サロンワークだけがすべてではない!美容従事者の新たな道を切り拓く、動画クリエイターまるるさん【元ネイリスト/動画クリエイター まるるさん】#1

元ネイリストで、現在は動画クリエイターとして主にTikTokやYouTubeで活躍しているまるるさん。ネイルアートやケア方法などを、持ち前の明るさと軽快なトークで発信し、多くの人を魅了しています。

前編では、まるるさんがネイリストを目指すことになったきっかけや、サロンワークをしていたネイリストから動画クリエイターの道へと進むことにした経緯についてお伺いしました。

教えてくれたのは…
元ネイリスト/動画クリエイター・まるるさん

ネイリストとして5年半のサロンワークを経験。30歳のときにがんが見つかったことでサロンワークから離れ、現在は動画クリエイターとしてネイルのコンテンツを発信中。YouTubeの登録者数は4万5,000人以上、TikTokでは16万人以上のフォロワーを抱えている。

接客業を経て、諦めきれなかったネイリストの道へ

――動画クリエイターとしてネイルについて発信しているまるるさんですが、まずはじめにネイリストを目指し始めたきっかけを教えてください。

ネイリストになろうと思ったのは高校生のときで、一番は自分の身なりを自由にしたかったからです。ネイリストなり美容師なり、美容業界って髪色が自由だったり、メイクも派手で着飾ることができる世界だというイメージがありました。社会に出るとさまざまな縛りがあるなかで、自由な身なりでいられるところが美容業界だと思って。それがネイリストを目指し始めたきっかけで、恥ずかしいぐらい安直な理由しかなくて決して高い志を持っていたわけではなかったんです…(笑)。

本当は高校を卒業してすぐに県外の美容学校に行きたかったんですけど、親に猛反対されてしまったので仕方なく地元の企業に勤めました。アパレル業界に3年間勤めてみたものの、「やっぱりネイルをやりたい」と思ったので親に直談判し、それからスクールに通い始めました。

最初はちゃらんぽらんな理由で目指し始めたんですけど、やっているうちにネイルの楽しさや奥深さに気づいて、どんどんのめり込んでいきましたね。自分なりに夢や目標もできてきて、ブレずに頑張ってこれた思います。

――もともと細かい作業は得意な方でしたか?

全然駄目なんですよ(笑)。上手に絵が描けたり、細かい作業が得意だったら、たしかにこの業界では確実に有利なんで才能ある人が羨ましくて仕方なかったです。

だから並の技術に達するまで、すごく苦労しました。よく「ネイリストって器用じゃないと駄目ですか?」と聞かれるんですけど、私がなら「全然大丈夫です!」と言ってあげられるんじゃないかなと思います。そりゃあ大変ですけど、そうやって背中を押してあげられるのは、不器用な自分でもこの世界にしがみついた実績があるからですね。

――24歳からサロンワークをスタートさせたというまるるさん。最初はどのようなことを心がけていましたか?

これは技術職あるあるかもしれないんですけど、ネイリストになりたての頃って本当に何もさせてもらえないんですよ。見習い期間というか何もできない期間があるんですが、そのときから「お客さんに愛想良くする」というのはめちゃくちゃ心がけていました。

そもそもネイリストになる前は接客業をしていたので得意ではあったんですけど、自分が施術に入れない代わりに愛想よくして、それをきっかけに自分の存在を少しでも認識してもらおうとしていたことはありますね。

表情や雰囲気ってお客さんも結構敏感に感じとっているなと思う部分もあったんで、自分が思ってる以上に笑顔で接客したりしてました。

――実際施術に入るようになってから、心がけてたことありますか?

