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特集・コラム 2022-12-08

生活介護事業所って?仕事内容や選び方、就職に有利な3つの資格を解説

「生活介護事業所ってどんな施設なんだろう」「生活介護事業所への就職に必要なことはなんだろう」と考えている方もいるのではないでしょうか?

生活介護事業所は、要介護者を対象とした通所型の介護施設ですが、具体的な業務内容や就職・転職する上で必要なことについて知らない方も多いでしょう。

この記事では、生活介護の定義や生活介護事業所の業務内容、生活支援員として働くための条件や有利な資格について解説します。生活介護事業所の概要と実際に職場で働くための条件を知って、就職活動をはじめたいと考えている方は参考にしてみてください。

そもそも生活介護とは?

生活介護事業所の定義について見ていく前に、まずは「生活介護」とはどんな業務なのかを紹介していきます。生活介護とは、障害者総合支援法にもとづく介護支援のことです。

具体的には、介護者の身体介助・生活支援にともなう身体機能の向上や日常生活の支援、就労サポートなどを目的とする介護行為のことをさします。

生活介護の対象者の適用範囲

生活介護の対象者は障害支援区分(6段階の区分)によって分類され、障害が軽い1段階から、重度の障害を抱えていて介護が必要な6段階まであるのが特徴です。そして、生活介護に該当するかどうかは、年齢と障害支援区分のレベルによって判断されます。

・49歳までの方で障害支援区分が3以上→生活介護の対象
・50歳以上の方で障害支援区分が2以上→生活介護の対象

ただし、生活介護・入所施設を併用する場合は、以下のような基準になります。

・49歳までの方で障害支援区分が4以上→生活介護の対象
・50歳以上の方で障害支援区分が3以上→生活介護の対象

このように、生活介護と介護施設の利用を併用できるのは、障害支援区分が比較的高いカテゴリーの要介護者と定められている点を覚えておきましょう。

具体的な仕事内容

生活介護の具体的な業務内容は、以下のポイントにまとめられます。

・入浴・食事・排泄などの身体介助
・生活全般に関する相談業務
・調理や洗濯、掃除などの家事支援
・身体機能を向上させるための支援活動
・創作活動・生産活動に携わるサポート

要介護者の身体介助だけでなく、家事や生産活動などの生活支援も行い、生活全般に関するサポートを行う業務の幅広さが特徴です。

就労継続介護との違いは?

よく生活介護と引き合いに出される就労継続介護との違いは、支援の目的や内容、関わるスタッフの種類にあります。具体的には以下の表の通りです。

就労継続介護 違い 生活介護

生活介護と就労継続介護では、身体介助や生活支援を目的としているのか、就業サポートを目的としているのかで、大きな違いがあります。

生活介護事業所とは?特徴や選ぶ際のポイント

生活介護を行う事業所である生活介護事業所は、一体どのような施設なのでしょうか。

この章では、施設の概要と利用するための条件、生活介護事業所の選び方についてくわしくみていきましょう。

生活介護事業所の概要

生活介護事業所とは、通所を前提とした身体介助・生活援助などの介護サービスを提供する事業所です。また、生活に関する相談に乗ったり、創作活動や生産活動への参加をうながしたりと、社会生活への復帰をサポートする事業所でもあります。

生活介護事業所を利用するための条件

生活介護事業所を利用できる方は、49歳までの方で障害支援区分が3以上、50歳以上の方で障害支援区分が2以上の方です。入所施設と併用する場合は、それぞれ障害支援区分が4以上、3以上と基準が厳しくなります。

身体障害や知的障害、精神障害、難病患者等の基準によって障害支援区分が定められ、必要な方に生活介護支援が行き渡るような仕組みになっています。

生活介護事業所の選び方

生活介護事業所を選ぶ際は、以下のポイントを覚えておきましょう。

・評判について聞いた上で複数の事業所を比較する
・適切な介護サービスとスタッフがそろっている
・サービス内容について詳細に記載されている

生活介護事業所での就職を考えているなら、どのような評判があるかということや、業務内容について明記されている事業所を選ぶのがおすすめです。また、実際に事業所に出向いて、介護スタッフとの相性を見てみるのも重要だといえます。

生活支援員って?就職するために必要なこと

生活介護事業所で介護サービスに従事する職員は、生活支援員と呼ばれます。この章では、生活支援員という職業の概要と働くために有利な3つの資格を紹介します。生活介護事業所への就職を検討している方は、参考にしてみてください。

生活支援員とは

生活介護事業所において、生活介護の業務に従事する職員を生活支援員と呼びます。生活支援員は、事業所の中でも身体介助や生活援助など、介護者の身の回りのサポートをし、日常生活における相談を受け、介護者が社会生活に適用できるように支援していきます。

生活支援員になるために必要なこと

生活支援員という資格はなく、無資格でも生活支援員として働くことが可能です。ただし、以下の3つの資格をもっていると、就職・転職の際に評価される可能性が高いです。

・介護福祉士
・社会福祉士
・社会福祉主事任用資格

それぞれの資格について知って、生活支援員の就職活動に役立ててみましょう。

介護福祉士

介護福祉士とは、国家資格の一つで、身体介護や生活援助を含めた介護サービスに関する豊富な知識やスキルを証明できます。生活介護事業所においては、ほかの介護スタッフをまとめるリーダーとして活躍する方も多いです。

介護福祉士の資格取得ルートや業務内容については、以下の記事を参考にしてください。

介護福祉士になるには?|国家試験の難易度やおすすめの勉強法を紹介

社会福祉士

社会福祉士とは、日常生活を送るのが困難な要介護者の方の身体介助・生活援助に加え、介護者からの生活に関する相談に乗り、関係機関と介護サービスの調整を行う仕事です。介護福祉士と並ぶ介護系の国家資格の一つとなっています。

社会福祉士になるための資格取得ルートや勉強方法については、以下の記事を参考にしてみてください。

社会福祉士になるには?国家試験の受験資格を得る方法や必要な実務経験について紹介

社会福祉主事任用資格

社会福祉主事任用資格とは、実際の介護者と接してみて、どのような介護サービスを提供するのが適切なのか判断する仕事です。介護・福祉サービスに関する理解が深められるので、生活支援員として働く上でもっておいて損はない資格だといえます。

社会福祉主事任用資格の取得方法やメリットについては、以下の記事を参考にしてみてください。

社会福祉主事とは? 社会福祉主事任用資格を取得する3つのメリットと取得方法を紹介

生活介護や事業所について知って、就職・転職を検討してみよう!

この記事では、生活介護とは何かや生活介護事業所における業務内容、生活支援員として働く上で有利な資格ついて主に解説しました。

生活介護を行う生活支援員は、身体介助・生活支援のほか、相談業務や就業サポートまでの幅広い業務をおこなう仕事です。

生活介護事業所の特徴や選び方について確認した上で、生活支援員として働くためには何が必要かを再度チェックして、就職・転職に向けて準備していきましょう。

引用元
厚生労働省:地域社会における共生の実現に向けて 新たな障害保健福祉施策を講ずるための 関係法律の整備に関する法律について

公益財団法人 社会福祉振興・試験センター:介護福祉士国家試験

公益財団法人 社会福祉振興・試験センター:社会福祉士国家試験

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