アイデザイナーはどんな職業?仕事内容や必要な資格・働き方などを徹底解説
「アイデザイナー」という職業をご存知でしょうか?美容に興味のある方ならご存知かもしれません。しかし、耳慣れない言葉でどんな職業なのか知らない、という方も少なくないでしょう。
アイデザイナーは「アイ」という言葉が入っている通り、目元の美容のプロフェッショナル。今回はアイデザイナーにスポットを当て、どんな職業なのか・どんな仕事をしているのか・どんな資格が必要なのかなど、詳しく紹介します。
アイデザイナーとは?
アイデザイナーは、まつエクやまつ毛パーマなどの施術を行う、目元の美容の専門職です。この職業は、お客様の目元を美しく演出し、魅力を引き出すことを目的としています。
お客様ひとりひとり異なるまつ毛の長さ・ボリューム・カールなどを考慮し、顔立ちや要望に応じたスタイルを提案します。安全に美しく施術するためには、必要な技術や知識を習得し、最新のトレンドや安全対策についても学ばなければいけません。
アイデザイナーは、美容業界の中でもとくに人気の高い職業の一つである、と言えるでしょう。
アイリストとはどう違うの?
結論から言ってしまうと、アイデザイナーとアイリストの仕事内容に関しては、違いはありません。つまり、まつエクを行う人として、どちらでも言い方としては問題はありません。
しかし1つだけ問題があり、それぞれの言葉は商標登録によって商標権が発生しているため、使用を認められた人しか使うことは出来ません。
この後に詳しく説明しますが、最近ではアイデザイナー、アイリスト以外にもアイティストという、こちらも既に商標登録されている言葉も出てきています。一般の人からすれば、どれでも良いけど、アイリストが一番聞きなれてるよね、とは言いたいかもしれません。
名称が違うのは運営協会が違うため
では、なぜまつエクを行う人の名称の言葉がこれだけ乱立しているのかというと、「アイリスト」がとある会社に商標登録されたことに始まります。
アイリストという、職業名でもあるこの言葉は、商標登録される前から存在して広く認識されていましたが、有限会社ローヤル化研によってアイリストという名称が申請されました。
そのためアイリストという名称を使って、まつエクの施術を行うには許可が必要になりました。
アイリスト協会や、日本まつげエクステ協会、日本まつ毛エクステンション専門家会は、それに対応する形で様々な言葉の商標登録を行っていきました。
日本アイリスト協会
日本アイリスト協会では、商標権によって使用が出来ないアイリストという名称の代わりに、「まつ毛エクステンション技術者」という名称を使っています。
しかし、「アイリスト協会」という言葉は協会が商標登録しているので、「協会」という言葉が付いていれば問題ありませんが、職業名ではないので、ややこしいですがアイリスト単体では使用できません。
日本まつげエクステ協会
日本まつげエクステ協会では、同様にアイリストという名称が使用できないため、「プロアイリスト」という名称を商標登録しました。「プロ」を付けることで、長年認知されてきたアイリストの言葉を上手に利用できるようになりました。
そのため、協会が主催する資格検定でもプロアイリスト検定として実施されています。合格した人はアイリストではなく「プロアイリスト」として名乗ることが出来るのです。
日本まつ毛エクステンション専門家会
日本まつ毛エクステンション協会は、2018年4月1日に日本まつ毛エクステンション専門家会として再出発しました。
元々、「アイデザイナー」という言葉を商標登録しているので、現在もアイデザイナーという言葉を使用して活動をしています。
施術できる業務に差はほとんどなし
いずれの名称だったとしても、技術や知識に違いが出るわけではなく、お客様からすればどれも、まつエクを行う人として認識しても問題ないでしょう。
それを仕事にする人は職業名には気を付けなければなりませんが、どれを使用する場合だったとしても、自信をもって施術していくことには変わりはありません。
アイデザイナーの主な仕事内容
アイデザイナーについておわかりいただいたところで、具体的な仕事内容を見ていきましょう。
1.カウンセリング
お客様が来店すると、アイデザイナーはまずカウンセリングをします。お客様の悩みや要望をていねいに聞き取り、どのような施術が最適かを提案します。
カウンセリングでは、希望や悩みに沿いつつも目元の印象やライフスタイルに合ったデザインを考慮し、お客様に安心感を与えることが重要です。また、施術に関する不安や疑問にお答えすることで、信頼関係を築きます。
