社会福祉士の受験資格は通信教育でも取得できる?受験資格ルートや選ぶ際の5つのポイントを紹介
社会福祉士資格の資格を取得することで、心身に障害を抱えている方の相談に乗れ、適切な助言や指導、福祉サービスを提供でき、介護職としてのキャリアアップを目指せます。
しかし、仕事をしながら通学制の学校に通うのは難しく、通信教育のカリキュラムで社会福祉士の受験資格を取得できないかと考えている方もいるのではないでしょうか?
本記事を読めば、社会福祉士の受験資格を通信教育で取得できるのかどうか、通信制の養成学校のカリキュラムについて知ったうえで学校やコース選びができます。
- 社会福祉士とは?
- 社会福祉士の受験資格を通信教育だけで取得するのは不可能!
- 1. 4年制大学で指定科目を修めて卒業する
- 2. 短期大学等で指定科目を修めて卒業+指定施設での相談援助の業務に従事
- 3. 社会福祉士短期養成施設を卒業する|福祉系大学や短大卒業・実務経験など
- 4. 社会福祉士一般養成施設を卒業する|一般大学や短大卒業・相談業務経験など
- 5.高卒で専門職の業務経験か、相談業務の業務経験を4年以上積む
- 社会福祉士の養成施設で通信講座を提供している教育機関
- 社会福祉士の通信教育で学ぶ3つのメリット
- 社会福祉士の通信教育で学ぶデメリット
- 社会福祉士の通信教育を選ぶ際の5つのポイント
- 社会福祉士の資格取得はおすすめ? 将来性と需要とは
- 社会福祉士は将来性のあるお仕事! 受験資格を取得して合格を目指そう
社会福祉士とは?
社会福祉士とは、介護・福祉・医療・教育などの現場で、生活に困りごとや問題を抱えている人たちの相談を受け、関係機関などと連携して問題解決に向けた支援をおこなう仕事です。
子どもから高齢者までの幅広い世代において、数々の分野で必要とされる存在で、昨今の少子高齢化の影響も相まって需要が高くなっています。
社会福祉士の受験資格を通信教育だけで取得するのは不可能!
社会福祉士の受験資格を得るためには、特定の教育機関や養成機関を卒業する必要があり、通信教育にプラスして実務経験を積んだり、研修を受けたりしなければなりません。
社会福祉士の受験資格ルートを確認して、自分には何が必要なのかチェックしましょう。
1. 4年制大学で指定科目を修めて卒業する
福祉系の4年制大学の場合は、指定科目を履修し卒業することで、受験資格を取得できます。社会福祉士の受験資格を取得するルートのうち、もっともシンプルなルートです。
引用元
公益財団法人 社会福祉振興・試験センター:社会福祉士国家試験:受験資格(資格取得ルート図)
2. 短期大学等で指定科目を修めて卒業+指定施設での相談援助の業務に従事
2年制(または3年制)の福祉系短期大学にて指定科目を修めて卒業。その後、指定された施設で2年以上(または1年以上)相談や援助の実務をおこなえば、受験資格を取得できます。
2年制、3年制によって必要な実務経験年数が違うので注意しましょう。
3. 社会福祉士短期養成施設を卒業する|福祉系大学や短大卒業・実務経験など
福祉系大学や短期大学を卒業後、さらに社会福祉士短期養成施設へ行き、必要な知識や技能を学ぶことで受験資格を得られます。
なお、このルートは、指定科目ではなく基礎科目のみ修得して卒業した人が対象です。こちらも2年制、3年制の大学などで必要な実務経験年数が違うので注意しましょう。
4. 社会福祉士一般養成施設を卒業する|一般大学や短大卒業・相談業務経験など
福祉系以外の一般大学、短期大学を卒業した後、社会福祉一般養成施設で1年以上学ぶことで受験資格を得られます。
さらに、4年制大学以外は、一般養成施設で学ぶ前に相談業務の実務経験が必要です。
5.高卒で専門職の業務経験か、相談業務の業務経験を4年以上積む
高卒でその後の教育機関を卒業せずに社会福祉士の受験資格を得るルートは、2通りです。
・児童福祉士・身体障害者福祉士・査察指導員・知的障害者福祉士・老人福祉指導主事いずれかの業務の4年以上従事し、短期養成施設(6カ月以上)を卒業する
・相談援助業務に4年以上従事し、一般養成施設(1年以上)を卒業する
どちらのルートでも、専門業務に4年以上従事した後に養成施設に通う必要があります。
社会福祉士の養成施設で通信講座を提供している教育機関
