ブライダルでのヘアメイク経験を生かす澤田曜さんの3つのポイント

ブライダルの現場で13年も積み重ねた技術や知識を生かし、現在はフリーランスとして多岐にわたる活動を続けている澤田曜さん。前半では、独立1年目にしてお仕事が好調な理由を詳しくうかがいました。以前の職場とのつながりやSNSでの交流など、人間関係を非常に大切にされていて、それが新天地を開拓するパワーの源になっていたようです。

後編でクローズアップするのは、そんな澤田さんを「ここまで育ててくれた」というブライダル業界について。新型コロナウイルスの影響により、一時は大変だった時期もあるそうですが「結婚式が開けることは当たり前ではない」と気づけたことが、新しい扉を開くきっかけになったようですよ!

今回お話を伺ったのは…

澤田曜さん

美容学校を卒業し、20歳でブライダルのヘアメイク・着付けやエステなどの美容をトータルで行う会社に就職。13年間の在籍中、技術者としてだけでなく店長や広報などさまざまな役職を経験し、2022年3月に独立。現在はブライダルのお仕事以外にもプロフィール撮影や広告撮影のヘアメイク、婚活メイクレッスンなど幅広く活躍している。

澤田曜さんのTwitter

Instagram:@you.hair_make

花嫁様に魔法をかけるプロの技術に感動! 自分の強みを的確に伸ばす考え方

ベールをつける特別な瞬間。結婚式場には幸せな要素が満ちている

――そもそも澤田さんはなぜブライダル業界のヘアメイクとして働きはじめたのでしょうか?

実は、特にヘアメイクへの憧れはなかったんです。小中高とバスケットに打ち込む毎日で、お化粧をしたことすらありませんでした。高校3年生で部活を引退してから、ファッションや美容の雑誌をあれこれ買って、メイクにも段々と興味が湧いたんだと思います。実のところ、それからの記憶は曖昧なのですが……美容師とヘアメイクの両方を学べる美容専門学校を卒業し、気づいたらブライダル業界でヘアメイクとして働いていました(笑)。

――そういうこともありますよね(笑)。実際に働いた感想はいかがですか?

それが、最高のお仕事だったんです。当時、先輩たちの手により魔法がかかったように美しくなった花嫁様を見て「人に自信を与えられるヘアメイクってすごい」と、とても感動を覚えました。それがご家族やご友人ゲストなど大勢の方に喜んでいただけるのも嬉しいです。責任とプレッシャーももちろん大きいけれど、それにも勝る幸せな感情と笑顔で満ちているお仕事でした。一つとして同じ結婚式はなく13年やっていても毎回感動します。

そもそも私自身は器用なタイプではなく、センスがあるわけでも技術が秀でているわけでもないと思っています。「自分と言えばこれ」という得意分野もありません。ただどんなお客様が来ても幅広いご要望にお応えできるよう「できない技術」をなくすために研究と練習は怠らないようにしています。技術者である以上、いつまで経っても向上心を持ってセンスも技術も磨き続けるものだと思っています。SNSで人気のヘアメイクさんはとってもオシャレで技術もあって、しかも個性的な方々が大勢いらっしゃいますが、そういったカリスマ性では張り合うつもりもありません(笑)

これまで助けてくれたたくさんの方に恩返しを続けることがこれからの目標

SNSで出会った方々の協力で完成したというプロモーション用の作品はInstagramで公開中

――なるほど。それでは、ブライダルのヘアメイクにとって大切なこととは何なのでしょうか?

ブライダルのヘアメイクと一口でいっても、タイプは色々あると思っていて、もちろん新進気鋭の技術を売りにしている方もたくさんいらっしゃるのですが、私は一人一人ととことん寄り添うことをモットーとしていて「花嫁様に身近に感じてもらえる存在」でありたいと思っています。花嫁様のお悩みをしっかりと聞き出して、理想の姿を一緒にイメージしていく、そんな気持ちが大切だと思います。トレンドもクラシックもお客様に合わせてバランスよく使い分けられることがとても重要ですね。

――それは長い経験のなかで培われていったものなのでしょうか?