2.施術
施術はアイデザイナーの中心的な仕事です。施術にはまつ毛パーマやまつエクなどが含まれ、まずはカウンセリングで決定したデザインに基づいて進めます。施術後は、アフターケアについてのアドバイスも行い、美しいまつ毛を長持ちさせられるようサポートします。
まつ毛パーマやまつエクなどではどんな施術を行うのか、それぞれ詳細を見ていきましょう。
まつ毛パーマ
まつ毛パーマは、まつ毛にカールをかける施術です。専用の薬剤を用いて、自然なカールを実現します。まつ毛にカールをかけることで目元がぱっちりとした印象になり、マスカラにかかる時間を短縮したり、マスカラの効果を引き立てたりといった効果があります。
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まつエク
まつエクは、地まつ毛にエクステンションと呼ばれる人工毛を装着する施術です。ボリュームや長さを調整し、お客様の希望に合った仕上がりを提供します。目元という敏感な場所で繊細な作業を求められるため、高い技術が必要な施術の一つです。
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眉毛
眉毛ケアを提供しているサロンでは、眉毛のカットやカラーリングといった施術もアイデザイナーの仕事に含まれます。眉毛は顔の印象を大きく左右する大切なパーツのため、眉毛のお手入れはプロに任せたい、というお客様も増えてきているようです。
眉毛ケアではお客様の希望に応じてバランスの取れた眉をデザインし、トータルの美しさを追求します。
3.その他のサロンワーク
アイデザイナーの仕事は、施術だけではありません。受付や会計などの窓口業務や、予約管理・売上管理・在庫管理などの事務業務もアイデザイナーの仕事です。また、サロンの清掃や器具の手入れを行い、清潔な施術環境を維持することも重要です。
アイデザイナーが活躍できる場所
目元の美容のプロフェッショナルであるアイデザイナーは、どんな場所で働いているのでしょうか。アイデザイナーが活躍できる場所について見ていきましょう。
1.アイラッシュサロン
アイラッシュサロンは、アイデザイナーが主に就職する場所です。目元ケアを専門に行うサロンで、まつエクやまつ毛パーマなど、目元に特化したメニューを提供しています。
アイデザイナーはカウンセリングを通じてお客様の希望を聞き取り、それをもとに施術を行います。また、サロン内の雰囲気作りなど、お客様がリラックスして施術を受けられる空間も提供します。そのため、専門的な知識と技術のほかに、コミュニケーション能力なども必要です。
2.美容室やネイルサロンとの併設型サロン
美容室やネイルサロンのなかには、まつ毛メニューを提供するサロンを併設しているところもあります。このような併設型サロンでは、ヘアスタイル・ネイル・目元ケアを一度の訪問で受けられるため、忙しいお客様にとって利便性が高いです。
アイデザイナーは、主に目元ケアを担当します。美容師やネイリストといったほかの美容スタッフと連携しながら、お客様に最適な施術を提案します。
3.エステサロン
まつエクやまつ毛パーマを含む、トータルビューティーのサービスを提供するエステサロンも、アイデザイナーが活躍できる場所です。アイデザイナーは、スキンケアやボディケアなどのメニューも考慮し、全体的なバランスを重視した施術を行うことが多いようです。
お客様のニーズに応じ、まつ毛の美しさを引き立てるだけでなく、全身の印象を向上させることが求められます。
4.ブライダルサロン
ブライダルサロンでも、まつ毛パーマやまつエクの施術を行うことが増えています。結婚式を控えた新婦は、特別な日のために目元を美しく整えたいと考える方が多いため、ニーズが高まっているからだと考えられます。
ブライダルサロンでは、持続性やデザインの美しさにこだわった施術が求められ、新婦の要望に応じて理想のデザインを提案します。
結婚式に向けた準備をサポートするため、細やかなカウンセリングやアフターケアも行うことで、安心感も提供できるでしょう。また、ブライダル業界に特化したスキルや知識を身につけることで、キャリアアップにもつながります。
アイデザイナーの働き方
アイデザイナーは大きくわけると、直接雇用・フリーランス・開業の3つの働き方があります。それぞれどのような働き方なのか、見ていきましょう。
1.直接雇用
直接雇用は、アイデザイナーが企業やサロンに雇用されて働く方法です。直接雇用のなかにも、正社員・パート・アルバイトなどさまざまな雇用形態があります。