ネイルってすごく近い距離でお客さんと1時間半〜2時間ぐらいマンツーマンで過ごすわけじゃないですか。喋るのが苦手なお客さんもいたり、本当に色々な方がいるのでそこは一人ひとりに合わせて施術するよう心がけていました。

それと、「ネイルをしにきて楽しかったな」「お喋りも楽しかったな」っていう“付加価値”をつけられるようにできたらと、自分なりに工夫してたところはありましたね。

サロンワークから動画クリエイターへ

――現在はサロンワークから離れ、動画クリエイターとして活躍していますが、そのきっかけを教えてください。

サロンワークを5年半経験した頃に、上京するきっかけがあって独立を考え始めたんですね。それで一旦ずっとお世話になったサロンと会社を退社して、東京で自分のサロンを持つために準備をしていました。

けれどサロンをかまえるっていう1カ月前ぐらいに、がんであることが発覚して、そこで全部白紙になったんですね。サロンの場所とかいつオープンするとか全部決まってたんですけど、そんなことしてる場合でもなくなってしまったので、もう諦めざるを得ない状況になってしまったんです。いい勢いだったところに起きたできごとだったので、挫折感はすごくありましたね。夢を叶えられる手前で何もかもが駄目になってしまったっていうのは、今でも悔しいなという思いはあります。

でも技術職って、また立ち上がるための武器を持っているようなものなんですよ!私は全部駄目になった瞬間に色々諦めたんですけど、今の自分は「また何かできる」っていう気持ちになってますね

――お話ししていただきありがとうございます。夢を諦めざるを得ない状況で、自分とどのように向き合ってきたか教えていただけると嬉しいです。

人間って何か良くないことが起こったとき、まさかそんなことが起きるとは思わないじゃないですか。私も自分ががんになっていると知ったとき、そんなことになるなんて1ミリも思ってなかったんですよ。だからそのときの衝撃はすごく大きかったですし、当時は正直、本当にすさんでいましたね。

私は子宮のがんで子宮を全摘出したので、子どもを産めない体になりました。女性特有の病気だったので、より一層自分の気持ちがどんどん暗くなっていって。当時、地元の友達とだけつながっているプライベート用のInstagramアカウントがあったんですけど、ちょうど30歳のときだったので、妊娠、出産、結婚ラッシュみたいな。すごく楽しいストーリーや投稿が多かったのが苦しかったので、そのアカウントも消したし、地元の友達との関係も全部切りました。

そんな何も考えられない状況ではあったんですけど、やっぱり時間が解決してくれたと思います。どう考えても自分が病気になった事実は変えられないので、あまり良くないことを考えるのはやめようって思って。月日が経つにつれて、自分の考えは治っていったような感じではありますね。

美容従事者の新たな道を切り拓く

――現在は動画クリエイターとして活躍しているまるるさんですが、サロンワークだけでなく、他にも選択肢があると体現している姿には、きっと多くの方が勇気づけられるのではないかと思います。

私もサロンワークだけが、今後私が生きていく道だと思っていました。けれどまさかの出来事でそれはもう叶わぬ夢となってしまったんですけど、今こうして動画クリエイターとしてネイルの動画でみなさんに楽しんでもらえるという、“違う道”を見つけられた

今はそれで自分も楽しいし、それを楽しんでくれる人もいる。サロンワークのときとは違うけど、自分が持っているもので誰かを喜ばせることができているという実感があります。


サロンワークから離れても、動画クリエイターという新たな職業で大好きなネイルとつながっているまるるさん。後編では、SNSで多くのフォロワーを抱えるまるるさんに「SNSの活用法と今後の展望」について伺います。

TikTok
YouTube
Instagram

取材・文/菊地菜々

1
2
求人数3万件!リジョブで求人を探してみる
この記事をシェアする

編集部のおすすめ

関連記事

近くのネイリスト求人をリジョブで探す

株式会社リジョブでは、美容・リラクゼーション・治療業界に特化した「リジョブ」も運営しております。
転職をご検討中の場合は、以下の地域からぜひ求人をお探しください。

関東
関西
東海
北海道
東北
甲信越・北陸
中国・四国
九州・沖縄