興味のあることを突き詰めた結果がライフワークに【ラブライフアドバイザー®OliviAさん】#1

美容業界で仕事をしながら、「いつかは起業したい!」と考えている方も多いのでは。そんな希望を抱いている方へ、起業家として成功を遂げた方の経験談をお届けします。

今回ご紹介するのは性に関する総合アドバイザーとして、カウンセリングやスクール運営、企業研修、商品開発に携わっているほか、さまざまなメディアでも活躍ぶりを取り上げられているOliviAさん。

前編では、なぜ性に特化した起業を思いついたのか、起業に至るまでどのような技術や知識が必要だったのかなど伺います。

お話しを伺ったのは…
ラブライフアドバイザー®
OliviAさん

2007年より性の総合アドバイザーとして本格的に活動をスタート。アロマセラピストとラブライフアドバイザー®の経験からスキンシップ・コミュニケーション「LOVEもみ®」を考案。現在は著述、講演、カウンセリング、スクール運営、企業研修、商品開発など多岐にわたって活躍している。

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女性のマスターベーション研究に始まり、知識欲はさらに深化。

OliviAさんの最新作が『LOVEもみ』(日本文芸社)。著作の中には台湾で翻訳され、ロングセラーになっているものも。

――OliviAさんが性に興味を持ったきっかけは何ですか?

大学の専攻が人文学で、もともとジェンダーやセクシュアリティ、フェミニズムに興味がありました。大学3年のときに留学したオーストラリアで開かれた性の多様性を目の当たりにして、このときに感じたことを形にしたいと思ったんです。性の中でも特に女性の性をテーマにしたかったのですが、「セックス」として考えるとどうしても異性のパートナーの存在は外せません。女性の性だけに限定したら何か…と考えた末、マスターベーションに行き着きました。

――今から20年前となると情報も少なかったですよね。

タブー感も強かったですね。女性のマスターベーションを語る女性もほとんどいませんでしたし。研究を進めながら、抑圧されていると感じました。女性の根源的な欲求として、自分の身体を知ることが大事なこと。女性の性生活が肯定されればパートナーとのセックスも充実するし、人生の幸福度にすごく起因することだと思いました。

インターネットで調べると、「男性を喜ばせるテクニック」などテクニック的な情報はたくさん出てくるんです。男性のフィルターを通して、「男性をどう喜ばせるか」とか「どう誘うか」という情報ばかりでしたね。よけいに女性の性的欲求や性的関心について知りたくなりました。自分でも尖っているなとは思いましたが(笑)、女性の性について情報を発信している人にインタビューしたり、女性の性がどう扱われているかを調べた文献に当たったり、キャンパス内でアンケート調査をしたりしました。

今、改めて読み返せばすごく拙い内容なんですが、テーマがセンセーショナルだったので、共同新聞社の取材を受けたんですよ。

――大学生で性のテーマに卒論を書くのは珍しいですよね。

私が所属していたゼミには「女性が望むアダルトビデオとは」とか「セクシュアルマイノリティのアイデンティティ」とか、性を研究している学生が10人ほどいたので、違和感を感じなかったんです。教授のバックアップもありましたし。ただ、ゼミ生以外の友人には「何の研究をしているの?」って不思議がられたり、「4年間の集大成がコレなの!?」って呆れられたりしました(笑)。

女性性やセクシュアリティを肯定することってすごく大事。でも日本には情報がなかったんですよね。だから自分が学んだ情報を広めたい!と思ったんです。mixiを利用して勉強会や本で学んだ情報を発信していくうちに友人が増え、友人経由で出版社につながって性にまつわるコラムを書くようになりました。

――大学を卒業してから、どこかに就職したんですか?

性に関する就職先はありませんでした。どうしよう…と考えるうちに「性行為はスキンシップとコミュニケーションの最たるもの」ということに気づいたんです。とはいうものの、紹介されているのは風俗のようなアダルト的な情報しかありません。

女性がもっと心地よくなれるようなもので、セックスと具体的に結びつくものを学ぶには…と考えました。それにはスキンシップやタッチセラピーがいいと判断して、リラクゼーション業界を選びました。ちょうどリラクゼーションマッサージサロンが街に増えはじめた頃で、タイミングも良かったんですね。街なかのリラクゼーションサロンで働くことにしました。ここで生計を立てながら、整体やアロマテラピー、タッチセラピーを勉強しました。学んだことを体系化してまとめたのが「LOVEもみ®」なんです。

――体系化するのは大変だったでしょう?

大学を卒業してから27歳まで、いろいろな場所に習いに出かけたり体験しに行ったりしました。大変だったけれど、楽しかったですね。

性の悩みに特化したカウンセリング会社に就職。ここでカウンセラーの腕を磨く

カウンセリングでは人体模型を使いながら説明することも。自分の身体のことなのに知らないことや気づかないことがたくさん。

――マッサージやタッチセラピーを学んだ後は?

