選ぶのは常に「ワクワクする方」。お金にも時間にも縛られない選択で、23歳で人気美容師に「NOT」mizukiさん

長門政和さん率いる銀座の美容室「NOT」に、2023年4月から在籍している、mizukiさん。若干23歳という若さながら、卓越したカラー技術で人気を集めています。

前編では、mizukiさんが美容師になった理由や、フリーランス美容師としてどのように経験を積んできたのか、お話を伺いました。

後編ではmizukiさんが「NOT」に転職した理由を伺います。スタイリストデビュー後、複数の会社から「一緒に働きませんか」と声をかけられたそうです。そのなかで「NOT」を選んだのは、未来がどうなるか分からず、ワクワクしたからだといいます。いつも大事な決断は給料などの待遇面ではなく、直感的に選ぶというmizukiさん。その背景には、美容師の仕事は自分の努力次第で道を切り開くことができるという、信念がありました。

今回、お話を伺ったのは…

mizukiさん

「NOT」スタイリスト。銀座のサロン、フリーランスアシスタントを経て、2023年1月にフリーランスのままスタイリストデビュー。ハイトーンカラーに特化した美容師になりたいと考え、外部のセミナーなどを積極的に活用しながら技術を身につける。2023年4月から「NOT」所属。全国各地を周り、カラー技術のセミナー講師も務める。

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複数の会社からの引き抜き。給料よりも大切な「ワクワクするか」という視点

mizukiさんが2023年4月から在籍する「NOT」。人気美容師の長門政和さんが立ち上げたサロン

――スタイリストデビューから3ヶ月ほどで、「NOT」に移っていらっしゃいますが、どういったきっかけがあったのですか?

スタイリストデビューしたあとに、複数の会社の方から、「一緒に働きませんか」とお声がけをいただきました。「NOT」の場合は、代表の長門さんとシダさんが元々同じサロンで働いていたつながりがあったので、一緒にご飯を食べさせていただく機会があって。その成り行きで、長門さんに「NOTにくる?」と声をかけていただけたんです。

――何社かお声がけされたなかで「NOT」を選んだのは、なぜですか?

どの会社も本当に魅力的で、とても迷ったのですが、私が何かの決断をするときは必ず、この先に何が起きるか分からない、でもワクワクする、楽しそうと思える方を選ぶようにしているんです。長門さんとお話しをしているときに、先が分からない、長門さんがどんな未来を描いているか分からない、ある意味何をたくらんでいるんだろう、というような気持ちがあって、その直感を大切にしたいと思いました。

――フィーリングで選ばれたんですね。

はい。理屈では説明できない、突き動かされるような直感に従っているという感じです。私の中には、労働時間やお給料という基準はなくて。こちらからも待遇面については一切聞かないので、いつも働き始めたあとにお給料の額を知りますね(笑)。でもどんなにお給料が低かったとしても、食べられなくて死んでしまうという額ではないし、もらった分でやりくりをしようと思っているので、問題ないと思っています。

美容師というのは、お給料も境遇も自分のがんばり次第のところがあると思うので、それを環境とか会社のせいにする必要もないと思っていました。1社目のサロンも、フリーランスになったときも、そういった気持ちで選択していましたね。

初めて体験したセミナー講師。反省点は次に持ち越さず、課題を解決

セミナー講師を務めるmizukiさん。その高い技術のノウハウを聞こうと多くの人が訪れる

――実際に、「NOT」に入ってみてどんなことを感じられましたか?

想像以上に楽しかったのと、想像以上に忙しかったですね。楽しさを感じたのは、「NOT」はいい意味で、オンとオフの切り替えがないからです。お仕事中はもちろん技術をきっちり提供するのですが、長門さんもアシスタントの綾さんもずっとしゃべっていて(笑)。私のお客さまと長門さんのお客さまも含めて、会話がはずむこともよくあります。その雰囲気がとても楽しいんです。

忙しかったのは、私の元からのお客さまだけでなく、長門さんが「NOT」に新スタッフが入ったと宣伝してくださったので、新規のお客さまもたくさん来てくださったからです。

また「NOT」では平均して月に3回くらいセミナーもあるので、当初から長門さんのお手伝いに行ったり、最近では私もハイトーンカラーの講師を務めさせていただくことも増えました。ほかにも「NOT」でYouTubeチャンネルを持っているので、その撮影もあったりして、6日間美容師として営業し、それ以外の日は撮影やセミナーで忙しく過ごしています。

――「NOT」に入ってから、苦労をしたことはありましたか?

