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特集・コラム 2023-01-20

臨床工学技士とは?仕事内容・なり方を紹介|やりがいや魅力を解説

医療の現場では、さまざまな技術のプロが助け合って医療を提供しています。臨床工学技士は、難易度の高い医療機器の操作・管理・点検などをするエキスパートです。

本記事では、臨床工学技士についての概要や仕事内容・なり方などを紹介します。やりがいや魅力についても解説するので気になる方は参考にしてみてください。

臨床工学技士とは?医療機器のエキスパート


臨床工学技士は、医療と工学の知識を持ち医療機器に精通しています。病院などで、医療機器をいつでも安全に使用できるように操作・管理・点検をする仕事です。

取り扱う医療機器には、人工呼吸器や人工心肺装置、血液透析装置などがあります。医療が進歩するとともに、医療機器も複雑になっていますが、臨床工学技士がいることで安全に医療機器を使えるのです。

臨床検査技師との違いとは?

名前が似ている「臨床検査技師」と「臨床工学技士」はよく間違われます。しかし、仕事内容はまったくの別物なので混同しないようにしておきましょう。

臨床検査技師は、主に病気の診断に必要な検査が仕事で、臨床工学技士は医療機器のスペシャリストです。医療に精通しつつエンジニアとしての技術も必要な仕事なのが臨床工学技士なので、違いを覚えておきましょう。

臨床工学技士はどんな仕事をする?


臨床工学技士は、具体的にどのような仕事をするのかについて確認してみましょう。臨床工学技士が扱う医療機器は、患者の生命を維持するために大切な機器であり、その役割は重大です。

職場や配属先によっても仕事内容は異なりますが、一般的にどのような内容の仕事をしているのかについて紹介します。

主な仕事内容

臨床工学技士は主に以下のような仕事をしています。

・人工呼吸器が安全に使われているかの確認・メンテナンス
・人工心肺の操作・管理
・集中治療での持続的血液浄化装置・人工呼吸器などの操作・管理
・血液浄化治療の中でも人工透析装置の操作・穿刺
・ペースメーカーの管理・操作
・心血管カテーテルの検査室内にある装置の操作・検査を記録をするためコンピュータの操作
・高気圧酸素業務の操作・管理
・その他医療機器の管理

基本的には医療機器の操作や点検などをするのが仕事ですが、細かくみるとたくさんの機器を扱うことがわかるでしょう。

主な役割は医療機器の操作・点検・保守

これまで紹介してきたように、医療機器は命に関わる重要なもので、その取り扱いは高度で複雑です。そのため、臨床工学技士のように医療と工学の知識を身につけた人が医療機器の操作・管理をする必要があります。

常にそれぞれの患者にベストな医療機器を提供できるように準備し、装着・操作・点検などをおこなっています。

臨床工学技士の活躍する場


臨床工学技士は、主にどのような場所へ就職し、どんな業務をするのでしょうか。勤務先としては医療機関が大部分を占めますが、それ以外にどんな就職先があるのか気になりますね。

ここからは臨床工学技士の勤務先とそれぞれの場所での仕事内容について紹介します。

1.病院

病院では多くの医療機器が取り扱われているため、臨床工学技士の就職先として最も多く選ばれます。

病院の医療機器が24時間体制で安全に使用できるように点検などをおこなったり、医療機器の不具合や緊急の手術が入った場合など、夜間に対応することもあるでしょう。

病院の規模や専門によって扱う医療機器も異なるので、業務の内容も変わることがあります。

2.診療所

次に紹介する臨床工学技士の勤務先は診療所です。診療所では主に血液透析の業務をします。

血液透析は、泌尿器科・腎臓内科などでの業務が多く、これらの科がある診療所が勤務先になりやすいです。入院患者のいる診療所の場合は、病院勤務と同じように夜間でも対応することがあるでしょう。

3.透析クリニック

透析クリニックで働くという選択肢もあります。透析クリニックでは、医療機器を管理する業務と血液浄化の業務がメインで、穿刺・返血・プライミング・水質検査等人工透析装置の操作・管理、透析機器の管理・保守などをおこないます。