27歳の時に性の悩みに特化したカウンセリングの会社に就職しました。会社の代表の著書が出版されて、「こんな会社が日本にもあるんだ」と驚いて、入社を決めました。

――その会社ではどんなことをしていたんですか?

男性の性の悩みのカウンセリングをしたり、性行為におけるタッチの仕方などの実技アドバイスをしていました。私が入社して4年ほどは男性相談者がメインでしたが、女性への実技アドバイスを行うようになって、私もカップルカウンセリングを受け持つようになりました。

男性のカウンセリングを経験していたので、男女両方の想いをくみ取れるのが私の強みですね。それまではフェミニズムから入ったので女性に肩入れしたアドバイスになりがちでした。男性と女性の悩みどちらもまんべんなく担当したことで、「どっちにも言い分があるよね」って。

――この会社には何年ほど在籍していたんですか?

6年ほどです。会社勤めをしながら、コラムを執筆したりOliviAとしてレッスンを開いたりしていました。29歳のとき、お盆休みを利用して一冊目の著作を書き上げたんですよ。

――そんな短期間で!

コラムとして書きためていたものを、本にまとめました。忙しかったけれど体力もあったし、楽しかったからできたんでしょうね(笑)。会社には入社する段階で「将来は独立を考えています」と伝えていたので、やりたいことを自由にやらせてもらっていました。

「本を出す」ということは、それだけ社会にニーズがあるということ。著書が出るまで、家族にはセラピストとして働いているとしか伝えていませんでした。出版を機に、ようやく自分のやりたいことや仕事の内容を伝えることができました。出版記念パーティに家族も出てくれて、母が「私はOliviAの第一のファン」って言ってくれたんです。ものすごく嬉しかったですね。

――会社勤めから独立したきっかけは?

何人ものカウンセリングを受け持って自信がついてきたこともあり、そろそろ独立しようか…と考えていた矢先、会社がクローズすることになりました。それが2013年のことです。そのタイミングで独立しました。

――独立前にはいろいろ準備をしたいと思いますが? 心の準備はできていたんですか?

実は私の実家は自営業で、祖父の代から働き者の家系なんです(笑)。サラリーマンの家庭を知らないし、「商売は自分でやるもの」という意識が身に染みついているんですね、きっと。物心が付いた頃から家族の働き方を見ていて、こぢんまりでもやっていけることが分かっていたので小っちゃく仕事をすることに慣れていました。

それに、常に私の周りには同じような志をもつ仲間たちがいたので、1人でやっていたけれど1人ではない…という感覚がありました。例えばセラピストとして働いていたときは「いつか自分のサロンを持ちたい」という同僚がいましたし、勤めていたカウンセリングの会社でも性の悩みに応えるカウンセラーとして仕事をしたいと言う友人もできました。カウンセラーとして働いていた同僚とは、今も一緒に仕事をしているんですよ。

――ところで。OliviAという名前はどこから?

いろいろな方に聞かれますが、特に意味はないんです。学生時代のサークルで、ニックネームをつけ合う習慣がありました。そのとき、先輩に「あなたはオリビアっぽいよね」って付けられたんです。SNSを始めるときに本名を出すのがためらわれて、オリビアと名乗ったのがきっかけで、今に至っています。

――職歴だけを見ると関連性がないようで、実はすごく深いつながりがあるんですね。

この仕事を始めたのも、「女性の性は大事なもの」というのを友人たちとの出会いから感じ取れたのがきっかけ。大学で学んだこととは関係なく、リラクゼーションのマッサージのサロンでアルバイトから始めましたが、人によっては「大学を卒業して留学までしたのにアルバイト?」って思いますよね。私の中ではきちんと関連性があって、自分が将来発信したい情報には、この知識が必要だという確信があったんですけど(笑)。

OliviAさん流! 起業を成功させるための3つの秘訣

1.自分で「大切なもの」を確信したら、とことん向き合う。

2.目標を定めたら、何が必要かを冷静に分析する。

3.同じような志のある友人を持つこと。

「ラブライフアドバイザー®」という肩書きから先鋭的な方を想像していたところ、実際のOliviAさんは周りを包み込むような温かな雰囲気の持ち主。お話しを伺っていると、柔らかな口調や言葉の中に揺るぎない信念が伝わってきました。「女性の性を考えることは社会に必要なこと」という強い気持ちが周りを動かし、現在に至っているのでしょう。
後編では、起業してから大病を乗り越えたこと、結婚と出産を経て変わったこと、今後の展望について伺います。

撮影/森 浩司

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