【フリーランスのライフスタイル】佐藤拓人さんの個の力を伸ばす方法
シェアサロンの普及などに伴い、最近増えてきたフリーランスという働き方。「どのようにして生計を立てているのか?」興味がある方も多いはずです。そこで、実際に活躍している現役のフリーランス美容師にインタビュー。今回は、2019年の2月からフリーランスとして働いている佐藤拓人さんに登場していただきました。
インスタグラムのフォロワーが約1万人いるという佐藤さんは現在、自分のサロンを持つという目標に向かって働いているそう。果たして、どのようにして現在のスタイルにたどり着いたのでしょうか?「フリーランスになってからのほうが忙しくなりましたが、仕事が好きなので毎日充実しています」とのことで、プライベートと仕事の両立についても気になります。
前編では、フリーランスに至るまでの経緯などについて伺いました。
自分の実力を知り、個の力を伸ばすためにフリーランスに転身
――――まずは、フリーランスに転身するまでの経緯について教えてください。
美容学校卒業後、代官山のサロンで4年半、その後転職して原宿のサロンで2年、どちらも正社員として働いていました。原宿のサロンは『WAVY’S』という業界内で有名なサロンだったので、モデルや女優など職業柄美意識の高いお客さまが多くご来店されていました。そこで経験を積むことで自分のなかでの『可愛い』『かっこいい』『きれい』の基準がかなり高くなったと感じています。その後2019年2月にフリーランスに転身しました。
――――なぜフリーランスに転身したのでしょうか?
自分のお店を持つという夢のためです。『WAVY’S』はお店自体にファンが多く、個人で集客に力を入れなくてもたくさんのお客さまが来てくださっていました。自分のサロンを持ちたいと思ったときに、お店の看板に頼らず自分自身の力でどれくらい人が集まってくれるのか、自分にどんな影響力があるのかを知りたくてフリーランスという道を選んだんです。また、サロンを開くための資金を貯めることも目的としています。
インスタグラムはフォロワー数に応じてターゲットや投稿の内容を変える
――――実際にフリーランスになってからの集客について教えてください。
前のサロンから担当していたお客さまに加えて、毎月20名ほど新規のお客さまが来てくださり、安定した売上を出せています。新規の予約は9割がインスタグラム経由。多くの方が僕の投稿したスタイルなどを見て来てくださるので、今まで培った技術や魅せ方の研究が生きていると実感しています。
ちなみにフォロワーは現在約1万人ほどです。『WAVY’S』に入社したときからインスタグラムの投稿には力を入れていました。
――――フォロワーが増えたきっかけはありますか?
何か1つの投稿がきっかけになったわけではなく、少しずつ増えていきました。意識したのは、フォロワー数に応じてターゲットや内容を変えること。たとえば『WAVY’S』に入ったばかりの頃は500人くらいしかフォロワーがいなかったので、お店自体のフォロワーの方に僕のことを認識してもらうことを目標にしました。
スタイル写真に加えて経歴や性格がわかる写真を選び、自己紹介をするつもりで投稿。『なんだかおもしろそうな人がいる』と思ってもらえたみたいで、2週間ほどでフォロワー数が倍になったんです。
スタイリストデビューする直前にはスタイルを探している人に向けてひたすらボブの写真を載せました。自分が可愛いと思う髪型で得意なスタイルだからです。また、インスタグラムで写真を並べた際にロングヘアに比べてボブは細かいニュアンスが伝わりやすく目を引きます。今でもボブをオーダーされるお客さまが多く、僕の強みの1つになりました。
自分の強みを見つけて効果的にアピールする
――――インスタグラムを投稿する際に心掛けていることを教えてください。
見た瞬間に何を見せたいかわかる投稿にすることです。たとえばボブの場合はカットラインが美しく見える角度で撮影すること、カラーであれば色がきれいに見えるように心掛けています。首の角度などで見え方がまったく変わってくるのでこだわりを持って撮影を行うことが大切です。
また、首にカット後の髪の毛がついていたり、洋服に糸くずがついていたりするなどちょっとしたことでも注意して取り除くようにしています。
スタイルだけでなく全体として美しい写真を残すこと。そのために撮影時はもちろん後から気が付いた点は顔やカラーを除いてレタッチしています。また、ハッシュタグは投稿ごとに変えて、検索から見つけてくれるお客さまに対して幅広くアピールしました。
お客さまのなかにはランダムにお気に入りのスタイルを保存していたらたまたま全部僕の投稿だったという方もいて、効果を感じています。前のサロンはスタッフ全員のレベルが高く、そのなかで埋もれないために、自分の強みを探すことやそれをアピールする力が身に付きました。今でもとても役に立っていると思います。
後編では、生活の変化や今後の目標などを伺います。
▽後編はこちら▽
【フリーランスのライフスタイル】佐藤拓人さんの目標を叶えるためのライフハック>>