そうですね。これまで花嫁様だけでも3000人以上はヘアメイクをしてきたなかで、最終的にご満足いただくためには、やはり花嫁様のお人柄を理解した上で、完成のイメージを共有することが大切だと実感したんです。反省と改善の繰り返しのなかで、技術だけでなく、苦手だったコミュニケーション能力も少しずつ磨いてきました

――SNSでも多くの美容関係者と交流されていますよね。お仕事につながる出会いも多いのでしょうか?

SNSを通じた出会いで一番印象的だったのはフリーランスになってから初めての作品撮りです。独立したばかりで予算はなかったのですが、Instagramを通じてハンドメイドのアクセサリーをご提供いただけたり、Twitterでの呼びかけにプロのカメラマンさんが応じてくださったり、モデルさんもTwitterで知り合った方のご友人をご紹介いただきました。

――皆さんが協力し合って、プロモーション用の作品に仕上げていったのですね。

そうなんです。さらにはご厚意でメイキング動画の撮影までしてくださって、想像を遥かに超えるクオリティの作品を残すことができました。本当にこのご縁には感謝の気持ちでいっぱいです。そのカメラマンさんは「自分も起業して大変な時期があったから、同じようにがんばる人を応援したい」とおっしゃっていて、同じように私も多くの方を応援できるような存在に成長していきたいと思いました。色んなチャレンジする環境を与えてくれた会社に、いつも心の支えだった同僚や先輩、友人に。そして、ちょっと気恥ずかしいですが家族に。私のこれからの人生のテーマは「恩返し」です

まずは結婚する人を増やしたい。そのための婚活メイク!

いつも人間関係に恵まれてるという澤田さん。きちんとひとり立ちすることも恩返しのひとつと話す

――新型コロナウイルスの影響が、ブライダル業界にも大きな影を落としたかと思います。業界のこれからについて、何か考えていらっしゃることはありますか?

コロナ禍では多くの結婚式場がクローズした時期がありました。予定していた結婚式を何度も延期せざるおえない状況の方も多かったです。「結婚式ができることは、当たり前ではない」ということを実感しました。もちろん、さまざまな考え方がありますから、結婚式を挙げることが是とは言いません。それでも結婚式が生み出す家族の絆や人生の幸せな瞬間はあります。大切な親族や友人と一緒に、その幸せな瞬間を分かち合う、とても大きな人生のターニングポイントです。その思いを大切にするために、コロナ禍を経て、これまで以上にお客様に寄り添っていきたいという気持ちが強くなりました。

――いま最も力を入れているという、婚活メイクもその一環なのでしょうか?

そうですね。根底には、私を育ててくれたブライダル業界を盛り上げていきたいという想いがあります。そのために「まずはご成婚カップルを増やすことができれば」という考えで、婚活メイクのサービスをはじめました。外見を整えれば、その方が本来お持ちの「自信や魅力」を引き出すことができるはずです。ヘアメイクのちからでパートナー探しのサポートをして、いずれは結婚式という舞台も一緒に寄り添い続ける、それが理想です。結婚式場で働いていた頃は、新郎新婦が訪れるのを待つことしかできませんでしたが、これからは結婚に向かう人を自ら増やし、「結婚できるメイク」と言われるようになるのが目標です(笑)


澤田曜さんがブライダル業界で得た3つのポイント

フリーランスのヘアメイクスタイリストとして働く澤田さんが、ブライダル業界で得た経験で大切にしているのは以下の3つでした。

1. 技術やセンスを売りにすることなく、お客様に寄り添って理想を叶える

2. 考えているだけでは変わらない。言葉に出して行動することが重要

3.自分が助けられた経験を忘れずに、恩返しを続ければ仕事の幅も広がる

フリーランスとして仕事をはじめる自信がつくまでに13年かかったと話す澤田さん。「考えすぎて根拠のない不安に陥る性格なので」とは言いますが、所属する会社のなかで技術や知識、そして人間性を磨いてきたからこそ、これから先も地に足をつけ、たくさんの方のお役に立つお仕事を続けていけるのでしょうね。今まさにフリーランスを目指しているという方も、ぜひ今回のお話を参考にしてみてください!

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