SNS総フォロワー数25万人超え!分析と自己アピールがバズる動画の秘訣 美容師・TAKUMAさん
「ギャルの神様」としてSNS上で話題を集めているのが「Lapis渋谷本店」で働くスタイリストのTAKUMAさん。インスタグラム、TikTok、YouTubeの総フォロワー数は25万人を超えています。カウンセリング動画に力を入れてから半年で売上が5倍以上になったということで、前半では人柄と技術を同時に伝えられるカウンセリング動画を作るコツを伺いました。
今回、お話を伺ったのは…
TAKUMAさん
美容師
千葉県出身。国際総合ビューティーカレッジ通信課卒業。17歳のときから神奈川県のサロンに勤務。22歳で国家資格を取得した後、Lapisに就職。渋谷本店にて現在まで勤務を続ける。ブリーチカラーやエクステの施術が得意。SNSでの発信に力を入れており、2023年5月現在、インスタグラムは3.4万人、TikTokは18.5万人、YouTubeは4.2万人のフォロワーを持つ。親しみやすいキャラクターと、真摯なカウンセリング、仕上がりの美しさが話題を呼び「ギャルの神様」として若い女性を中心に絶大な人気を誇る。
自分の声が伝わるカウンセリング動画でフォロワーが急増
――SNSの総フォロワー数が25万人を超えるTAKUMAさん。発信に力を入れ始めたのはいつ頃ですか?
集客として力を入れ始めたのは2020年の1月頃、スタイリストになったのがきっかけです。美容師として僕のことを知ってもらうために、インスタグラムとTikTokを始めました。当時インスタグラムは飽和していて、写真だけでは集客はできないと言われていたんです。次は動画が流行るのではないかという話が業界のなかで出ていたため、僕も動画の投稿から始めるようにしました。
――そこからどのようにしてフォロワーを増やしていったのですか?
最初はとにかく試行錯誤の連続で、人気の美容師さんの投稿をまねするところから始めました。しかし再生数は伸びたり伸びなかったり不安定で。そんなときティックトッカーのお客さまから「自分の声を入れるといいよ」というアドバイスをもらったんです。
カットやメンズのカウンセリング動画が流行っていたこともあり、自分の声を自然に入れられるカウンセリング動画にチャレンジすることに。僕が得意とするギャルのお客さまをターゲットにしたカウンセリング動画はまだなかったので、多くの人に見てもらえると思いました。それが2020年の11月。そこから一気にフォロワーが増えましたね。
それからも日々情報を収集して、ティックトッカーのお客さまにアドバイスをいただきながら動画を作っています。
――「自分の声を入れるといい」のはなぜですか?
ほかの美容師と差別化ができるからです。スタイルの写真だけでは、誰が投稿しているかがわかりづらく、ただ「きれいな髪形」という印象だけで終わってしまいます。
しかし、声が入ることで美容師自身に注目が集まり、少し見ただけでも記憶に残りやすくなるんです。今の時代、技術力の高い美容師はとても多いので、仕上がりだけでなく誰に担当してもらえるかが重要になってきていると思います。この人に担当してほしい、話しやすそうだから行ってみよう、と思ってもらうことが大切。その点で、自分の性格や人となりを伝えられるカウンセリング動画がニーズを捉えたのではないでしょうか。
SNSの特徴を捉えて最適な動画を投稿
――インスタグラム、TikTok、YouTubeとどれも人気を得ていますが、それぞれの投稿で意識していることはありますか?
それぞれアルゴリズムが違うので、同じ素材を使いながらも編集の仕方は変えています。TikTokはひとつの動画に対する時間制限が3分から10分に伸びました。今は長い動画が求められているのだと思います。
一方、インスタグラムは現在も1分半しか投稿ができません。さらにTikTokは早送りが可能ですが、インスタグラムはできる人とできない人がいるようです。なかには早く仕上がりを見たいという方もいると思うので、インスタグラムは最初に仕上がりを見せて、そこに向けてどのように施術をしていったのかを投稿。TikTokは飛ばすことができるので時間の流れにそって徐々に変身していく様子を見せていくようにしています。YouTubeはほかのSNSと同じようなショート動画とは別に15分ほどの企画も公開しています。
――とくに力を入れているものはありますか?
ちょうどいい時間で自分の魅力をアピールできるTikTokはとくに力を入れています。個人的な分析ですが、美容師のアカウントの動画は1分半から長くて2分のものが多いです。それだとスタイルを見せるだけで自分のこだわりが伝えられないと思っていて、僕は5分以上の動画を常にあげることで差別化をはかっています。会話やコミュニケーションの取り方をしっかりと見せられるので、僕自身のことが記憶に残るんです。
スタイルではなく美容師として覚えてもらえると、フォロー率や来店率があがります。ただし、長ければいいというわけではなく、インパクトのある内容を作ることが大切です。
――そのようなアルゴリズムの勉強や分析はどのようにして行なっているのですか?
フォロワーが多いティックトッカーの解説動画を見て学んでいます。あとは長く続けてコツをつかんでいくことも大事ですね。自分が投稿した動画のなかでリアクションのよかったもの、悪かったもの、それぞれの原因を考えてブラッシュアップする。そうすると徐々に世間がどのようなものを求めているのかわかるようになります。
3秒に1度の見せ場を繰り返すことで最後まで視聴者を飽きさせない
――長い動画がいいということですが、途中で飽きられないための工夫はどのようにすればいいのでしょうか。
3秒に1回見所をつくることを意識しています。TikTokは目に入って3秒でおもしろくないと飛ばされてしまうんです。お客さまに対するリアクションやツッコミを3秒に1回入れることで、飽きずに最後まで見られる動画が作れます。
たとえばお客さまの無理難題に絶望している僕の顔のアップと効果音を同時に入れるなどです。ツッコミどころのあるシーンを多く入れて、効果音と映像の効果でそれを大げさに見せることを意識そうすると、技術を見せるだけではなくおもしろい動画として成り立つんです。
――今までの投稿のなかで、リアクションがよかったものを教えてください。
無理難題を言う女の子を理想のスタイルに仕上げたときの動画です。これをきっかけに一気にフォロワーが増えました。「髪の毛が痛むからブリーチはしたくない!でも明るい色にしたい!」といったオーダーが多く、難しい施術だったんです。難しいオーダーに対して提案を繰り返す様子ときれいな仕上がりが「わがままなお嬢様の夢を叶える美容師」のようなストーリー性のある動画になり、反響を呼びました。
――どのような反響がありましたか?
「TAKUMAさんすごい!」「こんな難しいオーダーを叶えていて、うますぎる!」というコメントをたくさんいただきました。これはすごくいいバズり方だと思います。逆に「女の子がかわいい!」というコメントがあったときや、有名なティックトッカーの方が来店した際もバズることはあるんですが、それはあまりいいバズり方だと思いません。フォローや来店につながるのはやはり僕自身の技術を褒めてもらえたときですね。
TAKUMAさんが実践するバズる動画の作り方3選
1.各SNSのアルゴリズムを学ぶ
2.自分の声を入れた長い動画で美容師として認知してもらう
3.3秒に1回見せ場を作る
TikTokで爆発的人気を得たTAKUMAさん。後編ではSNSのフォローから集客や売上につなげるためのコツを伺います。カウンセリング動画は、お客さまの要望を叶えられるということをアピールするのにも最適なコンテンツとのこと。美容師としての思いとともにお話してくれました。