主婦が歯科衛生士になるには？おすすめのルートや家庭と両立させるポイントを解説
普段家庭で子育てや家事をしている主婦のなかには、「手に職をつけたい」という思いを持つ人もいるのではないでしょうか。数ある専門職のなかでもおすすめなのが、人々の歯や口腔をケアする歯科衛生士です。手に職をつけたい主婦にとって、さまざまな魅力があります。
この記事では、主婦が歯科衛生士になる方法としておすすめのルートを紹介します。主婦が歯科衛生士として働く魅力や、家庭と両立させるポイントについてもお伝えしますので、ぜひ参考にしてください。
歯科衛生士の仕事内容
歯科衛生士のおもな仕事は、歯科予防措置・歯科診療補助・歯科保健指導の3つです。
＜歯科予防措置：歯石や歯垢の除去・フッ化物の塗布＞
歯や口腔内の汚れを落とし、歯の質を強くすることで、虫歯や歯周病を予防するのが目的です。虫歯と歯周病は歯を失う二大疾患であるため、予防措置は重要な役割を担います。
＜歯科診療補助：器具の受け渡し・バキューム操作・詰め物の研磨・薬剤の準備・ホワイトニングなど＞
歯科衛生士は診療を直接行うことはできないため、歯科医師のサポートを担います。
＜歯科保健指導：生活習慣や正しい歯磨きの仕方、食事の取り方の指導、咀嚼や飲み込みの訓練＞
虫歯や歯周病は生活習慣の一種です。生活習慣の改善や正しいセルフケアが、歯科疾患の予防にもつながります。
歯科衛生士の詳しい仕事内容は、以下の記事でチェックしてください。
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主婦が歯科衛生士になるには？
主婦に限らず、歯科衛生士になるには国家資格が必要です。国や都道府県が指定する歯科衛生士養成機関で3年以上学び、国家試験合格後に免許申請をすると取得できます。
以下で歯科衛生士養成機関の種類と、主婦から歯科衛生士を目指す場合のおすすめのルートを2つ紹介します。
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養成機関の種類
歯科衛生士の養成機関は、専門学校・専修学校・短期大学・4年制大学の4種類です。その多くは全日制の昼間課程。しかし、専門学校によっては夜間部を開設しているところもあります。専門学校や専修学校、短期大学は3年制がほとんどです。
おすすめのルートその1. 周囲の協力を得ながら昼間部を卒業する
主婦のなかでも、とくに子育て中の方は、育児と学業との両立が大変かもしれません。しかし、家族や保育園、幼稚園などの協力を得られる状況であれば、専門学校や短大の昼間部に通うのがおすすめです。
昼間部は平日の朝から夕方までの授業が一般的なので、子どもを預けて迎えの時間まで学校で学び、自宅に帰ってからは家事や育児に時間を使えるでしょう。
おすすめのルートその2. 子育てや仕事をしながら夜間部を卒業する
日中子どもの預け先がない人や、仕事をしている主婦などは、夕方から家族に子育てや家事を任せて、夜間部に通う方法もあります。夜間部は夕方から夜までの授業なので、収入を得ながら学校に通いたい人や、家庭や仕事と両立して学びたい人におすすめです。
ただし、昼間部と違って、土曜日の夜間にも授業が行われることもあります。
歯科助手からキャリアアップを目指すのもおすすめ
いきなり学校に通い始めることに抵抗がある場合は、無資格・未経験でもできる歯科助手からスタートするのもおすすめです。歯科衛生士と業務範囲は異なるものの、実際に歯科医院の仕事や基礎知識を学ぶことができます。
しかし、歯科助手を経験したからと言って、そのまま歯科衛生士にキャリアアップはできず、養成機関に通わなければならないことには変わりありません。ある程度経験を積んだり、学費の工面ができたりしたら、自分に合った養成機関を探しましょう。
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主婦が歯科衛生士として働く魅力
歯科衛生士は、これから新しいキャリアを築きたいという主婦にとって魅力的な職業です。その魅力について、以下で紹介します。
国家資格である安心感
