【子育て応援メソッド】出産を見越して早めに転職。ママになっても働きやすい環境を整える 三谷明日香さん #1
フリーランス美容師・ヘアメイクで1才の女の子のママでもある三谷明日香さん。三谷さんは、ママになっても絶対に美容師の仕事を続けたい！ という強い気持ちから、先を見越してさまざまな準備を整えてきました。
サロンのお客様やヘアメイクの仕事関係の方からは保活の情報収集。そして、産後に復帰しやすい環境へと転職。出産直前は、階段を何度も往復した結果、予定日より出産が早まり、みごと4月入園が叶いました！
お話を伺ったのは…
フリーランス美容師＆ヘアメイク
三谷明日香さん
銀座ヘアサロン「BLESS」に勤務する傍ら、WEBサイトやスタジオ撮影でのヘアメイクも手がける。ていねいなカウンセリングにより、個々のライフスタイルや髪質・骨格・悩みに合わせたヘアスタイルを提案。1才女児のママ。
「早く出ておいで」とお腹に声をかけていました
――お子さんはおいくつですか？
いま1才半になったところです。
――保育園は何才から預けていらっしゃるのですか？
娘は生後2ヶ月から保育園に通っています。どうしても仕事に復帰したかったので、早い段階から計画的に準備をすすめてきました。仕事関係の方やお客様に出産・育児のことについてたくさんお話を伺い、出産前から保育園にも下見に行って、できるだけ情報収集をしました。
いま通っているのは、家からも近く、伝統のあるとてもよい認可保育園です。生後2ヶ月から入れるということもあり、絶対ここに入れたいと思っていました。4月入園にエントリーするためには、2月上旬までの出生が条件。出産予定日は1/28と結構ギリギリだったので、お腹をさすりながら「早く出ておいで～」といつも声をかけていました。妊娠後期に入ってからは毎日階段を30往復。その結果、予定日よりも1週間早く1/21に無事生まれてきてくれました（笑）。
「家でも保育園でも元気いっぱいの女の子です」
――ママの声が届いたんですね。産後、仕事への復帰はスムーズでしたか？
現在、「BLESS」でのサロンワークをメインに、ときどきヘアメイクのお仕事もしています。前職が「air」というサロンでメディアへの露出が多かったので、そのときのご縁でいただくお仕事がほとんどです。WEBサイトの撮影、声優さんや個人のプロフィール写真、ご家族写真などの撮影が多いですね。ヘアメイクのお仕事は個人としていただくものなので、極力お受けしたいと思っています。そうすると、だいたい月に20～25日くらいはお仕事していますね。
フリーランスなのでお休みが固定されているわけではなく、気がつくと14連勤ということもあります。基本的にはお客さまのご都合を優先してほぼ全開にしていますが、ちょっとハードなときは、2～3日前になっても予約が入らなそうな日にお休みをいただくようにしています。
出産前にサロン固定のお客様をつけたかった
――出産後にフリーランスになられたのですか？
出産後も働きやすい環境を整えておきたくて、事前にフリーランスになりました。出産してから転職する方もいらっしゃいますが、体がひとつではなくなるとどうしても動きにくくなりますよね。
前職のサロンには8年ほど勤務しましたが、朝から後輩の練習を見て、夜12時過ぎに帰宅する日々。拘束時間がわりと長かったんですね。結婚して都心から少し離れたところに家を購入し、後々子どもも欲しかったので、その勤務体制だときついなと判断しました。
お店が変わっても継続してくださるお客様もいらっしゃいますが、離れてしまう方も多いので、ベースを固めておきたかったんですよね。産後も働けるサロンで2～3年働いてから出産し、なるべく早く復帰しようと思っていました。
転職先が決まるまでの時間も手を止めたくなかったので、ひとまずシェアサロンのサイトに登録しました。
――どんなシステムですか？
