美容業界の動向はどうなっている?これからに備える方法も紹介

美容室を経営するうえで、美容業界はどんな動向で、これからも流行る店にするにはどうすればいいのか、常に意識しておかなければなりません。美容の流行やトレンドは移り変わりが激しいうえ、競合も多数存在するためです。

傾向を押さえながら、生き残るためにやるべきことや課題に取り組みましょう。

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美容業界の現在

美容業界の市場は、現在どのような状況なのでしょうか。厚生労働省の「衛生行政報告例」によると、平成29(2017)年度~令和3(2021)年度の理容所・美容所の軒数の推移は下記の通りです。

このように、理容所は減少傾向、美容所は増加傾向であることがわかります。

引用元
衛生行政報告例 生活衛生関係|厚生労働省

従業者数はどう変化している?

令和3年度末時点で、働いている理容師の数は20万6,747人、美容師の数は56万1,475人でした。平成29年度は理容師22万1,097人、美容師52万3,543人だったので、理容所・美容所の数の変動と比例して、理容師の人数は減り美容師の人数は増加していることがわかります。

引用元
統計表一覧|厚生労働省
統計表2 主な生活衛生関係施設数・年次別|厚生労働省

市場規模の変化

平成17~27年の美容業界の市場規模を見ると、平成17年にパーマネント・カットといったサービスで5,760億円、他の理美容代(ヘアカラー・エステ・着付けなど)を含めると1兆1,707億円だったものが、平成27年にはパーマ・カットは4,905億円と減少しているものの、総合では1兆3,529億円に増えています。

基本的なサービスにかける金額は減りつつも、その他のサービスにかける金額が上がり、総合的に見ると増加傾向にあるということがわかるでしょう。

引用元
美容業の実態と経営改善の方策(抄)|厚生労働省

サービスが多様化している

美容業界において、サロンに来られない高齢者などのもとを訪れてサービスを提供する「訪問理美容(出張カット)」や、設備の整った場所を借りて営業する「シェアサロン」形式など、従来の理美容室での働き方にとらわれないサービス方法が増えてきました。

また、インターネットで予約を受け付けたりSNSで情報を発信したりと、予約や集客の手段も多様化しています。

生き残りをかけて「これから流行る」美容室を目指すには

先のデータによると、美容室の数は増えているなかで、美容室での基本的なサービス(とくにパーマ)にかける金額は減少傾向です。

ライバルは増え、従来のサービスに対する消費者の財布のひもは固くなっているという現実をふまえたうえで、今後美容業界で生き残っていくためにはどうすればいいのでしょうか。

1. 競合との差別化を図る

国内の人口は減少していますが、競合は増え続けています。そのため、美容業界の競争は今後も激化していくと予測できるでしょう。

そうなった場合、数ある選択肢のなかから「お客様に選んでもらえる」サロンにしていくことは非常に重要。

技術をみがく・接客力(コミュニケーション能力や対応の仕方)を高めるといった基本的なことはもちろん、多様化するお客様のニーズに応えられるようなサービスを提供することも必要です。

また、リピーターになってもらい、継続して通ってもらう・離れていかないようにするための施策も求められます。

2. 店舗規模の二極化への対応

サロンの経営主体は、平成27年の調査では、個人経営が88.7%、法人が10.6%。また、従業員数3人以下の小規模店が72.9%でした。少数精鋭でやっていくのはもちろんありですが、顧客のニーズに対応しきれない可能性も出てくるでしょう。

そこで、他店と合併や提携をする、トータルビューティーサロンのような多角経営をする、といったことを選択肢に含めたほうがよいケースもあります。自店の経営状況を、今一度見つめ直してみてはいかがでしょうか。

引用元
美容業の実態と経営改善の方策(抄)|厚生労働省

3. スタッフを大切にする

美容師は離職率の高い職業とされています。そのうえ、スタッフが退職した際に募集をかけてもなかなか応募者が現れず、万年人手不足で悩んでいるサロンも多いです。指名を取れる(固定客を持つ)スタッフがいる場合は、とくに辞めないような工夫が求められます。

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4. 多彩な集客方法を採用する

美容室への集客の手段にはさまざまなものがあります。チラシ・雑誌やインターネットなどの広告・美容系ポータルサイト・SNS・自社ホームページなどです。

いろいろな方法を試すことも大事ですが、ターゲットにマッチした集客方法を考えることも大切です。ターゲットがよく利用する媒体・ターゲットが集まりやすい場所などを考慮して、効率的な戦略を立てましょう。

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厳しい美容業界を生き抜くためにやるべきこと・今後の課題

前章の内容もふまえつつ、勝ち残れる美容室になるためには、経営方針や経営戦略を改めて見直さなければなりません。今のままでよいと考えていては、周りの競合の成長に埋もれてどんどん衰退していく可能性があります。

では、一体どうすればいいのか、具体的にやるべきことを押さえましょう。

「新規顧客獲得」からの「リピーター育成」施策

1人でも多くの顧客を獲得することが大切ではあります。しかし、安定した売上を確保するには、新規獲得ばかりに注力するのではなく、リピーターになってもらえるように戦略を立て、実行していくことも重要です。

信頼関係の構築

リピートを増やすにあたって、お客様からの信頼を得ることは欠かせません。

清潔感がある・アットホームな雰囲気・会話が弾むなど、お客様にとって居心地がよく、「ぜひまた来店したい」と思えるような空間づくりをしたり、イメージ以上のよい仕上がりになるような技術を提供したりするなかで、お客様との信頼関係を築いていきます。

お客様から安心して施術を任せてもらえるように努めましょう。お客様に満足してもらうことはよい口コミにつながり、ひいては集客につながります。

自店の強みを伸ばす

他店では受けられないメニュー・他店では取り扱っていないケアアイテム・新しい技術など、自店だけの強みになる部分を持ち、強化していくことも大切です。「ここに来ないと体験できない」という特別感や付加価値をつけ、お客様から選ばれるサロンになりましょう。

競争激化の美容業界を強く生き抜こう

美容室や美容師は増加傾向にあり、美容業界を取り巻く環境はなかなか厳しいです。現状維持で満足していては、成長できず競争に敗れてしまう可能性もあります。

せっかく美容師になったのなら、過酷な状況下でもしっかり生き延びてほしいので、業界の動向を追い続けながら成長していってください。

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