コロナ禍が追い風に。毎朝6:30の「朝ヨガ瞑想」で認知度アップ! ヨガインストラクター 鈴木伸枝さん
10年間のキャリアを積み、さまざまなイベントや雑誌掲載などで大活躍中のヨガインストラクター、鈴木伸枝さん。順調に活動をしてきた鈴木さんですが、新型コロナウイルスの流行により、すべての仕事がストップ。そんなときに、道を開いてくれたのが無料のインスタライブだったそうです。
前編では、オンラインの活動を中心にどうやって認知度をアップしていったのか、詳しくお話を聞きます。
今回、お話を伺ったのは…
鈴木伸枝さん
体育大学を卒業後プロのダブルダッチパフォーマンスチームを結成し、TV、イベント、ショーに多数出演。その後、ヨガインストラクター養成コースの講師に転身。1,000名以上のヨガインストラクターを輩出し、講師の育成などにも携わる。日本各地で行われるヨガイベントでもインストラクターを担当し、ヨガの普及活動にも取り組む。ヨガ専門誌をはじめとする、メディアへの掲載実績も多数。近年は沖ヨガの講師としても活躍している。
オフィシャルサイト:Nobuestyle
Instagram:@nobue.style
200人が毎朝視聴するインスタライブを1年継続。強力な集客ツールに
————緊急事態宣言中の2020年4月から、毎朝6:30にヨガのインスタライブを始めたそうですが、なぜ有料のオンラインクラスではなく、無料のインスタライブを選んだのですか?
無料のインスタグラムを選んだというより、そのときはどう仕事につなげるかということを、ほとんど考えていなかったんです。自分のなかにあったのは、緊急事態宣言で外出ができないことから、みんなストレスを抱えている。それを解消するために自分に何ができるのか考えた結果、とにかくスタートさせたという感じで。
————なるほど。それでは1年間やってみて、反響はいかがでしたか?
平日に毎朝1時間ライブをしてきたのですが、周りからは「よくそんなに続けられるね」って言われます(笑)。でも私としては参加者の方に、「よくこんなに続けてくれたね」って言いたいぐらいで。必要としてくださっている参加者も増えており、インスタライブは私にとって大切なコミュニティになっているので、本当に始めてよかったと感じています。
————インスタライブを始めて、鈴木さんの活動はどう変化しましたか?
想像以上に拡散されることに、日々驚いています。初日は60人くらいの参加だったのが、今では平均して200人が毎朝集まってくださるんですよ。インスタライブって参加が簡単で、ハードルがものすごく下がるんです。申し込みをしなくても、スマホやパソコンを見たらやっているっていうのが、最初の抵抗感をなくしてくれるんですよね。「ヨガマットを使わず、初心者でもできる」というコンセプトにしたのもよかったかなと思っています。
そんなインスタライブから有料のオンラインクラスに入ってくださる方もいて、結果として強力な集客ツールになっています。全国から生徒さんが参加するようになり、今までヨガに興味を持っているだけだった方も、体験してくださっているんですよ。
新型コロナウイルスの流行が、オンライン化への後押しに
————ちなみに緊急事態宣言前には、オンラインでの活動を考えることはありませんでしたか?
実は、あったんです。もっとたくさんの人にヨガを日常的に楽しんでもらうためにはどうしたらいいかずっと悩んでいて、緊急事態宣言の1年くらい前から事務所の人にインスタライブをすすめられていたんです。でもそのときは、顔を合わせたコミュニケーションしか考えられなかったため、「いやー、オンラインはきついわ…」って1年間寝かせていました(笑)。でもコロナ禍になって、届けられないよりは届けたほうがいいと思い、完璧にできなくてもまずはやってみよう、と思ったんです。
————YouTubeでも活躍している鈴木さんですが、こちらもきっかけはコロナ禍ですか?
はい。自粛期間中、有料のオンラインクラスを運営する際に、名刺代わりになればとYouTubeを始めました。YouTubeやTikTokが定着してきたことにより、ブログなどの写真や文章で伝える時代から、動画の時代へと移行していて、ここから先は文章と写真だけで集客するのは難しくなるだろうと感じていました。その人がどう動くか、どんなふうに話すのか、どんな表情をするのか、そういう「人となり」を全部分かったうえで、初めて習おうと思えるのではないかと。ですからインスタライブやYouTubeを自粛期間中に進められたことは、自分の認知度を広げる意味ではよかったなと思っています。
これからは個が活躍できる時代
————YouTubeやオンラインを運営するにあたって、スムーズに撮影したり知名度を上げたりするために、外部スタッフを使う方もいるかと思いますが、その必要性を感じますか?
それが可能であればそうした方が良いとは思いますが、始めからその経費をかけるのはほとんどの人にとっては現実的ではないですよね? 基本的には自分でできると思います。それこそ、自宅からの配信であれば今はスマホ1つで簡単にできますし。また知名度が低い状態で始めると、最初はもしかしたら人があまり来てくれないかもしれないけど、そこは根気ですよね。始めたばかりは辛くても、1年続けたらそれなりに変わると思います。コミュニケーションをとれる人を1人ひとり大切にして、リピートしていただけるようになれば、受講生はおのずと増えていきます。いきなり大金を稼ごうとしたら難しいですが、2万円の講座を作って、5人が受講してくださったらそれで10万円になるわけですから、十分可能性があると思っています。
————それでは実際のスタジオとオンラインでは、運営に違いはありますか?
もちろん違いはあります。でもヨガとオンラインは相性が良いと思います。もちろん反応を見たり、瞬時にリアクションを返したり、コミュニケーションがとりやすいのは圧倒的に対面のクラスですけど、工夫すればオンラインでもある程度補うことが可能です。「自宅で参加できる」「アーカイブを受講できる」といったオンラインならではのメリットは、ヨガをやってみようと思う人の間口を広げ、場所や時間の都合で受けられなかった人にとって、とても受けやすくなったと思います。実際に私も今まで受けられなかった先生のクラスを受けられるようになりました。私はオンライン化が進むことによって、もっと個人が活躍しやすい時代になると思うんです。スタジオ代が必要なくなるので、リスクを回避できるという視点では、これからももっと個人のインストラクターでオンラインが盛り上がりそうですね。
オンラインツールを使って認知度をあげる3つのポイント
鈴木さんがオンラインによって認知を広げた方法をまとめると、ポイントは次の3つでした。
1. 無料ツールによって毎日同じ時間に配信することで参加のハードルを下げる
2. YouTubeやインスタライブで動く自分を見せ、名刺代わりにする
3. 見てくれる人が少なくても、1人ひとりを大切にして根気よく続ける
後編では、フリーランスであれば避けては通れない、仕事選びのポイントについて伺います。報酬、仕事内容のバランスをどう見極めたらいいのか。ストレスをためずにキャリアアップができる仕事とは?など、読みどころ満載です。後編にもご期待ください!
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