自分の夢をかなえるために、目の前のことからコツコツと【aole 代表 柴田紋奈さん】#1
美容師をしている傍ら、自身で開設したYouTubeチャンネルが半年で早くも10万人を突破し、1年半経った現在では70万人を超える大人気YouTuberに。前編では、美容師になって感じたギャップ、YouTubeを開設した理由、動画の人気のポイントについてをお話しいただきました。
お話を伺ったのは…
美容師 柴田紋奈さん
山野美容専門学校卒業後、大手ヘアサロン・ガーデンに就職。原宿、表参道の店舗合わせて、約6年ほど勤務したのち、現在は表参道aoleで代表を務める現役美容師。その間に、YouTubeを開設し、半年ほどで登録者数70万人突破の人気ユーチューバーに。他にも多数メディアに出演し、幅広い世代から注目を集めている。
柴田紋奈さんのYouTubeチャンネル:【あやまるチャンネル】
コロナがきっかけで開設できたYouTubeチャンネル
――幼少期から美容師になることが夢だったようですが、実際に美容師になってみてギャップは感じましたか?
いい意味でのギャップは感じました。当時の美容師のイメージって、体育会系で厳しい印象だったんです。家族もそんな印象を持っていたようで、私に美容師は「無理だよ」って言われてましたね(笑)。でも、実際になってみたら全然そんなことなかったので、逆にいいギャップを感じられました。
――サロンを辞めて、独立した理由はどんなことからですか?
自分を打ち出したかったんです。もともと注目を浴びることが好きで、メディアに出ることが夢でした。なので、ひとつのサロンに所属しているままだと色々な制約が出てきて、自分がしたいことが自由にできないなと思い、独立を決めました。自分の夢を叶えるために独立をした感じですね。
YouTubeを開設した理由も、自分を打ち出すための一つのツールとして「いいんじゃないか?」と考えたことがきっかけです。
――そうだったんですね。YouTubeを始めたのも、独立と同じくらいの時期でしょうか?
YouTubeは、独立する半年前くらいから始めていましたね。ちょうど、コロナ禍になったときに「今だ!」と思い、始めました。コロナ禍のときってみんな家にいましたよね?外に出るのに制限がかかってしまったり、ましてや美容室なんて営業の自粛要請が出てしまったりと、髪のお手入れがしにくい状況が重なってしまったと思います。そこで、おうちでもできるケアを紹介したらみんな嬉しいんじゃないかと考えて始めましたね。
――確かに、おうちでできるケアなどの需要が高まりましたよね。
コロナ禍は私にとってチャンスだと感じました。携帯って毎日見るものですし、逆に今しかできないことだと思いました。
YouTubeの動画をあげる際に気をつけているポイント
――柴田さんのYouTubeは、説明が細やかでわかりやすい印象を受けました。ご自身が動画再生数が上がるように心がけていることはありますか?
たくさんあります! まず、動画は一般の方向けに配信しているので、専門用語は使わないように意識していますね。わかりやすい説明ができるように噛み砕いて紹介しています。
――それは、視聴者の方も安心してアレンジに挑戦できますね。
説明もそうですが、省略もしないようにしています。同じ動作を繰り返す工程のときって、片方だけ説明して「繰り返して終わり」と、省略されてしまうことがほとんどだと思うんです。同じ工程をひとくちに「繰り返し」といっても、左右で腕の曲げ方や伸ばし方など違うので、一つずつ丁寧に紹介しています。
――確かに繰り返す場面が見受けられますね。どの動画も、とても細やかで丁寧な印象を受けました。
よかったです! 説明もそうですが、視聴者のみなさんと私との間に一体感を生むため、自分だけのペースで進めずに「できましたか?」と声かけをしながら少しのあいだ待機したり、難しいところは何度もやり直して視聴者の方々に寄り添うことも意識しています。動画は、停止したり巻き戻したり操作はできますが、なるべく一緒にやっているかのような感覚を大事にしています。
――なるほど、徹底的な気遣いですね。
あとは、マネキンを使用してヘアアレンジやケアを紹介することもありますが、なるべく見ている人が真似しやすいように、自分の髪で表現することにしています。ただ、どうしても自分の髪型で表現することが難しい前髪のセットやカットの紹介時には、マネキンを使用することはあります。
――なるほど。視聴者と一緒にできるようにペースを合わせて、というのは動画では珍しいような気がします。
そうですね。他の動画をあまり見ないのでわかりませんが、視聴者の方からは丁寧でわかりやすいとご好評いただいています!
――そういった細やかな気遣いが視聴数や登録者数に反映されているんでしょうか。
そうかもしれません。他にも、後頭部のアレンジをするときは、後ろをみなさんに見せるようにして角度も気にしながら動画を撮っています。
不快感を与えそうな点をなるべく排除し、無理のないペースで動画を配信
――動画を多くの人に見てもらうために、気をつけていることはありますか?
見ている人が一人でも嫌な気持ちになってしまうような、ネガティブな言い回しはしないようにしています。
例えば、「〜するのは、ダメですね」とは言い切らず、「〜すると、ちょっと残念ですね」など言い換えて誰も傷つかない言い方に変換しています。
――素敵な配慮ですね。現在、動画は週に何本のペースで配信されているのですか?
初めは無理をして毎日投稿していましたね。でも、無理しないで一本ずつを丁寧に撮影した方が濃い内容のものをお届けできるなと気づいたこともあり、現在は週5本のペースで動画を配信をしています。
柴田さんが動画の再生回数を上げるために意識している3つのポイント
1.専門用語や曖昧な表現・言葉を使わない
2.工程を細やかに説明し、視聴者のペースを意識する
3.見ている人が真似しやすいように、自分の髪で実践する
自分にストイックに、視聴者のことを第一に考えてわかりやすい動画をあげている柴田さん。自分のかなえたい夢を実現するために一つ一つクリアしていく姿は、勇気がもらえました。
後編では、動画を作成する上で気をつけていることや今後挑戦したいこと、夢を実現するためにしたことについてお話しいただきます。
取材・文/東菜々(レ・キャトル)
撮影/喜多二三雄
Salon Data
住所:東京都渋谷区神宮前5丁目47−8 Kガーデン 1F
電話:03-6451-1665