養成施設には、短期養成施設と一般養成施設の2つがあります。それぞれ通学課程と通信課程があり、自分の生活スタイルで選択することが可能です。
では、通信教育ではどのように学んでいくのか、2つの養成施設ルートをひとつずつ見ていきましょう。
短期養成施設|9~11カ月のカリキュラムで学ぶ
おもに福祉系の大学や短期大学に進学し、基礎科目を修得した人が対象です。9~11カ月のカリキュラムで社会福祉士に必要な知識や技能を学習します。すでに基礎科目は終了しているので、さらに必要な知識を追加で学ぶことになります。
学習カリキュラムは自宅学習・レポートの提出・スクーリング・国家試験対策が基本的な構成です。自宅学習や、レポートの提出で必要な知識を学びます。
また、スクーリングでは、グループワークを通してソーシャルワーカーとしての力量を高めることが可能です。
東京都福祉専門学校|社会福祉士通信課程
東京福祉専門学校の社会福祉士短期養成通信課程では、パソコンやタブレット・スマートフォンで自宅学習を進めます。課題のなかには国家試験の形式に準じた丸バツ形式で出題されるものもあり、国家資格での回答力を高め、効率よく勉強をすることが可能です。
また、有料で国家試験に向けた学習方法やポイントを学べる講座にも参加できます。
スクーリングでは、グループワークやロールプレイを活用して学びます。
一般養成施設|1年6~10カ月のカリキュラムで学ぶ
一般養成施設は、一般大学の卒業生や4年以上の相談援助実務経験がある人が対象です。基礎科目を修得していない人が対象なので、短期養成施設よりも学ぶ期間が長くなっています。
一般養成施設も短期養成施設と同じで、自宅学習・スクーリング・国家試験対策で構成されています。短期養成施設と違うところは、前述したように学ぶ項目が多いところです。
NHK学園|社会福祉士養成課程
NHK学園の社会福祉士養成過程(一般養成科)は、一定の学歴や実務経験をもつ方を対象とした社会福祉士養成過程です。5月〜翌年6月までのレポート学習があるほか、ソーシャルワーク実習や実習指導のスクーリングなどにも参加する必要があります。
9月に卒業できるので、翌年2月に実施される国家試験に余裕をもって備えられます。
どちらのコースでも実習が必要になる場合がある|相談援助実習
社会福祉士の受験資格を得るためには、一般養成施設・短期養成施設のどちらの場合でも、実務経験がない人は実習が必要です。
実習が免除になる条件は、以下のとおりです。
・相談や援助に関する実務経験が1年以上
・介護福祉士や精神保健福祉士の国家資格を保有
社会福祉士の実習について解説! どんな場合に実習免除になるの?
社会福祉士の通信教育で学ぶ3つのメリット
社会福祉士の通信教育で学ぶ大きなメリットは、本業や学業などでなかなかスクーリングする時間が作れない方でも学習を続けやすい点です。また、学費の節約にもなります。
通信教育を利用するメリットを確認して、スクーリングと通信教育のどちらを選ぶのか考えましょう。
1.自由な時間に勉強できる
通信教育のカリキュラムは主にレポート課題です。自分が勉強したい時間に学習を進めることができるので、まとまった時間がとれないという方でも継続しやすいのがメリットでしょう。
スクーリングなしでも計画的に学習を継続できる、という方に向いています。
2.短期間のスクーリングだけでOK
ソーシャルワーク実習や演習、実習指導など、スクーリングしなければならない期間もありますが、メインはレポート課題なので、スクーリングの負担は少ないでしょう。
週に何度もスクーリングするのが厳しい方でも、利用しやすい学習カリキュラムです。
3.通学制よりも学費が安価
通学制よりも通信制のカリキュラムの方が、安価に受講できます。通信制の方がカリキュラムが短く、実習にかかるコストが低いことが学費の安い原因だと考えられるでしょう。
また、厚生労働省指定の養成施設に入学して卒業すると、専門実践教育訓練給付金として支払った学費の最大50%(年額最大40万円)が給付される制度も利用できます。
引用元
厚生労働省:教育訓練給付制度とは
社会福祉士の通信教育で学ぶデメリット
メリットが多い通信教育ですが、自己管理が必要な点や国家試験に向けた自分の立ち位置がわかりづらいといった注意点もあります。具体的な注意点をチェックしましょう。
勉強のモチベーションを維持するのが難しい
