ミラーレンタルの働き方で、カウンセリング業と美容師業を両立!家族との時間もしっかり確保 美容師&カウンセラーえんもとたかしさん
美容師とカウンセラーという2つの顔を持つ、えんもとたかしさん。美容師歴13年目でフリーランスとして独立した直後に突然難病を発症し、身体が思うように動かせない状態となりました。前編では、病気の発症をきっかけにカウンセリング業を開始した際の秘話を伺いました。
後編では、美容師としての活動を再開しているえんもとさんが、実際にどのように2つの仕事を両立されているのかを詳しく伺います。ミラーレンタルの形式でサロンワークの付帯業務を減らし、カウンセリング業や勉強の時間、家族との時間を確保しているそうです。また、自身の情報を発信するメルマガでファンづくりを行うなど、集客の方法も工夫しているのだとか。
今回、お話を伺ったのは…
えんもとたかしさん
フリーランスのカウンセラー&美容師。美容師としてフリーランスになった直後、ギランバレー症候群で体が動かない状態に。知識ゼロから勉強を開始し、7ヶ月でプロのカウンセラーになる。親子関係や家族関係に悩む人のカウンセリングを得意とし、「カウンセリングで人生をもっと自由に」をテーマに活動中。体調が回復してからは、美容師として”移動式美容室”を運営中。Vision 梅田店・Vision 天王寺店・本町babi hair design・平野salon de soinの4つの美容室を移動しながら施術を行っている。
集客はワードプレスを使った自作のページで!デザイン技術やコピーライティングも独学で習得
――えんもとさんは美容師さんとカウンセラーさんの2つの肩書をお持ちですが、お仕事の割合はどのようになっていますか。
3年前から、美容師とカウンセラーの仕事時間の割合は半々くらいですね。スケジュールとしては、平日はほぼ毎日10時から17時まで美容師としてサロンワークを行い、約5人を施術しています。その後、娘を保育園にお迎えに行き、夕食作りをします。
カウンセラーの仕事は夜から。講座を複数主宰しているため、全国の方とzoomなどを繋いでお話をしています。一度に複数人の方とお話することが多いですね。今後は検討中ですが、今は月間で20講座を行っています。
このような流れで平日はほぼ毎日、2つの仕事をしています。美容師の仕事がミラーレンタルだからこそできる働き方だと思いますね。
――2つのお仕事で、集客はどのように行っているのですか。
美容師としては、独立以前からのリピーターさんや紹介、ワードプレスを使った自作のwebページからの流入がメインです。ちなみに独立当初から、手数料の高いクーポンサイトは利用しないよう決めていました。カウンセラーとしても、自作のwebページからの依頼が多いですね。また現在は勉強をかねて、美容師用・カウンセラー用のInstagramアカウントを2つ作り運用しています。デザインやコピーライティングの技術も必要ですので、同業の方のサイトをたくさん見て、よいところをミックスしながら試行錯誤を重ねてきました。
他にも、カウンセラー向けのマーケティング講座に通い、webマーケティングの手法も学びました。
また美容やカウンセリングのことなど、自分の得意分野についてジャンルを問わずに書いているメルマガを配信し、自身のファンを作ることを意識しています。
SNSやwebページの運用には時間がかかりますが、情報発信をしないと何も起こりませんので、更新の手間を厭わないよう心がけています。
フリーランスになり家族との時間の確保が可能に。不安はセルフカウンセリングで解消
――美容師さんとしてもカウンセラーさんとしてもフリーランスで働かれていますが、メリット・デメリットはどのようにお考えですか。
一番のメリットは、家族との時間が取りやすくなったことですね。美容師としては、いわゆるミラーレンタルという形式で働いているので、タオル畳みや掃除といったサロンワークの付帯業務が一切ないんです。そのため、自分のお客さまのサロンワークだけ対応し、終了すれば帰宅できます。自分の時間を作ることもできるので、興味がある分野の勉強に時間を投資できるのもメリットかと思います。
反対にデメリットは、自分で動かないと仕事が入ってくることはないということですね。どれだけ働くかも自分次第なので、サボろうと思えばいくらでもサボれてしまいます。また仕事に対する不安を自分で解消したり、これから先どうしていきたいかの指針もすべて自分で決めていかねばなりません。
僕自身、仕事で悩みを抱えそうなときは、セルフカウンセリングをして軌道修正をしたり、どんなことがしたいのか自分の心を見つめ直すようにしています。
――2つのお仕事をされていることで、相乗効果を感じる点などがあれば教えてください。
僕はメルマガを配信しているのですが、そのなかで時折、美容師としての仕事について触れることがあります。カウンセリングに対する興味がきっかけでメルマガを購読した方が、髪を切りにきてくださることもあり、とてもうれしく思っています。逆に僕のカウンセリング講座を美容師さんが受けてくださるということもありますね。
また、美容師もカウンセリングも突き詰めると「人間の研究」だと思っているので、僕のなかでは2つの間にあまり垣根がないんですよね。「目の前にいる人が何を考えているのか・何を望んでいるのか」を考えるという点では、2つの仕事には共通点があると思っています。楽しみながら考え方を深めていけるところも、利点の一つかもしれないですね。
自己評価をつけるアンケートで要望をあぶり出し、解決案を提案
――美容師としての活動は、今年で19年目と伺いました。長い期間、お客さまの心をつかみ続けてこられたと思いますが、意識して行っていることがあれば教えてください。
美容師としては、新規のお客さまに向けてコーチングの技術を活かしてのアンケートをするようにしています。内容としては「自分の髪型にどれくらい自信がありますか」「カットにどれくらい満足していますか」「カラーにどれくらい満足していますか」など。施術を始める前に、自分のヘアスタイルについて10段階で自己評価をつけてもらうんです。
人の要望を汲み取るには、「自己評価」をつけてもらうことが有効です。回答に不満足そうなポイントがあれば、その点を解消する施術を提案するということを心がけていますね。また「現在使用しているシャンプーに満足していますか」など、髪にまつわるアイテムの質問も盛り込むことで、不満足そうであれば物販をすすめ、売上につなげることも可能です。
――えんもとさんの今後の目標を教えてください。
これからは人生100年時代。美容師さんも高齢化が進んだり、僕のように突然病気に襲われる可能性があると思います。不測の事態が起きて思うように身体が動かなくなり、大好きな美容の仕事を断念しないといけない人も見てきました。
そんな事態がおきたとしてもカウンセリングの技術を持っていれば、生活をしていくことができますし、美容の仕事も好きな分量で続けることができます。ですから、僕と同じような活動をしたい方の支援ができれば、と思っています。
具体的には、フリーランスでカウンセラーをしたい方に、カウンセラー技術と集客技術を一緒にお伝えできるような講座を作りたいと考えています。
えんもとたかしさんが美容師・カウンセラーで活躍をしている3つの秘訣
1. 自分の得意分野についてジャンルを問わないメルマガを配信し、自身のファンを作っている
2. ミラーレンタルの形式をうまく活用し、カウンセリング業と両立。さらに家族との時間や家事の時間、新しいことを学ぶ時間も確保している
3.美容師としてコーチングの技術を活かしたアンケートを作成し、お客さまの要望をあぶり出して提案を行っている
独立後、突然の病に倒れたものの、家族のために新しい道を切り開いたえんもとさん。2足のわらじを履きながらも、家族や自分の時間を確保し、自分を大切にしながら幸せそうに働かれている姿が印象的でした。活躍の場を広げたい方や、働き方を見直してみたい方は参考にされてみてはいかがでしょうか。