直接雇用では、雇用契約に基づいて安定した収入が得られるため、とくにこれからキャリアを積みたいと考えている方に、メリットが多いでしょう。
正社員として働く場合は福利厚生や昇給の機会が多い一方で、パートやアルバイトの場合は柔軟な勤務時間を選ぶことが可能です。
企業やサロンによっては、定期的な研修や技術向上のための支援があり、スキルを磨く環境が整えられています。また、スタッフ同士のコミュニケーションやチームワークが必要なため、同僚と協力しながら働く楽しさも感じられます。
2.フリーランス
アイデザイナーは、フリーランスとして働く方法も人気があります。この働き方では自分のスタイルで仕事を進めることができ、自由な働き方を実現できます。業務委託契約を結び、サロンや個人から依頼を受けるのが一般的です。
また、面貸しやシェアサロンを利用する方法もあります。面貸しは、ほかのアイデザイナーや美容師が経営するサロンの一部を借りて施術を行う方法です。対してシェアサロンは、複数の美容業種が共存するスペースを共有しながら働きます。
フリーランスは自由度が高い反面、収入の確保や顧客獲得が必要なため、自らの営業力やマネジメントスキルも必要になります。
3.開業
開業して自分のサロンを持ち、オーナーとして働くのもアイデザイナーのキャリアパスです。自らのブランドを立ち上げることで、施術メニューや価格設定・サロンの雰囲気などを自由に決めることができるため、自分の理想のサロンを形にすることが可能です。
アイデザイナーには資格が必要?
目元の美容のスペシャリストであるアイデザイナーとして活躍するためには、どんな資格が必要なのでしょうか?ここからは、アイデザイナーになるための資格について、見ていきましょう。
アイデザイナーには美容師免許が必須!
アイデザイナーがまつエクやまつ毛パーマの施術を行うには、国家資格である美容師免許が必須です。
まつエクやまつげパーマの施術が広がり始めた当初は、資格は不要でした。しかし、施術が原因と見られる健康被害が相次いだことから、2008年に法律が改正され、美容師免許の取得が義務化されました。
アイデザイナーになるためには、美容師免許の取得が第一歩です。
引用元
厚生労働省|まつ毛エクステンションの危害情報について
厚生労働省|健衛発第0307001号
独立行政法人 国民生活センター|後を絶たない、まつ毛エクステンションの危害(発表情報)
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美容師の資格と取得方法を紹介|キャリアアップに役立つ資格5選
民間資格の取得もおすすめ
美容師免許さえ取得できれば、アイデザイナーになることは可能です。しかし、まつエクやまつ毛パーマを安全かつ美しく行うためには、さらに高い技術と知識が求められます。
そのため、美容師免許とあわせて、目元ケアや美容に関する民間資格の取得もおすすめします。資格によって求められる知識が異なるため、施術技術の向上だけでなく、トレンドや顧客対応に関する知識も深めることができるでしょう。
民間資格はさまざまな種類があり、自分の目指すスタイルや専門性に応じた資格を選ぶことが可能です。なお、具体的なおすすめ資格については後ほど紹介します。
アイデザイナーの給与事情
アイデザイナーは、美容に興味がある方にとって憧れの職業の一つ。しかし、どんなに好きで働きがいのある仕事でも、やはり給与事情は気になりますよね。
厚生省がさまざまな職業データを紹介しているサイト「job tag」では、「美容師」という項目が紹介されています。それによると、アイデザイナーを含む美容師免許所持者の全国平均年収は、379.7万円とされています。また、ハローワークの求人統計データとして紹介されている求人賃金の月収は、26.4万円です。
引用元
job tag(職業情報提供サイト(日本版O-NET))|美容師 – 職業詳細
なお、求人サイト「リジョブ」に掲載されているアイデザイナーの給与データは、以下のとおりです。
正社員 | 月給下限 | 月給上限 | 平均 |
スタッフ | 213,096円 | 406,101円 | 309,599円 |
店長(候補) | 246,756円 | 455,298円 | 351,027円 |
アルバイト | 時給下限 | 時給上限 | 平均 |
スタッフ | 1,073円 | 1,440円 | 1,257円 |
店長(候補) | 1,101円 | 1,513円 | 1,307円 |
