【フリーランスのライフスタイル】マツダマサナリさんが唯一無二の技術を取得するまで
シェアサロンの普及などに伴い、最近増えてきたフリーランスという働き方。「どのようにして生計を立てているのか?」興味がある方も多いはずです。そこで、実際に活躍している現役のフリーランス美容師にインタビュー。今回は、2020年の4月からフリーランスとして働いているマツダマサナリさんに登場していただきました。
現在はサロンワーク以外にセミナーなども積極的に行なっているというマツダさん。果たして、どのようにして現在のスタイルにたどり着いたのでしょうか?「仕事の合間にジムやサウナで過ごす時間も大切にしています」とのことで、プライベートの過ごし方も気になります。
前編では、フリーランスに至るまでの経緯などについて伺いました。
プレイヤーとしてお客さまに寄り添う仕事をしたい
――――まずは、フリーランスに転身するまでの経緯について教えてください。
「フリーランスに転身をしたのは2020年の4月です。それまでは、日吉(神奈川県)と表参道のサロンで正社員として働いていました。当時の目標の1つが店長になること。フリーランスになる直前まで働いていた日吉のサロンではその目標を達成し、店長としてサロンの管理等を行なっていました」
――――なぜフリーランスに転身したのでしょうか?
「プレイヤーとしてお客さまと接したいという気持ちが大きくなったからです。店長としてサロンの管理をするなかで、お店の売上について考えることや、スタッフのケアを行うことが自分の器量に見合っていないと感じるようになりました。店長の次のステップとしてマネージャーになる道もあったのですが、管理職としての自分に限界を感じ、お客さまとの距離が近いフリーランスに転身する考えに至りました」
自分自身のファンを増やすため独自の技術を開発
―――― フリーランスに転身するにあたって大変だったことはありますか?
「フリーランスになる直前に大きく売上が下がったことです。当時勤めていたサロンを退職したいと申し出た際、急な話だったので一旦日吉の店舗から同系列の武蔵小山の店舗に異動して考える時間を作りなさいとサロンから言われました。店長なのに急に辞めると言い出して、『逃げでフリーランスになるのではないか』と言われることもあり、サロン内での評価も下がってしまったのです。実際、同じ路線内での異動にもかかわらず僕の売上は80万ほど下がってしまいました。当時のお客さまはお店のファンや、家近いからという理由で通われていて、僕についてきてもらえるほどの魅力が足りないということを痛感。そのときに僕にしかできない技術を習得して、どこにいってもお客さまがついてきてくれる美容師になろうと決心しました」
―――― そこで取り入れたマツダさん独自の技術を教えてください。
「『脱白髪染めハイライト』という技術を生み出しました。当時、白髪に悩むお客さまが多く、解決したいと思ったことがきっかけです。カラーの教本を購入して勉強し、その技術を使用して施術を行いしました。次にご来店された際には白髪の増え方や髪の状態を1つずつフィードバックして改善していくことで独自の技術を開発することができたのです。『脱白髪染めハイライト』は一般的な白髪染めを一切使わず、ハイライトのみで白髪の悩みを解決する方法。白髪染めを使用すると色が暗くなってしまったり、不自然に染まってしまったり、イメージ通りにいかないことが多いです。しかし、『脱白髪染めハイライト』は薬剤の調合や施述方法によって明るい色も自然に表現し、若々しいスタイルに仕上げることが可能。白髪の量が多い、白髪染めでは思い通りの色にならない、など人によってさまざまな白髪の悩みを解決することができます」
フリーランスになる条件は今の環境で結果を出すこと
――――新たな技術に対する反応はいかがでしたか?
「『#脱白髪染めハイライト』という独自のハッシュタグをつけてインスタグラムで公開したところ、少しずつお客さまが増えてきて、開発から5カ月経った頃にはインスタグラムの集客だけで130万円の売上を達成することができました。それで自信をもってフリーランスに転身したんです。最初は批判的な意見が多かったサロンの人たちも僕の頑張りを認めてくれて、最後は『やめる前に集客の方法を教えてほしい』『やめてほしくない』とポジティブな言葉を掛けてくれるようになりました。結果を出してから辞めることはお世話になった方々への恩返しでもありますし、そのくらいにならなければ独立しても努力ができずに失敗してしまうことが多いと思います。実際マイナスからのスタートだった僕も今では予約が3カ月先まで予約が埋まるほどになりました」
――――短期間でインスタグラムの集客に成功した秘訣を教えてください。
「僕が意識しているのは多くの人に向けて発信するのではなく、具体的なひとりを想像して投稿を行うことです。たとえば、明るい色を作ったときは30代の派手な雰囲気が好きな女性を想像し、どんな文章や魅せ方が最適かを考えます。1つの投稿ごとにターゲットを細かく想像してその人に届けようと言葉を選ぶことが大切です。100人、1,000人単位で一気にフォロワーを増やすことはかなり難しいと思います。1人に響けば3人に響くし、それがどんどん多くなって結果的に多くの人に届くのです。2019年11月くらいからそのことを意識してインスタグラムを運用し、当時1,000人いなかったフォロワーが今では1万人ほどになりました。現在はすべての新規予約がインスタグラムからの連絡で埋まるほど効果が出ています」
後編では、生活リズムの変化や今後の目標などに迫ります。
▽後編はこちら▽
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