セラピーとワークショップで培ったデータを集結させて、アーユルヴェーダのサブスク「クラシツクル」を開発 ブラフ弥生さん♯2

サロン開業2年目にすでにリピート率90%を達成し、それを10年以上維持し続けているアーユルヴェーダセラピストのブラフ弥生さん。前編では、アメブロを週5で更新していたオープン当初のお話、お客様のそのときの状態に合わせてカスタマイズするトリートメント、そしてリピート率をUPさせる「お土産」の存在について聞きました。

後編では、トリートメントとワークショップで培ったデータを集結させて誕生したアーユルヴェーダのサブスク「クラシツクル」について詳しく伺います。商品開発やトリートメント以外のサロン収益を考えている人は必読です。

お話を伺ったのは
ハーバルアーユルヴェーダ
代表 ブラフ弥生さん

アーユルヴェーダの知恵をベースに講座やセラピー、プロダクト製作を行うスクール&サロン「ハーバルアーユルヴェーダ」を主宰。ヨガインストラクターとして活動中に大学院でインド哲学を学び、2010年インドへ渡る。アーユルヴェーダスクールでセラピー技術を習得。2011年ヨガスタジオ&アーユルヴェーダサロンを開業。2017年屋号を「ハーバルアーユルヴェーダ」に改称。メディア掲載多数。最近は、長野にある山ラボと東京の二拠点暮らし。

小さなワークショップの積み重ねがスクール業に発展

「アーユルヴェーダをさまざまなアプローチでいろんな人に伝えたい」

――弥生さんは、基礎オンライン講座やセラピスト養成コースの講師もされていますよね。

いきなりスクールを始めたわけではなくて、小さなワークショップを積み重ねていって、それがスクールに発展していったという形です。サロンオープン当初から、トリートメントのお客様にアーユルヴェーダをもっと詳しく学びたいという方が多く、それに応えて毎月ワークショップを開催していました。

ワークショップって準備が結構大変だし、より楽しめるものを提供しようと思うと経費もかかってしまうんですよね。受講費を安く設定しているので、ワークショップではほとんど利益は出ていませんでした。でも、ワークショップでどんなことをしたら喜んでもらえるのかも分かるし、ワークショップを受けてさらに深く学びたい方向けに、基礎講座やセラピスト養成コースが生まれたという背景もあります。

――ワークショップからスクールを受講される方も多いのですか?

そうですね。いきなりスクールを受講する方は少ないです。この講師に習ったらどうなるかを見極めるために、まずはトリートメントを受けるかワークショップを受講する生徒さんが多いです。例えばワークショップで10人集客したら、その中の何人かが興味を持ってくれて、次に基礎講座を受講してくれるというイメージ。これからスクール業を始めたいと考えている人は、小さなワークショップを積み重ねていくと、それほど難しくないと思いますよ。

手を動かしながら楽しくできるワークショップ

「ワークショップでは、お客様が興味のあることをテーマに選ぶことも」

――ワークショップはどんな内容だったのですか?

最初は季節ものからスタートしました。例えば、アーユルヴェーダの考え方では、春は体に溜まっていたものを外に排出する時期なので、デトックスしやすいハーブやスパイスの活用法をお伝えし、夏はハーブとヨーグルトで美白マスクを作りました。あとは体質別のケア方法やスパイスのことなども。理論から入るとおもしろくないので、手を動かしながら楽しくできる内容を心がけていました。

ワークショップは、コロナが広まる2019年までの10年間ずっと継続していました。6人くらいの少人数制とういこともあり、初回から満席で。春に受講した方は夏もやりたいとリピートしてくれたし、ワークショップの様子をブログにあげると「次はいつですか」とお問い合わせをいただいたり、空席があったことは一度もなかったですね。

毎月のテーマに沿ったグッズとテキストが自宅に届く

「クラシツクル」には五感を喜ばせるアイテムがぎっしり詰まっている。

――「クラシツクル」というプロダクツがとても興味深いです。

1年間毎月、その月のテーマに沿ったアーユルヴェーダのグッズとテキストを自宅にお届けしています。ある月のグッズは、カレンデュラオイルキット、米ぬか玄米カイロ、チャイティーのキット、今月のスパイス、ターメリックオイル。プラス、いつでもオンライン動画が見られるようになっています。

――これってサブスクだなと思ったのですが、どこから発想を得たのですか?

まさに、アーユルヴェーダのサブスクです。10年間、季節ごとに開催してきたワークショップと、トリートメントのお客様個々に渡すお土産を選定する中で培ったデータを集結させました。オンラインで何かできたらいいなと考え始めていた時期と、コロナ禍でワークショップができなくなったことが重なったことにも背中を押されたましたね。

「クラシツクル」の制作風景。

――ナイスアイディアですよね。お客様には地方の方も多いのですか?

北海道から沖縄までいらっしゃいます。離島の方にはお届けするまでに少し時間がかかってしまうので、SNSで「発送しました」と発信した日からちょっと時差が出てしまうこともあるんです…。

――年12回お届けする中で工夫していることはありますか? 

ワークショップとセラピーで培ったデータをもとに、季節に合わせたベストなものを、実践しやすい形で提供しています。ただオンライン動画なので、3ヶ月溜まってしまってベストな季節を逃してしまう方も。一方、動画を見ながらノートをとってくれて、分厚くなったノートを投稿してくださる方もいます。わたしの話を真剣に聞いてくれて本当に感謝しています。

コロナ禍でサロンにも行けず、自由を奪われる状況の中、家でできることだからちょうどいいかなと思って始めたんです。だから、コロナの終焉とともに売上は落ちていくんだろうなと予想していましたが、いまのところ落ちてないんですよね。ここまでスムーズにいくとは全然思っていませんでした。

――「クラシツクル」の集客方法は?

お客様がSNSに上げてくださっているんです。それを見て興味を持たれた方が新規顧客になってくれています。だから、かわいいでしょ!ってSNSに上げたくなるような写真映えするものを作るように意識しています。動画では、講座的なこともお話しているのですが、そういったことも書いてくださったりするので、「クラシツクル」の詳細が伝わり集客ができています。

――最後に今後の展開を教えてください。

サロン経営のために、肉体労働ではないところの収益は必要になってきますよね。エステサロンの場合は、化粧品販売の収益が大きいんですけど、アーユルヴェーダサロンってなかなか販売するものが限られるんですよね。スクールを卒業してサロンを開業した生徒さんに、それを見つけてあげられればいいなと思っています。

「クラシツクル」成功の鍵は

弥生さんが、「クラシツクル」を成功させるために行ったことは以下の3つです。

1.セラピーでのお客様とのやりとりで培ったものを活かす

2.ワークショップのデータを再現させる

3.グッズはSNS映えを意識する

双子の娘さんたちが小学生のときにアーユルヴェーダの手技を学ぶため単身渡印。帰国後、アーユルヴェーダを仕事にすべく、とりあえず(?)セラピストに。コロナ禍限定と思って始めた「クラシツクル」が絶好調。「いつもイメージ先行で、あまり先のことを考えてないんです」と話す弥生さんですが、大学院でインド哲学を学び、サロン開業前にはモニター練習の目標をきっちり達成。目的に向かってまっしぐらな姿勢が成功へと導いているのではないでしょうか。

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