これまでセミナー講師の経験がまったくなかったので、みなさんには良かったと言っていただけるのですが、自分では変な間ができてしまったり、質問にぱっと答えられないというような反省は多々ありました。毎回反省点はきちんと把握して、次のセミナーのときには直すことを心がけています。

美容師が好きという気持ちが、前を向かせてくれる

美容師の仕事は、辛いこともあるというmizukiさん。それでも美容師が楽しいという気持ちがあれば前に進んでいけると話す

――美容師として心がけてきたことは、どんなことでしょうか?

お客さまの前では一流の美容師として自信を持って振る舞い、お客さまがいないところでは自分はまだまだだと思って、学び続ける謙虚さを持つことだと思っています。この両方の気持ちを持つことで、美容師として成長し続けられると考えています。

――お話しを伺っていると、mizukiさんは一緒に働かないかと声をかけられることが多いですよね。その理由をご自身はどう分析していますか?

昔からよく言っていただいていたのは、人間力が高いということです。お客さまや、周りのスタッフに対する姿勢、あとは技術に取り組む姿勢を含めて、人間力が高いと評価していただくことがありました。

――人間力というのはどうすれば、培えるのでしょうか?

どうしたら培えるのでしょうね・・・。あくまで私の経験になってしまうのですが、私は人のことにとても興味があるし、好きなんですよね。それが、人に対する敬意につながっているのかもしれません。その方がやってきた過去を否定したくないし、どんな人とも向き合ってきました。苦手な人や嫌いな人というのは、まったくいないんですよね。

祖母から「頭より愛嬌」と、周りに愛されて生きることの大切さを教えてもらって生きてきたので、それが自分のベースにはあるのかもしれません。家族にはとても恵まれたと思っています。母には落ち込んだときになぐさめてもらい、祖父には甘やかされて、姉には厳しく(笑)育てられたのが、今の私を作ってくれています。

――最後にこれから美容師を目指す方にアドバイスをお願いします。

美容師は華やかな仕事だけでなく、やらなくてはいけないことが多々あり、それが辛いと感じる人もいると思います。実は私もSNSの投稿を続けることと、毎朝のメイクがあまり好きではなくて。でも美容師として活躍したいと思ったら、発信しなければ周りに知ってもらえないし、メイクをした華やかなスタイリストさんに対応してもらいたいとみんな思うはずなので、やりたくないではすまないと思って、なんとか毎日取り組んでいます。

やりたくないこと、辛いことがあっても美容師を続けていくためには、美容師が好きという気持ちを持つことが大事だと思うんです。その芯さえあれば、辛いことに目を向けすぎないで進むことができると思います。

あとは、叱られる、注意されるというのは新人としては当たり前のことだと思います。「叱られるうちが花」とよく言いますが、その通りで、見込みのない人をだれも叱ったりしないと思うんです。私もいっぱい叱られましたし、悔しくて泣いたこともあります。でも悔し泣きができるというのは、向上心があって、まだまだ上にいけるということだと捉えてきました。

辞めることは簡単で、続けることは難しい。でも続けられたらそれは自信につながります。美容師が好きという気持ちがあるのであれば、諦めずに続けていけば、その先に道が開けていくと思います。


mizukiさんが美容師として心がけてきた3つのポイント

1.待遇よりも、自分がワクワクする方を重視し、道を選ぶ

2.反省する点があったら、次に取り組むときにかならず解消する

3.自信を持つことと、謙虚にいることを両立させる

プロとして努力を重ねながらも、その過程を楽しみ、しなやかに生きるmizukiさん。23歳ですでに活躍している理由がよく分かった気がしました。美容師としてもっと活躍したい方はぜひ参考にしてみてくださいね。

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Salon Data

NOT
住所:東京都中央区銀座1-8-7 VORT銀座DDI 2F
電話:090-9019-8526
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