透析に特化した内容の業務が主になるので、透析技術を向上させたい臨床工学技士に向いている職場だといえるでしょう。

4.医療機器メーカー

医療機器メーカーで働く場合は、これまで紹介してきた職場とは業務内容が異なり、主に医療機器の販売やクライアントへのサポートが仕事です。

臨床工学技士の資格があることで、医療機器に対して深い知識を持って営業ができ、導入後のサポートも学びを活かせるため、自信をもってできます。医療機器の販売をする上で大きな強みとなるでしょう。

臨床工学技士になるには臨床工学技士免許が必要


臨床工学技士になるには臨床工学技士免許が必要です。国家試験を受けて合格しなければなりません。臨床工学技士の国家試験は、いくつかのルートから受験資格を得られます。

以下でそれぞれのルートについて解説するので確認してみましょう。

どのようなルートでなれるの?

臨床工学技士になるための一般的なルートとしては、臨床工学技士養成課程のある専門学校・短大・大学に進学し、臨床工学技士の国家試験を受けて合格するという流れです。

また、臨床工学技士と臨床検査技師、両方の専攻科がある大学へ進学すると、ダブルライセンスを目指せます。

それ以外のルートとしては、臨床検査技師・看護師など他の医療系専門職の専攻課程で、専門学校・短大・大学などで必要な単位を取得する方法があります。

必要な単位を取得後、臨床工学技士について学べる専攻のある養成校で1~2年修学し、修了することで受験資格を得られます。

臨床工学技士の国家試験について

臨床工学技士の国家試験の概要について解説します。年1回3月に試験が行われ、試験科目は以下の8つとなっています。

・医学概論
・臨床医学総論
・医用機械工学
・医用電気電子工学
・生体機能代行装置学
・生体物性材料工学
・医用治療機器学
・生体計測装置学
・医用機器安全管理学

1問1点でこの8科目から全部で180問出題され、合格の基準は、108点以上となっています。

令和4年度の合格率は80.5%

令和4年に実施された第35回の臨床工学技士国家試験の合格率は80.5%でした。このことから難易度はそこまで高くなく、しっかり試験の準備をするとかなり合格に近づけるとわかるでしょう。

試験に合格したあとは、臨床工学技士の免許が発行されます。免許を取得し、晴れて臨床工学技士として仕事ができるようになるのです。

臨床工学技士にはどんなやりがいや魅力があるの?


臨床工学技士にはどんなやりがいや魅力があるのでしょうか。仕事内容はもちろん、やりがいや魅力を知ることで、自分の望む働き方ができるのかをよりイメージしやすくなります。

最短ルートでは高校を卒業する前に進路を決める必要があるので、早い段階で臨床工学技士について詳しく知っておくとよいでしょう。

医療機器は最新の医療を行う上で重要なもの

臨床工学技士の扱う医療機器は、最先端の医療をおこなう上で重要な役割を担っています。新しい医療機器を病院に取り入れる際はその場に立ち合い、使い方やどのような効果があるのかなどを学ぶことができます。

常に新しい知識や技術を学びつつ医療に貢献していけるので、大きなやりがいを感じられるでしょう。

患者や医療スタッフと関わりながら技術者として活躍できる

臨床工学技士は技術職でありつつも、1人で黙々と作業をするだけではなく、患者や医療スタッフと関わりながら業務をしてます。

技術者として医師や看護師と対等に関われるのも魅力です。医療に技術で貢献しつつ、患者とも関わりながら仕事ができるので、人と関わるのが好きな人には魅力的な働き方だといえるでしょう。

医療機器のプロとして活躍できる魅力ある仕事!


今回は、臨床工学技士についての概要や、仕事内容・なり方などを紹介しました。臨床工学技士は技術職でありながらも人と直接関わる業務もあり、やりがいを感じられる仕事です。

臨床工学技士は、医療機器のプロとして専門的な知識を活かしながら医療の現場で活躍できます。気になった方はさまざまなやりがいや魅力のある臨床工学技士をぜひ目指してみましょう。

引用元
公益社団法人:日本臨床工学技士会
厚生労働省:第35回臨床工学技士国家試験の合格発表について
厚生労働省:臨床工学技士国家試験の施行
厚生労働省:職業情報提供サイト(日本版O-NET) 臨床検査技師

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