歯科衛生士は専門性の高い国家資格であるため、一度取得すれば年齢を重ねても働けるという安心感があります。国家資格はその専門性を認められている証でもあり、社会的信用度が高いことも魅力です。
家庭と両立した働き方も可能
歯科衛生士の求人は豊富で、全国各地にあります。たとえば夫の転勤に伴う転居や出産、育児などで離職しても、再就職先を探すのはそれほど難しいことではありません。なかには、時短勤務やパート勤務といった、家庭と両立しやすい働き方ができるところもあります。
また、歯科衛生士は女性が多い職業なので、女性ならではの事情に理解を得られやすいのも特徴です。診療時間が決まっているため大幅な残業は発生しにくく、日曜・祝日は休診日の歯科医院がほとんど。夜勤もないため、プライベートの時間を確保しやすいでしょう。
主婦としての経験が活きる場面も多々
主婦として、家事や育児などのマルチタスクをこなした経験や、地域の方とのやりとりで身につけたコミュニケーション力は、現場で活きることも多々。そういった経験があるからこそ、信頼を得られることもあります。
主婦から歯科衛生士を目指す場合にすべきこと
歯科衛生士は資格を取得してしまえば、その後は安泰ともいえますが、取得するまでには準備が必要です。主婦から歯科衛生士を目指す場合は、あらゆるケースを考慮・想定しておかなければならないため、詳しく紹介します。
子育て中の場合は家族や周囲のサポート体制を整えておく
昼間部・夜間部問わず、子どもがいる場合は家族や周囲のサポートが必須です。学業と両立できるよう、まずは周囲の理解を得なければなりません。
とくに小さな子どもがいる場合、家族や保育園、幼稚園などに預ける必要があります。家事の分担や子どもの送迎、子どもの体調不良の際にだれがどのように対応するかを事前に決めておくことが大切です。
なかなかそういった体制が整わない場合は、子育てが落ち着くまで待つことも視野に入れておきましょう。
資金の準備
専門学校や短期大学の学費の相場は、トータルで300～400万円です。決して安い金額ではないため、計画的に準備しておきましょう。
学校ごとに学費は異なり、公立か私立かによっても差があります。トータルで見れば公立のほうが低めで、夜間部は昼間部よりも安い傾向ですが、それでも大きな額です。納入時期も各学校で違うため、どの時期にいくら必要になるかを事前に確認しておくのがベスト。
自宅から距離が離れていると、別途交通費も掛かるため注意が必要です。また、小さい子どもを保育園や幼稚園に預ける場合は、保育料もかかることを考慮しておきましょう。
学費の納入に不安がある人はサポート制度を利用するのがおすすめ
学校によっては、学費に関するサポート制度があります。たとえば、いくらか支援金をもらえるものや、分割払いが認められるものなどです。
また、仕事をしている主婦で雇用保険に2年以上加入している人の場合は、教育訓練給付金制度を利用すれば給付金を受け取ることができます。
ほかにも、奨学金や教育ローンで借りる方法もあるので、活用できるものはないか調べてみるとよいでしょう。
時間管理や体調管理も重要
主婦は仕事や家事、育児など、学校の合間にすべきことがたくさんあり、学業と両立するには相当な努力が必要です。勉強時間の確保の仕方を事前に計画し、日々の体調管理には十分気を配りましょう。
主婦が学校を探すときにチェックすべきポイント
家庭と両立しながら効率的に学ぶためには、学校選びが大切です。ここまで紹介した内容を含めて、学校を探すときにチェックすべきポイントを紹介します。
自分に合った学び方ができるか
学校によってカリキュラムの組み方や授業の進め方、学習スタイルが異なります。自分に合った学び方ができるかをチェックしましょう。
さきほどお伝えしたように、養成機関の多くは昼間部ですが、一部の学校には夜間部があります。また、オンライン授業を取り入れているところや、自宅学習に役立つ教材を扱っている学校など、学びやすさが工夫されていることも。
家庭の状況や生活スタイルなどを考慮してチェックするとよいでしょう。
自宅などからのアクセス
学校の立地は、チェックしておきたいポイントの一つです。自宅や最寄り駅から近いと通学しやすく、交通費もおさえられます。また、子どもが通う保育園からのアクセスがよければ、急にお迎えが必要になった場合でも安心です。
