「より少なく、しかしより良く」をモットーに掲げ!『rams』
池袋駅の繁華街からほど近く、アクセス抜群の場所にありながら、店内は上質で落ち着いたたたずまいを見せる『rams』。時代が変わっても残っていくものを作りたいという強い思いから、すべてにおいてシンプルさを追求しています。その思いがお店作りにどのように反映されているのか、オーナーの佐藤真さんにお話しを伺いました。
しっかり働いて、ちゃんと稼げる環境を作りたい
――店名の由来を教えてください。
「インダストリアルデザイナーでありデザイン業界の伝説的な人物、ディーター・ラムスの名前からとりました。彼の言った言葉に『less but better』というものがあります。『より少なく、しかしより良く』という意味です。この言葉に深く共感してお店のコンセプトにしており、空間作りや接客、技術についてもこのスタンスでお店作りをしてきました。時代が変わっても通用するシンプルさを追求しています」
――お店をオープンさせたきっかけを教えてください。
「美容師として働くなかで、美容師の待遇に疑問があり、それを改善したお店を作りたいという思いが強くありました。トップサロンとその下に位置するサロンの間に給与面、待遇面で大きな差があるんです。トップサロンは給与はいいけれど、待遇はよくなかったり、厳しかったりすることが多いんですね。逆に下のほうのサロンだと給与は少ないけど、楽という面があったり。なので両方がいい環境を作りたいという思いがありました。楽して稼ぐではないけれど、しっかり働いていい給与をもらって、待遇もいいという環境を作りたかったんです」
――オープンしてから5年目になるとのことですが、お客さまからはどんな評価を得ていますか?
「いい意味で池袋らしくないと言っていただくことは多いです。席間に余裕があったり、シンプルモダンな空間をほめていただいています。あとはカウンセリングですね。うちのお店は正直、技術は大したことないと思ってるんです。ただ丁寧なカウンセリングや、ちゃんと話をしていくというところが評価してもらっているのかなと。このカウンセリングについては今まで3つの段階があったと思っています。お客さまがやりたいというデザインを受け身でやっていたのが一段階目で、そこからあがったところに、提案するという段階があります。ただこの提案は僕たちがやりたいと思っているデザインを押しつけている可能性があるんですよね。いい薬だから、いい色だからと一方的にすすめるのではなく、お客さまが求めているものを受け入れてから、お客さまの生活やスタイルを考えて提案する、寄り添いというスタイルを強化していこうとしています」
内装から技術だけでなく、待遇まですべてシンプルに!
――お店のコンセプトはシンプル、ということだそうですが、具体的にはどのような取り組みをされていますか?
「まず給与面ですが、他のサロンは接客数による売上げがすべてなんですよね。お客さまがゼロだと、給与もゼロというところも多いんです。その点うちのお店では、基本給があってそれにプラスして指名数と指名の売上げが乗ってくるという形なので、シンプルですし安定しています。提供している技術もシンプルですね。基本的にはネイルやまつエクなどはしておらず、カット、カラー、パーマ、スパのみです。あとは教育カリキュラムもシンプルにベーシックなものをやっていくというところですね。僕の世代と今の世代ではカットできることが違うんですよ。僕がスタイリストデビューした時代は、レイヤーがあって、そこにボブとか基本のスタイルが入ってくるんですけど、今はレイヤーはなくてボブしかないんですよね。それだけの技術ではこの先安定した道を歩むことはできないと思うので、どこにいっても通用するようシンプルな技術をきちんと身につけるようにしています」
――他にも大切にしていることはありますか?
「これは企業理念になるんですが、スタッフに対してもお客さまに対してもワクワクさせ続けるということですね。ワクワクさせ続けるために、僕はちゃんとしたことをしたいんです。そうでなければこれからの時代に残っていけないと思うので」
ワクワクさせ続けるためさまざまな取り組みをしているという佐藤さん。後編で詳しくお話を伺います。
スタッフもお客さまもワクワクさせ続けるサロン『rams』>>