自分の世界観を伝えられるツール選びを。撮影&編集テクニックファーストで周囲と差をつけて【「QUQU」スタイリスト 奈津己さん】#2

SNSでの発信が当たり前になった美容業界。採用に向けてSNSアカウントを聞くサロンも増え、その活用方法が就職活動に与える影響も大きくなってきました。そこで本企画では、就活に効果的なSNSの活用法について、熟練者へのインタビューを通して学んでいきます。

前回に引き続き、「QUQU」スタイリストの奈津己さんにインタビュー! 学生時代から撮影や編集が好きだったと話す奈津己さん。前編では、学生時代の詳しい投稿内容や注目されるまでの経緯についてお伺いしました。後編となる今回は、学生がSNSと向き合ううえで必要なことやフォロワーを増やすための投稿のコツをお聞きします。

お話を伺ったのは…

「QUQU」スタイリストの奈津己さん

2020年入社でスタイリスト歴は2年目。2025年初夏には、新しくオープンする「NUEN(ヌエン)」の店長に就任予定。アートやサブカルチャー文化に造詣が深く、その独自の感性を宿らせたカラーデザインが人気を呼んでいる。

学生時代の「好き」に貪欲に。いずれは投稿のヒントになり得る

TikTokが未開拓の理由は?「自分のテーマとツールが融合できるのかを考えて選んでいるため」と奈津己さん。

――学生がSNSを活用するとき、取り組むべきツールは?

Instagramはマストですよね。活用している年齢層が10〜30代までと幅広く、発信する側も自分らしさを存分に発揮できる場所だと捉えています。

――ターゲット層が広いことは大切ですね。

ほかに活用するツール選びに大事なことは何でしょう?

目的はもちろん、自分の世界観が伝えられるツールを選ぶと良いと思います。

ツールを見たら届けたいターゲット層や自分が、どういう分野で何が得意な人なのかわかってもらえるような…就活の際にも意外とサロン側が求めているのはフォロワー数より投稿の内容だったりします。投稿内容はその人の趣味、嗜好が現れるため、サロンにとっては学生のことを知るための材料になるんです。

――投稿のテーマを決めるコツをお聞かせください。

やっぱり好きなものをテーマにするのが一番だと思いますが、まずは自分の「これだ」というものを明確にすること。スタイリストを目指すから、それ以外のことにはノータッチになるのはもったいないと思っていて。ファッションが好きなら、ファッション好きが集まるコミュニティに足を運んだり、音楽が好きならライブハウスに通ったり。同じ空間にいる人たちと仲良くなって自分を知ってもらえたら「スタイリストもやっているの?」と、思いもよらないところで仕事につながる場合もあるんです。

学生の時間は無限に思えますが、案外限られています。そんな中で、自分の好きなものや居場所探しは簡単ではないかもしれませんが、それこそ「学生のうちにしかできないこと」なのも事実で…自分の「好き」だと思える感情を模索する期間として、常に探す姿勢でいると、のちに活きてくると思います。

撮影テクニックをマスターして個性を表現! 周囲との十分な差別化にも

建造物が好きだと話す奈津己さん。特に好きな建造物の写真を見せていただきました!

――多くの人に見られる投稿にするために工夫していたことはありますか?

意識していたのは色味と画角です。自分の世界観に合う色味を見つけられると、こちらがアピールしたい部分を一目で伝えられる手段になるんです。私の場合は、昔の漫画からの影響で、アングラやサブカルの雰囲気が好きだったので、派手目な配色をバランスを考えながら取り入れていました。

画角も同じで、その人の世界観が伝わる部分だと思っています。例えば、街の風景をするなら、どこを焦点に撮影するかで個性が出る。同じ風景を撮影した人がいたとしても、切り取る部分によって印象が全く違う写真になります。内容が被っていても、画角によって差別化は可能なんです。

テーマよりも自分なりの「ものの捉え方」を考えてみると良いかもしれません。周囲と違っている部分があれば、それまで見えていなかった独自の強みが浮き上がってくることもあります。

――では、投稿する際に気をつけた方が良いポイントは?

著作権についてはきちんと調べておく必要があります。学生時代に自分が好きな作品をデザインに引用したときがあったのですが、見た方に指摘いただいた経験があって。そのとき、好きだからといって載せて良い理由にならないことを知りました。

SNSを活用する際には意外と知られていないルールが至るところにあったりします。また、使って初めてわかる、知ることもあるので、予め調べておくことはもちろん、実際に使用してからの確認をおすすめします。

――就職後に目指すべき投稿のポイントは?

先述したとおり、まずは学生のうちに投稿全体の色味や撮影テクニックを身につけておく。そのうえで、就職後はスタイリストとしての技術を磨く時期だと考えています。

私自身、実際に現行のサロン用アカウントで発信を始めてから反応が良かったのは、シンプルなスタイリングの写真でした。あくまで見てほしいのは髪の毛とそれによって作り出されている雰囲気。自分が納得できる技術をSNSで発揮できたと同時に、学生時代に培った色味や画角などの撮影テクニックが活きたと感じました。

今でもこれまで得た技術とテクニックを総動員して、見ている人にリアルな質感やカラーの明度を伝えられるように努めています。

注目は「動画」。普段獲得できないターゲット層も視野に検討中

――今後活用するSNSの方向性をお聞かせください。

中国で使用されている「小紅書(RED)」というツールを始めました。小紅書とは、InstagramとX(旧:Twitter)を掛け合わせたようなもの。実は始める前に私の施術を体験した方が細かく投稿していただいていたらしく、知らないところで宣伝になっていて(笑)。そんな状況も加味して、サロンのシステムや施術内容と料金設定を明確に記した公式アカウントを作成し、利用しています。

――投稿の内容を変える予定は?

新たに動画に挑戦したいと考えています。最近、ひたすらカラーを塗っている動画を見かけたのですが、それも結構人気があるようで興味があります。視聴者の反応を見ていると、意外と作業をしているだけの動画の需要が高くて。普段とは違う別の角度から注目していただける可能性を考えたら損ではないのかなと。

今後もテーマとそれぞれのツールとの親和性を考えながら、取り組んでいきたいです。

美容学生がSNSを始めるときのポイントまとめ

1.自分の目的や世界観が伝えられるツールを選ぶ

2.SNSのルールは事前確認&実際に使用して覚えていく

3.新しいツールにも目を向け、別の角度からも可能性を考える

取材・文/東 菜々


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QUQU
住所:東京都渋谷区渋谷1丁目5−10 小笠原ビル 1F
TEL:03-6427-9175

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