学校のサポート体制
国家試験対策をはじめ、就職や学費のサポート体制がどれくらい充実しているかもチェックしておきたいポイントです。また、講師陣の経歴や実習の取り組み方とあわせて、どんな学生が通っているかなども確認しておくとよいでしょう。
こういった情報は、ホームページに掲載されていることもありますが、資料請求したりオープンキャンパスに行ったりすると、より深く知ることができます。
歯科衛生士国家試験の概要
歯科衛生士の国家試験は年に1回、毎年3月に実施されます。試験内容は筆記試験のみで、出題される科目は以下の通りです。
・人体の構造と機能
・歯・口腔の構造と機能
・疾病の成り立ち及び回復過程の促進
・歯・口腔の健康と予防に関わる人間と社会の仕組み
・歯科衛生士概論
・臨床歯科医学
・歯科予防処置論
・歯科保健指導論及び歯科診療補助論
歯科衛生士の就職先
歯科衛生士のおよそ9割が、歯科医院（デンタルクリニック）で働いています。次に多いのが病院勤務で、市町村や歯科衛生士養成機関などで働く人もいます。
また、最近は高齢者への口腔ケアの需要も高まっており、介護施設などに勤務する歯科衛生士も増えているようです。
歯や口腔内の健康は全身の健康にも影響を与えることから、歯科衛生士のさらなる活躍が今後も期待されています。
引用元
厚生労働省｜2 就業歯科衛生士・歯科技工士及び歯科技工所
歯科衛生士の給料
厚生労働省の「job tag」によると、歯科衛生士の年収は405.6万円です。また、同サイト内に掲載されているハローワーク求人統計データによれば、求人賃金（月額）は24.9万円となっています。
職場や地域、経験年数によって差があるものの、安定した収入が得られるでしょう。
歯科衛生士に求められるスキル
歯科衛生士として働く際、専門的な知識や技術に加えてさまざまなスキルが必要です。ここからは、歯科衛生士に求められるスキルについて紹介します。
コミュニケーション能力
歯科衛生士は、子どもから高齢者まで幅広い年齢層の患者と関わり、歯科医師や歯科助手と協力する仕事であるため、コミュニケーション能力が求められます。不安や緊張を和らげたり、分かりやすく説明したりする場面も多々あり、気配りも欠かせません。
主婦から歯科衛生士になった際には、子どもやママ友、地域の方との関わりといった経験が役立つでしょう。
協調性
歯科衛生士は、歯科医師の動きを先読みしてサポートしたり、歯科助手と連携を取りながら仕事を進めたりするため、協調性が求められます。スムーズに治療を進めるためにはどうしたらよいかを考え、周りの人に合わせながら自分のスキルを活かすことが大切です。
正確性や責任感
歯科衛生士が直接治療を行うわけではありませんが、医療に関わる身である以上、ていねいかつ正確に取り組む責任があります。歯科衛生士の仕事は細かな作業が多く、集中力も必要です。患者の健康を第一に考え、自分の仕事にしっかりと責任感を持ちましょう。
主婦が自分に合った職場を探すには？
歯科衛生士の求人は、求人サイトや求人情報誌、歯科医院のホームページなどでチェックできます。仕事探しの方法が豊富にあるなかで、より自分に合った職場を探す際は、求人サイト「リジョブ」がおすすめです。
リジョブはヘルスケア業界に強いサイトで、歯科衛生士や歯科助手の求人を多数掲載しています。
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主婦でも自分に合った学校・職場選びで歯科衛生士になれる！
歯科衛生士は国家資格職であるため、主婦に限らず養成機関で専門的な知識や技術を学び、国家試験に合格しなければその仕事に就くことはできません。
しかし、一度取得すれば年齢関係なく長く続けられ、ブランクが空いても再就職しやすいです。また、現場では主婦の経験が活きる場面もあります。
養成機関によって授業時間や特色が異なるため、家庭の状況や学校までのアクセスなどを踏まえて自分に合った学校を選ぶことが大切です。小さい子どもがいる場合は、学業と両立できるように、周囲の協力を得て準備を整えましょう。
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