生活相談員のお給料はどれくらいなの?|収入UPを目指す5つの方法を解説
日本では高齢化にともなって、高齢者が利用する特別養護老人ホームやデイサービス、グループホームなどの介護施設の需要が高まってきていることから、介護を担う介護福祉士やヘルパーなどの介護職へ注目が集まっています。そのなかでも介護サービスの窓口ともいえる「生活相談員」は、介護職のなかでも人気の高い仕事のひとつです。
ここでは、そんな生活相談員の給料やキャリアアップの方法などについてご紹介します。
生活相談員のお給料はどれくらいなの?
生活相談員は特別養護老人ホームやデイサービス、地域の相談センターなど介護が必要となる事業所で募集されています。
しかし、実際に生活相談員として働く場合、どれくらいのお給料をもらうことができるのでしょうか。ここでは、東京の求人情報と全国の平均年収などを調査し、その結果から判明した生活相談員の給料・平均年収について解説します。
正社員の月給相場はどれくらい? 求人情報をチェック
2021年9月17日時点の東京都の求人情報をチェックしたところ、東京都の生活相談員の初任給は21~25万円程度であることがわかりました。正社員雇用であれば賞与もありますので、年収にすると300万円前後となる場合が多いようです。しかし、この金額はあくまで初任給の金額で、ほとんどの事業所では昇給制度があるため、勤務年数に応じて年収も上がっていくことが期待できるでしょう。
また、生活相談員の給料を考えるうえで忘れてはいけないポイントが資格手当です。生活相談員は無資格で働くける自治体もありますが、社会福祉士や介護福祉士などの国家資格などを必須条件としている自治体も存在します。そのため、生活相談員の基本給料に加え、これらの資格手当が上乗せされればもう少し高い価格が見込めるでしょう。
東京都 生活相談員 正社員の求人検索結果(2021年9月17日時点)
老人福祉施設生活相談員の平均年収|2020年賃金構造基本統計調査
生活相談員のなかでも、老人福祉施設で働く生活相談員の平均年収は2020年の調査では397.9万円となっていました。全国求人賃金が21.6万円、平均年齢が43.8歳となっているので老人福祉施設では長く勤めて、着実に昇給を重ねていく方が多いと考えられます。
さらに、東京は全国よりも賃金が高く設定されているため、東京で長く生活相談員の仕事をつづけた場合は全国平均以上の年収が期待できるでしょう。
生活相談員は介護職員処遇改善加算の対象外?
国は介護職員の不足などを危惧して、介護職の処遇を改善するために「介護職員処遇改善加算」という制度を導入しました。これは、介護職の賃金増加など、労働環境の改善につながる制度のことです。
しかし、この制度は直接処遇職員、つまり利用者の介護や介助を直接実施している職員に限るとされています。そのため、ケアマネジャーや看護師、生活相談員、事務員、調理師などの間接処遇職員と呼ばれる職員には該当しません。
ただし、生活相談員でも介護職を兼務している場合には介護職員処遇改善加算の対象です。そのときの条件として「辞令や契約書などに介護業務に従事する旨が明記されていること」「事業所の配属基準を守っていること」「勤務シフト表などに介護業務をおこなった記録が残っていること」が挙げられています。
生活相談員の仕事のみに従事している場合には、介護職員処遇改善加算の対象とはならないため、注意しましょう。
生活相談員が収入UPを目指す5つの方法を解説!
