仕事は手段に過ぎない。夢があるから人は成長できる「ボン」原田知佳さま
日本の美容業界を支える企業の魅力を紹介する本企画。今回登場いただくのは、1976年の創業以来、トータルエステティックサロン「エスティフル」、シミ・しわ専門サロン「ピュアマインド」などさまざまなエステブランドを経営する株式会社ボンです。
前編では教育部センター長を務める原田知佳さんに、「ボン」の成り立ちや、大切にしている考え方について伺いました。
後編では、引き続き原田さんに、「ボン」で働くうえでの特徴について伺います。スタッフの仕事の面だけでなく人生そのものに向き合っている「ボン」。とくに大切にしているのが、スタッフに夢を持ってもらうことだといいます。仕事はスタッフが夢を実現するための手段に過ぎないと考えているそうです。
お話を伺ったのは・・・
株式会社ボン
教育部センター長
原田知佳さん

大学時代から、エステ・美容業界でエステティシャンとして働く。25歳でエステサロンオーナーとして独立。結婚、出産を機に現場を離れるが、その後、株式会社ボンに入社する。SNSでは「たまご肌先生」としても活躍しており、通販番組「SHOP CHANNEL」などにも出演している。
厳しい環境でも、目標を持って成長してほしい

――前編のお話しを聞いていて、スタッフの方の仕事の部分だけでなく、人生そのものを大切にしていると感じました。
そうなんです。その人の人生やビジョンにまで踏み込み、実現を後押しすることは本当に大切にしていて、対象はスタッフだけにとどまりません。たとえば新卒採用の応募者の方に対しては、面接の前に面談を入れています。私たちの会社に必ず入社してもらうという主旨ではなく、その方がどんな人生を歩んでいきたいか、そのために弊社でできることはあるのかを確認する面談です。
「ボン」に入社して、人生がプラスになるならもちろん一緒に働いていきたいと思っていますが、その方が望むものが違うところにあるのであれば、そちらを応援します。他社で合いそうな企業があれば紹介することもあるんです。
その方が社会全体を見たときにみんなにとってプラスになるという考え方です。一度でも関わった方に幸せになってもらいたい、スタッフの人生の方が主体で、エステの仕事はあくまでそれを実現するための手段でしかないと考えています。
――素晴らしい考え方ですね。スタッフの方に対してはどのような取り組みを?
スタッフが夢を持つこと、そしてそれを実現することをとても大切にしています。弊社では毎年5月にすべてのスタッフが「ビジョン実現シート」というものを書きます。仕事、家庭、個人のビジョンを、生涯、今年、来年の3つの軸で書くというシートです。それをサロンのスタッフルームや本社に掲示するようにしています。
――なぜ夢を書いてもらうのですか?
夢があるからこそ、しっかり仕事に取り組めると考えているからです。うちの会社は一般的なエステサロンと比べても、仕事をする環境としては少し厳しい部分があるかもしれません。入社当初からいきなり高い目標を掲げることはありませんが、最初はお客様5人にごあいさつをする、次の日はそのお客様にお礼状を書く、など本当に小さな目標からスタートし、それが少しずつ売上も含めた目標に変わっていきます。
ノルマという言葉は使いませんが、少しずつ負荷をかけることで徐々に成長できるという考え方です。スタッフの成長を支えるため、技術面や知識の研修は2ヶ月に1回ほど行うなど、力を入れています。
こういった環境だからこそ、目標、ビジョンをしっかりと持ち、その実現のために何が必要かを意識して仕事をしてほしいと考えています。仕事はビジョンを実現するための手段にしか過ぎません。
社会復帰を後押しした例も。エステは大きな可能性を秘めている

――原田さんがエステの仕事にやりがいを感じるのは、どんなときでしょうか?
その人の人生が変わるような瞬間に立ち会えることだと思っています。私がエステティシャンとして立ち会った転機のなかで一番印象的だったのは、あるお客様がエステを通して社会復帰をしたときのことです。
その方はエステに通ってくださっている方の娘さんなのですが、20年間ほど家に引きこもっている状態でした。ある日、お母様になかば無理やりのような形で、サロンに連れられてきたことがあったんです。最初は私と目もあいませんし、ホルモンバランスが乱れてお顔にはおひげもあるような状況でした。
――その方がエステを受けることで変わったのですか?
はい。それまでその方は自分の顔を見るのも触るのも嫌がっていたのですが、初日にエステを受けてくださったあとに、自分のお顔を触って鏡を見たいと言ってくださったんです。正直、お顔にそこまで大きな変化が起きていたわけではありませんが、お肌の感触がもちもちと変化したことによって、その方は光を感じてくださったようでした。
その後、定期的に通ってくださるようになると、変化が次々と起きるようになりました。近所の公園、スーパーなど出かけられるところが増えて、自信も取り戻され、最終的にはお仕事ができるようになったんです。
その方は元々、容姿にコンプレックスがあったというわけではなく、精神的な問題を抱えていたのですが、きれいになれることの喜びや、サロンに来ることの楽しみで徐々にその問題を克服できたと仰っていました。ただ容姿をきれいにするだけでなく、心を変えることもできるエステは本当に大きな可能性を秘めていると感じています。
仕事を通して、自分のことが好きになれた

――スタッフの方がこの会社に入ってから成長ができた、変化を起こしたというような実例はありますか?
成長の例は本当に数えきれないほどあるのですが、変化という点で印象的だったのが、社員のなかにこの会社での仕事を通じて、自分のことを好きになれたと感じている人が多い点です。
私はたまに店舗に電話をして、スタッフにインタビューを行うことがあるのですが、以前ピュアマインドというエステブランドに勤める10人に話しを聞いたところ、そのうちの7人が以前までは自分のことが嫌いだったのに、好きになったと言ってくれたんです。
理由としては、上司が毎日のように自分のことを褒めてくれるから、ということでした。確かにうちの会社の幹部たちは、人のいいところを見つけるプロ集団というような感じなんです。そういった環境のなかで、徐々に自分に自信をつけているようです。
――最後にこの企業を目指す方にメッセージをお願いします。
うちの会社に興味があるという方はもちろん大歓迎なのですが、仮にそうでなくても、少し美容業界に興味がある、何をしたらいいか分からない方などがいたら、一度お話しをさせてもらえたらうれしいです。
弊社は日本全国のエステティックサロンで構成されているボランティア団体に加盟をしているので、全国のエステサロンとのつながりがあります。そういったサロンをはじめ、メーカーさんや他業種の企業さんへのご紹介も可能です。
胡散くさいと思われるかもしれないですが、私たちは本気で自社だけでなく、関わってくれているすべての方たちとみんなで幸せになりたいと考えていて、そのお手伝いができたらこんなにうれしいことはありません。ぜひお気軽にご連絡をいただければと思います。
今回はスタッフの方に関することにしぼってお話しを伺いましたが、スタッフだけでなく、顧客へのフォローも手厚い「ボン」。ホテル一室を貸し切ってお客様をもてなす、「お客様感謝祭」を行うなど、とにかく人や人とのつながりを大切にしている姿勢が伺えました。この姿勢こそが、長年に渡る事業繁栄の理由ではないかと感じました。
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株式会社ボン
住所:埼玉県新座市大和田5-2-25
TEL:048-482-7511