通信教育は自由度が高い反面、勉強を継続するモチベーションを維持しづらいのがデメリットです。他人と切磋琢磨できる通学制と比べると、誰かと一緒に学んでいる実感が沸きづらいので、勉強のモチベーションを維持する意思が弱い人には難しいでしょう。
他人と比較した自分の立ち位置がわかりにくい
通信教育で学ぶデメリットとして、基本的に独学なので、他人がどのように国家試験勉強をしているのかが見えづらく、試験に向けた準備がきちんとできない可能性があります。
社会福祉士の通信教育を選ぶ際の5つのポイント
社会福祉士の通信教育を選ぶ際には、カリキュラムの内容や入学・卒業時期、サポートの有無など、おさえておきたいポイントがいくつかあります。
コース・学校選びに失敗しないためにも、選ぶ際のポイントを再確認しましょう。
1.カリキュラムを確認しよう
短期で合格したい人や自分のペースでゆっくり学習したい人など、資格取得までにかけられる時間は人によって異なります。そこで、学習内容やスケジュールを確認し、無理なく通えるかどうかを確認することが大切です。
社会福祉士の通信教育では、資格取得までに短いもので7カ月程度、長いものでは1年程度かかります。スクーリングの日程などもチェックしておきましょう。
2.入学・卒業の時期
社会福祉士になるための養成校で通信制のコースを選ぶ際には、卒業するタイミングをチェックしましょう。
学校によっては、春と秋の年2回のタイミングで入学できる場所もあります。
春入学の短期養成施設は翌年の3月頃、一般養成施設は翌々年の1月頃が卒業のタイミングとなり、秋入学の場合は前者が翌年の9月頃、後者が翌々年の6月頃となります。
社会福祉士国家試験の試験日程は例年2月上旬に実施されるのが通年です。3月頃の卒業タイミングだとしても、指定科目を修了して卒業見込みであれば受験できます。
入学・卒業のタイミングによって、国家試験までの期間が変わる点に注意しましょう。
3.サポートが受けられるか確認しよう
通信教育は通常の通学に比べて対面する機会が少ないため、質問がしやすいか・講師や他の受講生と交流できるか・個別対応してもらえるかなど、サポート体制を確認することも重要です。
4.無理なく受けられる金額のものを選ぼう
カリキュラムの内容を比較することも大切ですが、受講料も重要です。無理なく払える金額かどうかを確認しましょう。高いから合格できるというものではなく、高いものが自分に合った学習方法とも限りません。内容と価格のバランスを考えながら選びましょう。
5.実習を考慮して通いやすい学校を選ぼう
通信制とはいえ、短期間はスクーリングをする必要があるので、自宅や職場から無理なく通える距離にある学校を選ぶことが、コースを修了するためには重要な要素です。
社会福祉士の資格取得はおすすめ? 将来性と需要とは
社会福祉士を取得するかどうか悩む要因のひとつが、将来性や需要があるかどうかではないでしょうか。社会福祉士は将来性がある仕事なのか、需要はあるのかを、理由とともに詳しく紹介していきます。
社会福祉士の将来性|福祉専門職として長く働ける
社会福祉士は将来性のある仕事です。現在日本では少子高齢化が進んでいるうえ、障害を持つ人の人口が増加していることも大きな要因といえます。
子どもから老人まで幅広く活躍できる社会福祉士は、今後も必要不可欠な存在でしょう。また社会福祉士は国家資格なので、社会的信用も高いです。
社会福祉士の需要はある? 求人情報をチェック
社会福祉士は、需要も高まりを見せています。実際に求人情報をチェックしてみると、介護や障がい者施設はもちろん、病院や社会福祉協議会の求人が多数出てくるのです。このことから、いろいろな場所で社会福祉士を必要としているということがわかるでしょう。
さらに詳しい求人情報はこちら
東京都 社会福祉士の求人・転職・募集
社会福祉士は将来性のあるお仕事! 受験資格を取得して合格を目指そう
社会福祉士は、指定の科目を養成施設などで学び、国家試験を受験し合格することで資格を取得できます。養成施設でもスクーリングはありますが、通信教育があるので、自分の仕事や生活に合わせた選択が可能です。
社会福祉士は、高齢化の進む日本において将来性があり、需要の高い仕事です。国家資格なので、社会的信用も充分にあります。自分の取得しやすいルートを活用し、社会福祉士を目指しましょう。
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