生活相談員は介護職のなかでも資格などを保持しているぶん、給料が高い職種のひとつです。しかし、生活相談員として勤務していくうえで、より収入をアップさせていく方法もあります。
ここでは、生活相談員が収入をアップさせる方法を確認しておきましょう。
1. 生活相談員のまま勤続年数を重ねる
生活相談員として勤務をつづけると、勤務年数が長くなるにつれ、生活相談員としてのスキルも上がってきます。職場によってはスキルの向上にともなって、収入も上がっていくことが考えられるでしょう。
上述したように、生活相談員の初任給と生活相談員全体の平均年収には開きがあります。初任給と平均年収のぶん、勤務年数を重ねるごとに昇給していくことが期待できるでしょう。
2. 介護職と兼務して夜勤をおこなう
生活相談員と介護職を兼務する場合であれば、夜勤をおこなうと夜勤割増賃金と夜勤手当が支給されるのが特徴です。夜勤割増賃金は日中の25%増し以上と定められており、夜勤手当は事業所ごとに定められています。
夜勤手当の額は1回約3,000~8,000円程度の事業所が多く、夜勤に入れば入るほど手当の支給額は増加。しかし、夜勤は人によって不得意な方や年齢を重ねると体調を崩してしまう方もいるので、自分の体質や体調と相談しながら勤務しなければなりません。
また、この場合では介護職と兼務していて、上述した介護職処遇改善加算の対象にもなるため、給与が加算される可能性もあります。
3. 管理職を目指す
生活相談員から、管理職を目指すという方法もあります。一般の会社と同様に役職が上がり、責任が重くなれば役職手当が支給され、その分給与の増加も見込むことができるでしょう。
施設で、もっとも責任のある立場は施設長です。しかし、どうすれば施設長になることができるのでしょうか。ここでは、特別養護老人ホームを例に挙げて、施設長を目指す方法をご紹介します。
施設長になるには|特別養護老人ホームの場合
施設長になるためには、それぞれの施設で定められた条件をクリアしなければなりません。特別養護老人ホームの場合は、以下のいずれかを満たす必要があります。
・社会福祉主事任用の要件を満たすもの
・社会福祉事業に2年以上従事したもの
・社会福祉施設長資格認定講習会を受講したもの
もしも、このいずれかをすでに満たしているのであれば、現在の職場で施設長の交代のタイミングで立候補するか、他施設での施設長の求人に応募することで施設長になれる可能性があります。
4. 資格を取得してキャリアアップを目指す
生活相談員としての経験を活かすことができる資格をさらに取得し、キャリアアップを目指す方法もあります。ここで、とくにおすすめなのがケアマネジャー(介護支援専門員)です。つづいては、ケアマネジャーへのキャリアアップについてご紹介します。
ケアマネジャー(介護支援専門員)
ケアマネジャーは、生活相談員よりも月2万円ほど給料が高い職種です。このケアマネジャーの試験を受験するためには、指定の業務にもとづく5年以上かつ900日以上の実務経験が必要となります。
指定の業務とは、介護福祉士などの資格のほかに、生活相談員や支援相談員、相談支援専門員、主任相談支援員などの業務のことです。申し込み日の時点で業務日数が足りていない場合でも、試験日の前日までに日数を満たすことができれば受験できます。
現在、生活相談員として勤務していて、将来的にキャリアアップを考えているのであればぜひケアマネジャーも視野に入れてみるとよいでしょう。
ケアマネジャーになるには資格が必要? 受験資格や必要な実務経験について徹底解説!
5. 経験を活かして待遇のよい職場へ転職する
現在までの生活相談員としての経験を活かして、待遇のよい職場へ転職するという手段もあります。生活相談員は、施設によって仕事内容もさまざまです。それにともなって、生活相談員の給料にも幅があります。
もし今現在働いている勤務先の給料や待遇に満足していないのでしたら、一度、希望の条件で求人情報を探してみるとよいでしょう。思っているよりも待遇のよい職場が見つかるかもしれません。
収入UPを目指してできることからはじめてみよう!
ここまで、生活相談員のお給料についてご紹介してきました。東京を例にしてみると、生活相談員の初任給はおよそ21~25万円ですが、全国の生活相談員の平均年収が397.9万円となっているので、介護職のなかでは比較的高収入を期待できる仕事のようです。
また、生活相談員としてこれまで働いてきた経験を活かして、収入UPを目指すことも可能。その方法には、管理職を目指すものや新たにケアマネジャーの資格取得を目指すという方法があります。収入UPを目指して、できることかはじめてみてはいかがでしょうか。
引用元サイト
厚生労働省 職業情報提供サイト 老人福祉施設生活相談員
厚生労働省 1. 介護職員処遇改善加算について
厚生労働省 施設長の資格要件等
東京都福祉保健局 令和3年度 社会福祉施設長資格認定講習課程受講のご案内
厚生労働省 職業情報提供サイト 介護支援専門員/ケアマネジャー
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