履歴書とSNSアカウントから人柄を深掘り! 成績証明書は「ありのまま」が見られる資料【「LONESS」代表 片山良平さん】#2

美容師を目指す学生、新天地を目指すスタイリストさんにとって、避けては通れない就職活動。採用を勝ち取るためには、どんな準備が必要? 心がまえは? そんな疑問を、実際のサロン採用担当者にインタビュー!

お客様も働くスタッフも「自分らしく」いられるサロン「LONESS」。前回に引き続き、「LONESS」代表の片山良平さんにお話を伺います。

第2回目は、「LONESS」の書類選考について。書類選考に必要な提出物やサロン見学についてお聞きします。

お話しを伺ったのは…

「LONESS」代表 片山良平さん

地元・愛知県にある名古屋美容専門学校に進学。卒業後イギリスに留学。ヴィダルサスーンのスクールシップに参加した経験も。卒業後は都内有名サロンにて約10年間勤務し、クリエイティブディレクターとしても活躍。独立後は「LONESS」を立ち上げ、今年で美容師歴は20年目。現在は、代表取締役を務めながらスタイリストとして活躍中。

気持ちがダイレクトに伝わる履歴書の作成を

――書類選考についてお伺いします。

規定の提出物を教えてください。

履歴書に加えてInstagramのアカウントIDと成績証明書の提出をお願いしています。

――まずは履歴書から。

フォーマットは決まっていますか?

特になくて、市販のものや学校指定のものでOKです。大事なのは、書いてある内容と経歴の部分なので。PCで入力できるものもありますが、できれば手書きが望ましいですね。手書きは、その人の気持ちがダイレクトに伝わってくる気がしますし、会う前に人間味を感じられる唯一の方法だと思っています。

――相手を思って書かれていることが伝わる履歴書は、たしかに印象が良いと思います。

ちゃんと向き合って書いたことが伝わってくる履歴書は好感が持てますよね。

――では、あまり印象が良くない履歴書は?

明らかに殴り書きだったり、文字が歪んでいたりするもの。どういう気持ちで書いたのかなと思ってしまいます。

いくら字を書くことが苦手でも、大事な瞬間にどれだけ気持ちが込められる人なのか、判断基準にもなりますね。

――過去に目を引いた履歴書の特徴を教えてください。

過去に美容とは関係のない資格を取得している人がいたのですが、とても気になったので面接時に資格を取得した背景を聞いたケースがありました。

必須項目ではありませんが、個人的には志望動機よりも特殊なスキルが記載されているものは一目置かれている印象です。関係ないと思っても、過去に取得したものはできるだけ書いてみてください。

成績証明書は「近しい知人」から聞いた評価に値する

――その他の提出物に、SNSのアカウントがあります。

応募する際の必須条件なのでしょうか?

美容学生が各SNSツールに取り組むことは業界的に一般化しているため、InstagramのID記載は必須とさせていただいています。

――提出をお願いしている理由は?

その人のことを知るために必要だと判断し、提出をお願いしています。

――どんなところを見ている?

主に、投稿の内容でしょうか。好きなものや得意なことなどが見られるので、なんとなくその人の特徴が捉えられるのです。

――フォロワー数はあまり関係ない…?

たくさんのフォロワーを獲得できている場合はもちろんメリットになります。ただ、フォロワー数が少ないからといって不採用にはなりませんので安心してくださいね。

あくまで見たいのは人間性の部分。投稿を見れば、その人の好きなものや趣味、関心のある出来事、日常についていろいろと読み取れる資料としてチェックしています。

︎――成績証明書を提出する理由について教えてください。

面接だけでは分からない部分を知るために、成績証明書をお願いしています。僕たちは未来を一緒に作ることはできますが、過去を変えることはできません。その人を深く理解するためには、やはり過去の姿を知る必要があると考えています。

⁡例えば、僕が学校の先生が身近な知り合いだったら、共通の人に直接聞くこともできます。でも実際はそういう状況ではありませんよね。面接では、どうしても良い部分をアピールするのが当然なので、成績証明書を見ることで、第三者からの客観的な評価を参考にしています。

⁡成績証明書を通じて、これまでその人がどんな姿勢で取り組んできたのかを、しっかり理解したいと思っています。

サロン見学はマッチ度を確かめるためにもおすすめ

――サロン見学も行っているようですね。

受ける人は必須なのでしょうか?

必須ではありませんが、見学の有無については面接のときに必ず聞いています。来ていないから不合格とはなりませんが、単純に、うちを選んだ理由が気になりますよね。

正直、うちに限らず見学は行くべきだと思います。何らかの事情があって、行けないのなら仕方がないです。でも、「あえて」行かない選択を取っている人がいれば、あまりおすすめしません。

自分の目で確かめるからこそ、見えるものがあるはずなので。

――見学に行く際に気をつけるポイントがあればお聞かせください。

ただ見学に行くより、少しでも採用試験を有利に運べると良いですよね。僕が学生だったら、見学のほかに施術もお願いすると思います。担当の指名はその店舗の代表か、いずれも店長クラスの方。他のスタイリストが担当だったとしても、よほど高評価であれば上の人に伝わります。

最初から役職のある人にお願いするのは緊張すると思います。でも、緊張する分、高い評価を植え付けられたら有利ですよね。それなりのリターンもあると考えています。

――最後に、書類選考に臨む際のアドバイスをお願いします。

採用に関しては、「LONESS」全店舗のスタッフ全員が誠意を持って、真剣に向き合っています。その分、スタッフは僕以上に志望動機を注視しているのも事実ですし、志望する学生もそれを見越して書類を作り込んでくると思います。

僕はそもそも、作り込んだ姿は持続性に乏しいのであまり望んでいません。志望者がスタイリストになってがんばっている姿が想像できるか、それが伝わってくることが重要だと捉えています。書類選考は書類選考、面接は面接で自然体でお互い向き合いたいと思っています。

面接までに好感が持てる書類選考まとめ

1.履歴書はしっかりと自分と向き合い、入社したい気持ちを込めて作成する

2.SNSアカウントを作成しておくと、就職活動に役立つ

3.お互いに入社後のズレがないようにサロンに足を運ぶ

取材・文/東 菜々


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