「明るい」「素直」「ポジティブ」の条件がサロンとって良い循環に【DaB DAIKANYAMA 鯨岡有樹さん】#4
美容師を目指す学生、新天地を目指すスタイリストさんにとって、避けては通れない就職活動。採用を勝ち取るためには、どんな準備が必要? 心がまえは? そんな疑問を、実際のサロン採用担当者にインタビュー!
カラーもカットもデザインも、他にはない唯一無二のスタイルを提案する「DaB」。前回に引き続き、「DaB DAIKANYAMA」ディレクター兼マネージャーを兼務する鯨岡有樹さんにお話を伺います。
最終回となる今回は、「DaB」の採用事情の総まとめ! 「DaB」が本当に求めている人材とは? 学生時代に準備しておくと良いことや考え方のアドバイスなどもいただきました。
お話しを伺ったのは…
DaB DAIKANYAMA 鯨岡有樹さん

スタイリスト歴は18年目。教育担当を経て、現在は「DaB DAIKANYAMA」にてディレクター兼マネージャーを務める。ラフウェーブなどのデザインパーマが得意。お客様一人ひとりの髪質と向き合い、それぞれに合わせたスタイル提案が人気。
「明るく」「素直」で「ポジティブ」な人間性を重視!
――全てのフローを見て採用を決めるポイントは?
何よりもまず、「明るく」「素直」「ポジティブ」であること。これらの要素は、美容師という仕事への適性を測るうえで、非常に重要だと考えています。例えば、仕事でミスをして落ち込んだとしても、言い訳をせずにきちんと謝罪してすぐに気持ちを切り替えられる。そういった方は、採用につながりやすい傾向があります。
失敗するのは悪いことではなく、失敗したあとの対応や姿勢が大事だと思っていて…一度で完璧にできなくても、そのあとの努力が伝わってくれば、決してマイナスな印象にはなりません。これは面接でも同じで、一生懸命に伝えようとする姿勢はプラスに評価されることもあります。求める人材として前向きな姿勢は欠かせない要素ですね。
――では、「DaB」がほしい人材の特徴を教えてください。
やはり「人間性」と「素直さ」です。それに加えて、気持ちの切り替えが早くてすぐに行動に移せたり、物事を継続できる力があれば理想的です。そういった方は、「1」を教えると、自ら考えて「2」や「3」へと応用し、プラスアルファの取り組みができることが多いんです。言われたことだけをこなすのは、学生のアルバイトでもできます。
「DaB」の一員になるからには、そこから一歩踏み出して頑張れる人であってほしいですね。
ポジティブな精神は成長速度や早くてサロンへの貢献度も高い

――実際に求める人材を採用してみて、サロンに与えた影響はいかがですか?
やはりポジティブで明るい方は、サロンに良い影響を与えてくれると実感しています。
ポジティブで明るいと、自然と周囲との関係性が良好になりやすいので、先輩から目をかけてもらえたり、教えてもらえたりする機会に恵まれることが多いんです。本人がさらに積極的に関わる気持ちがあれば、その機会はもっと増えます。結果的に、こうした日々のコミュニケーションの積み重ねがその方の早い成長に繋がり、売上や技術などの実務面でサロンへの貢献度も高められるのです。
技術は教えてあげられますが、内面的なところを指導するのは難しい。だからこそ、ポジティブで明るく素直な性格の人は、サロンにとってもその人にとっても良い循環を生み出せると感じています。もちろん、これはあくまで僕たちが求める人物像の一つです。入社後は画一的な育成ではなく、常に一人ひとりが持つ個性や強みをしっかりと見極め、それを最大限に引き出すためのサポートを意識しています。
――では、実際に採用してみて「違う」と感じた人の特徴は?
チャレンジ精神が低い人でしょうか。言われた通りのことしかできず、精神的に打たれ弱い人はこの仕事にはあまり向いていないのかもしれません。僕たちは、今いるスタイリストのコピーを作りたいわけではありません。自分の「やりたい」ことを見つけ、それに挑戦できる自発性のある方が結果的に活躍し、長く在籍しています。
学生時代はいろいろな経験を。自己形成の時間に費やして
――学生のうちに準備しておくと良いことを教えてください。
経験を積むこと。どんな経験も後々、自分の糧になるはずです。
僕が通っていた専門学校は、ファッションや美容などのトレンドの発信地のイメージがある原宿にありました。最初は新鮮ですが、毎日通ってしまえば感動は薄れるもの…僕にとって原宿にいることは「特別」ではなく「当たり前」になって、何にも反応しなくなってしまったのです。今になって、「もっと色々なことにアンテナを張って敏感になっていれば」と考えることがあります。学生のみなさんには、今いる環境が「当たり前」だと思わず、ぜひ、周りにもっと目を配って多くのことを吸収してほしいと思います。
あとは、美容業界に限らず、様々な分野の人との関わりを持っておくことです。そのつながりが将来どのように役立つかは未知数ですが、思わぬ形で力になる場面があるはずです。スタイリストになるための試験でモデルとして協力してもらえたり、作品撮りをお願いできたり、さらにはお客様としてご来店いただく可能性だってあります。
――学生時代の経験と人脈がスタイリストデビューに活きてくるのですね。
そうですね。学生のうちにいろいろ経験して、ある程度、できる、できないとか好き嫌いも確立しておくと役に立つと思います。挑戦する前からできない、嫌いというのはもったいないです。まずは、少し苦手意識がある分野にもぜひチャレンジしてみてください。実際に経験してみたら意外と得意な場合もありますし、固定観念にとらわれずにトライしてみてください。
自分の得意・不得意や好き・嫌いを知ることは、これからの人生を生きていく上で、自分という人間を形作る重要なパーツになります。それらを見つけるには、多くの時間と経験が必要です。だからこそ、比較的時間に余裕のある学生時代に自分自身と向き合い、時間があるうちに自己形成に時間を費やしてほしいと思いますね。
「DaB」が求める人材の特徴まとめ
1.明るくポジティブで失敗を糧に、行動に移すことができる人
2.指示されたことだけではなく、自発的なチャレンジができる人
3.固定観念を持たずに視野を広げ、自分と向き合うことができる人
取材・文/東 菜々
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