フリーランスの美容師と場所を提供してくれるサロンが登録して、時間と場所をマッチングしてくれるサイトです。いまから7年くらい前ですので、いまほど面貸しのスタイルは主流ではなかったんですよね。
しばらくシェアサロンでの営業を続けていましたが、その都度場所が変わるとお客様が分かりにくかったり、混雑する土日は借りにくいということもあり、そろそろ一ヶ所に腰を据えたいなと思うようになりました。そんなときに、「いまの働き方でいいからどうぞ」と迎えてくださったのが現在のサロン「BLESS」です。業務委託なので撮影の仕事も継続できて、前職も銀座だったのでこちらにお世話になることにしました。
――ママになる前にしっかりと基盤固めをされていたのですね。産後は、以前と変わらないペースでお仕事されているのですか？
勤務時間に制限があるので、やっぱり仕事量は減りました。サロンでは会社帰りのサラリーマンのお客様も多かったのですが、保育園が18時お迎えなので予約をお受けできるのは10時から16時まで。撮影の仕事も早朝や夜遅い時間帯は、お受けするのが難しいんです。でも、ある程度時間が固定されているサロンワークとヘアメイクのお仕事、両方いただけることはありがたいです。
コロナ禍での緊急事態宣言中はデパートも閉店。銀座にまったく人がいませんでした。サロンはずっと空いていたので、通勤電車の車両にはわたしひとりだけ…。本当にどうなってしまうのかと不安でした。
「夫婦で同じ日のお休みはあまりとれませんが、
ワンちゃんも一緒に家族で楽しく過ごしています」
――コロナ禍もお仕事されていたんですね。
産休明けの復帰とコロナがちょうど重なってしまったんです。出産前は長くても4連休とるのが精いっぱいだったので、産休中こんなに長く休んで大丈夫なのかなという焦りもあり、できるだけ早く復帰しました。
復帰後、お客様の「待っていたよ」という言葉は、とても嬉しかったですね。復帰当初は、席数が4席しかないので予約時間を調整していることもあり、お客様が半分以下まで減ってしまいました。コロナ第一波が落ち着いて、繁忙期には8割くらいまで戻りましたが、今年の1～2月は例年に比べるとかなり少なかったです。いま新しいお客様からの予約もいただけるようになって上向いている状態です。
育休明けの報告は保育園の状況などをインスタで
――集客はどんな形でされていますか？
ホットペッパービューティーにスタッフとして名前をのせてもらっているので、そこから新規のお客様にご予約いただくことが多いです。以前からのお客様にも、夜中でも予約がとれると喜んでいただいています。
――インスタなどSNSでの集客は？
なかなか時間がとれなくて、マメな投稿はできていないです。なるべく投稿数を上げるために、ヘアスタイルに育児などプライベートもミックスして投稿するようにしています。
――産休明けのご報告で、「コロナ禍でいつ保育園が休園になるか分からない」と詳細を書かれていましたね。
ひとりひとりのお客様にメールを送ろうとすると行き届かない部分もあります。名前で検索して予約してくださる方もいらっしゃるので、なるべくたくさんの方の目に留めていただけたらと思い、保育園や復帰の状況など詳細を投稿させていただきました。
三谷さんがママになる前に準備したことは
ママになっても仕事を続けたい。その強い気持ちから、三谷さんは仕事と育児の両立のために用意周到に準備を重ねてきました。三谷さんが行動したことは以下の3つでした。
1. ママになっても働ける体制をつくるために転職した
2. 出産前から保活で情報収集
3. 4月入園を目指して出産日を早める努力
後編では、週末はパパがメインで育児をしていること、保育園の話、ママならではのお悩みに効くご愛用の美容器具やサプリについてお伺いします。
▽後編はこちら▽
【子育て応援メソッド】 週末の育児をメインで担うパパには、気分転換できる「ひとり時間」をごほうび 三谷明日香さん #2>>
撮影／古谷利幸（F-REXon）
取材・文／永瀬紀子
