リピーターを増やすための秘訣は“採用”と“教育” 『QPU』
中編では、表参道駅にほど近い小顔矯正サロン『QPU』オーナーの猪瀬悠希さんと表参道店店長の松井めぐみさんに、サロンで提供されているサービスと独自の店舗作りについてお聞きしました。後編の今回はスタッフの採用方法と技術教育の方法、そして今後の展開についてうかがいました。
“リピーター作りの基礎”となる採用方法
――スタッフの採用方法について教えていただけますか?
猪瀬さん「基本的に、私が全員面接しています。そして、その時は人間性(=キャラクター)しか見ていません。挨拶ができるか、印象がよいか、履歴書がしっかり書けているか、時間を守れるか。それから採用担当者とのメールのやり取りの言葉づかいなども、細かく見ています。これは“技術は教えられるが、人間性は教えようがない”という理由からです。
QPUの技術は独特のものなので、他のサロンで10年経験がある人もまったく美容サロンの経験がない新人も、技術習得の面で大差はつきません。あとから、いくらでも技術は伸ばすことができます。しかし、人の人間性はなかなか変えられません。そしてサービス業の経営でリピート率は何よりも大切ですが、お客さまがリピーターになるかどうかは担当者の人間性次第です。経営者としては、リピーターの取れるスタッフが欲しい。でも、この人間性を育てるのは本当に難しい。だから、そういうものを最初から持っている人を採用するようにしています」
人材教育では“サービス業の基本”を徹底する
――人材教育はどのようにされているのでしょうか?
猪瀬さん「まず、最低限の礼儀とマナーを徹底的に叩き込みます。挨拶の仕方、メールの送り方、電話の出方など、小顔矯正サロンはサービス業なので、そんなサービスの根本をしっかり教育しますね。教育には当サロンのマニュアルを使っているのですが、スタッフが日々の業務のなかで『こういうことが必要だよね』というような改善点をどんどん出してくれて、どんどんマニュアルをブラッシュアップしています。セラピストとしての技術は研修期間中に教え、それ以降も定期的に研修をしています。しかし、大切なのは個人がどれだけ向上心を持って努力するかです」
松井さん「スタッフ研修は私が講師として各店舗を回ったり、この表参道店で実施したりもしています。私の他にも、オーナーや研修の総監督をしている者も研修の指導を行っています。独自の教育方針としては“顔だけでなく、身体全体のことに興味を持って自分で調べよう”ということをオーナーから言われますし、スタッフにも伝えています。たとえばQPUのスタッフになったら、研修期間中に全身200ヵ所以上の骨の名前を全部覚えるんですよ」
全国47都道府県での出店を目指す
――今後のビジョンについて教えてください。
猪瀬さん「現在QPUは18店舗で大阪・福岡・那覇と地方にも出店していますが、47都道府県に各1店舗ずつ出したいと考えています。それからスタッフ1人ひとりの技術力、サービス力、知識力を向上させて、よりよいサービスができるようになることも目指しています。今はとくに地方の人を積極的に採用したいと思っていて、若くてもやる気があればすぐ店長を任せますし、エリアマネージャーにもなれます。だから技術力を身に付けたい、お金を稼ぎたいという、ちょっとギラギラしているぐらいの人に入って欲しいですね」