業務委託 | 月給下限 | 月給上限 | 平均 |
スタッフ | 211,794円 | 583,333円 | 397,564円 |
店長(候補) | 239,826円 | 598,985円 | 419,406円 |
※2024年1月現在
この数値は平均ですので、あくまで目安として参考にして下さい。
アイデザイナーの魅力・やりがい
アイデザイナーという仕事には、たくさんの魅力・やりがいがあります。どんな点が魅力なのか、具体的に見ていきましょう。
1.お客様に喜んでもらえる
お客様に喜んでもらえることは、アイデザイナーという仕事の大きな魅力の一つです。施術を通じてお客様の美しさを引き出し、その姿を間近で見ることができます。
成人式や結婚式といった人生の特別な瞬間に関わることも多く、感謝の言葉を直接受ける機会もあります。お客様の笑顔や「ありがとう」という言葉は、やりがいを感じる瞬間でしょう。
また、満足度の高い施術が指名につながり、結果として給与に反映されることも大きなやりがいと言えるのではないでしょうか。
2.美容に関わる仕事である
美容に関心を持っている方にとって、アイデザイナーという職業自体が魅力であると言えるでしょう。美容に携わる仕事をすることで、自身の興味を活かしながら働けるからです。
流行を取り入れた施術を行うことが多いため、常に新しいトレンドに触れることができます。大好きな美容業界で自分の技術を活かして働けることは、モチベーションの維持にもつながります。
3.比較的研修期間が短い
アイデザイナーは、ほかの美容職と比較して研修期間が短いのも大きな魅力です。
たとえば、美容師の場合、一人前としてデビューするには数年間のアシスタント経験が必要です。アイデザイナーは、早ければ数カ月でデビューできます。早くから実践的な仕事に携わることができるため、自分の成長を実感しやすいです。
4.自分自身も美しくいられる
アイデザイナーは、美容に関するスキルを持っています。そのスキルを活かすことで、自分自身も美しくいられるのも、アイデザイナーの魅力と言えるでしょう。
見た目を美しく整えることは、施術の説得力増加にもつながり、自信を持ってアドバイスや提案ができるようになります。
5.独立・開業が目指せる
アイデザイナーとしてのスキルを磨くことで、将来的には独立・開業を目指すことも可能です。自分のサロンを持つことで、施術メニューやサービスを自由に設定でき、自分の理想を実現することができます。
ただし、独立するためにはアイデザイナーとしての技術に加え、経営や営業に関する知識も必要です。独立を目指す過程は挑戦的ですが、自分のサロンを持つことは、大きな達成感と満足感を得られるでしょう。
アイデザイナーにおすすめの民間資格
アイデザイナーとしてのスキルを高めるためには、民間資格の取得が有益です。ここでは、アイデザイナーにおすすめの資格をいくつか紹介します。
JAEまつ毛エクステンション技能検定|日本アイリスト協会
JAEまつ毛エクステンション技能検定は、日本アイリスト協会が提供する資格です。1級から3級まで3つの難易度があり、1級がもっとも上位の資格です。
2級以上を受験するには、美容師免許を所持しているか、美容師養成課程(美容学校)の在籍者または卒業者であることが条件です。
一般社団法人日本アイリスト協会|JEAまつ毛エクステンション技能検定試験概要
プロアイリスト検定®|日本まつげエクステ協会
プロアイリスト検定®は、日本まつげエクステ協会が実施している資格で、施術者のレベル向上を目的としています。トラブルを防止するための安全衛生をはじめ、仕上がりの美しさや、美しさを長く維持するための技術力を重視した検定試験であることが特徴です。
1級を上位とした1~3級の3つの難易度と、後進のアイデザイナーを指導する立場になれる認定講師の資格があります。
資格認定 5STAR技術評価試験|日本ラッシュアーティスト協会
日本ラッシュアーティスト協会も、5STAR技術評価試験という資格認定試験を実施しています。誰でも受験できるLEVEL1から、5年以上の実務経験者を対象としたLEVEL5まで、5つの難易度の試験があります。
アイデザイナーの求人を探す方法
アイデザイナーとしての求人を探す際には、さまざまな方法があります。ここでは、就職・転職エージェントと求人サイトの利用方法について解説します。
1.就職・転職エージェント
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