo」に応募された理由は?
デザイン性が高く、センスのあるニュアンスアートに惹かれたのと、サロンの雰囲気がとても気に入ったからです。私は愛知県出身ですが、いつか東京で働きたいという漠然とした願望がありました。インスタグラムで気になるサロンをピックアップし、実際にお客としていくつかのサロンに足を運びました。そのなかで一番心惹かれたのが、「DLAW tokyo」だったんです。
今から振り返ってみても、実際に足を運んだことで自分に合うサロンを選ぶことができたと思っています。
コロナ禍と同時に入社。自宅待機しながら課題をこなす日々
――入社当初は、どんな仕事をされていたのですか?
私が入社したのがちょうどコロナ禍に入ったところで、サロンの営業自体も限られていましたし、入客もできないので自宅待機の状態でした。毎日、ネイル技術の課題をもらって先輩に指導をしてもらうのと、月に2、3回だけ出勤する生活が4ヶ月ほど続きました。早く働いて、学びたい気持ちが強かったです。
――夏頃には出社ができるようになったのですね。
そうですね。そこからアシスタントとしての勤務が始まりました。「DLAW」の場合は、アシスタントのあとに、ジュニアネイリスト、ネイリスト、トップネイリストと3ランクに分かれていて、ジュニアネイリストになったらモデルさんの施術ができるようになり、技術試験に合格したメニューから入客できるという仕組みになっています。
――アシスタントの業務には、どういったものがあるのですか?
受付対応やお客さまのご案内、電話の対応、施術後におしぼりをお渡しするなどの仕事です。あとは練習ですね。基本的に練習は、営業終了後に行っていました。
――アシスタント時代に心がけていたことは、どんなことでしょうか。
視野を広く、先輩たちを見ることです。アシスタント時代はレセプションに立っていることが多いのですが、カウンターがあまり広くないのでスタッフがたくさんいると、背中を向けて仕事をすることもありました。ですが極力、背中を向ける時間を減らして、先輩達の動きに目を配るようにしていましたね。あとは施術中に先輩たちがあまり席を外さないですむように、電話やお客さまが来たときはすぐに反応することも意識していました。
同期から大きく遅れたスタート。器用ではない自分に気付けた
――ジュニアネイリストになるには、どれくらい時間がかかりましたか?
確か半年くらいだったと思います。個人差があると思いますが、大体半年~1年間くらいでジュニアネイリストになる人が多く、同期入社だった私を含めて3人ともに半年間くらいでしたね。その後技術の試験が始まるのですが、私はとても苦労していました。ほかの2人と大きく差がついてしまい、同期より遅れをとっていることに悩みましたね。
――なかなか試験に受からなかったということですか?
そうです。ジュニアネイリストの間にワンカラーとグラデーションの技術に合格しないといけないのですが、同期の2人は半年で受かったのに対し、私は1年間くらいかかってしまったんです。その理由を振り返って考えてみると、技術不足はもちろん、テストで100%の力が出せないことや、課題として指摘されたところを直せていなかったりしたことが、要因だったと思っています。
――それは悔しいですね。そのときはどのようにして気持ちを保ちましたか?
DLAWの先輩方は、真摯に指導をしてくださるので、やる気はキープできていました。でも技術が追いついていかない自分が腹立たしくて、悔し涙を流す日もありましたね。
ただそういう経験があったからこそ、自分はそんなに器用ではないことが分かって、努力しないといけないんだと気付くことができたと思います。それまで以上に練習にも力を入れるようになり、先輩に声をかけて技術を見てもらう機会も増やしました。先輩達から優しい言葉もたくさんかけていただき、なんとか乗り越えることができました。
NATSUKOさんが新人時代に心がけていた、3つのポイント
1.実際に足を運んでサロンを選ぶことで、自分にあうサロンに就職することができた
2.アシスタント時代は視野を広く持ち、常にサロン内の動きに注意していた
3.困難は自分を知るきっかけと捉え、地道な努力を重ねた
後編では、ネイリストとしてデビューしたあとのNATSUKOさんについて伺います。入客ができるようになると、技術不足からクレームを受けたこともあるというNATSUKOさん。先輩にフォローしてもらうことで乗り越えたそうです。落ち込むことがあったときは、反省材料として心にとどめる一方で、心を切り替えることも大切だといいます。後編もお楽しみに!