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『美容室業界』は新たな時代へ!船井総研が提案する傾向と対策

現在の美容室業界は「展開期」から「安定期」に移行する境目だと言われています。それは、業界そのものが多くの人に認知され、利用も進んだ結果、顧客のニーズが細分化し、またより「自分にあったサービス」を選択しはじめる時代のこと。言い換えれば、市場としての成長期は終わり、衰退していく可能性も否めません。

では、展開期・安定期にはそれぞれどのような傾向が見られ、どう対策していけばよいのでしょうか?日本有数のコンサルティング企業である船井総合研究所で美容室のコンサルタントを務める富成将矢(とみなりまさや)さんに伺ってみました。

展開期の傾向=「専門化」

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船井総合研究所の経営コンサルタント富成将矢です。いま美容室産業が向かっているという展開期、安定期とは「業界ライフサイクル」のこと。つぎをご覧ください。

  1. 導入期:認知されず広がらない
  2. 成長期:認知されはじめ広がっていく
  3. 成熟期:一般的に広がり、他の人がやっているから利用する
  4. 展開期:多くの人がやっているから仕方なく利用する
  5. 安定期:自分に合ったものを利用する

あらゆる業界には必ず5段階のライフサイクルがあり、美容室業界は④と⑤、すなわち成熟しきった状態です。厳しい言い方になりますが、「生き残るお店とそうではないお店がはっきりする時代」だと私は見ています。

ではどういうサロンが生き残るのかといえば、「本物」が残ると思います。本物とは、誰かに「どんなお店なのですか?」と聞かれたとき、「うちにはこういうお店です」とワンフレーズで特徴を答えられ、実情がそれに伴っているサロンと定義しています。

2000年頃は「大型化」の時代であり、需要>供給でしたので、大型サロンを出すほどより多くのお客様が来店しました。その後、美容室の数が増えてくると、お店にスペースができるので、マツエクやネイルを導入した「トータルビューティー」(複合化)が人気をよびました。展開期では「専門化」が求められます。マツエクサロン、ネイルサロンなどの専門店化や美容室から「カット」のみを抜き出した1000円カットなど新しい専門店が勢力を伸ばしていきました。

現在では、既存の美容室がマツエクなどをはじめる場合、専門の新ブランドとして出店するケースが増えてきています。1店舗で何もかもするのではなく、いわば一つの会社で「専門店の集合体」ともいうべき出店戦略をとる会社が多いのです。

今後ますます新業態が出てくるでしょう。それは、ライフサイクル上の原理が働くからです。
かつてはパスタを食べるためにファミレスへ行った人も、パスタ専門店が近くにできれば、わざわざファミレスへは行きませんよね。

安定期の傾向=「コンセプト化」

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つぎに、安定期へ入ると「コンセプト化」が求められます。展開期では専門化=施術面での特徴が重要でしたが、安定期では「お店自体の特徴」が求められていきます。それは同時に、さまざまなコンセプトのサロンが出現する=「多極化」の時代でもあります。

例えば現在あるものを、ざっとあげてもこれだけ出てきます。

  • 高単価ケア特化系(トリートメント・スパ・育毛系)
  • 低単価高回転系(1000円カット、メンテナンス系)
  • 低単価オシャレ系(面貸し、委託系)
  • 高単価オシャレ系(地域一番、高い技術)
  • 商品特化系(カラー専門店、カット専門店)
  • ターゲット特化系(ママさんサロン、メンズサロン)
  • 複合型系(エステ、ネイル、マツエク、カフェ等)

顧客側はコンセプトに賛同してサロンを選択する、あるいはその時々のニーズに合ったところを使い分けていきます。例えば、「今回は前髪だけだからメンテナンス系のお店で」などです。いずれにせよ「明確な特徴」は必須要素です。

展開期・安定期への対策

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展開期から安定期へ向かっている美容室業界では、その特徴を打ち出せるかどうかが非常に重要です。では、自店の特徴をどう形作り、魅力ある店舗にできるのか?ひとつの参考として、船井総研で提唱している「差別化の8要素」をご紹介します。

  1. 立地(店舗の利便性)
  2. 規模(スタッフの多さ、店舗の広さ、売上の多さ)
  3. ストアロイヤリティ(創業からの年月、サロンの認知度)
  4. 商品力(人、メニュー、技術)
  5. 販促力(WEB販促・既存販促)
  6. 接客力(顧客対応)
  7. 価格力(メニュー価格)
  8. 固定客化力(リピートさせる力、VIP客数)

「差別化の8要素」のうち、船井総研では、
①~③を「戦略的差別化」=すぐには変えられない
④~⑧を「戦術的差別化」=企業努力で変えられる
と定義しています。つまり、仮に立地、規模、年数などでハンデがある場合でも、取り組み方によって変えられる要素は少なくないのです。ライフサイクルは止められません。変化の時期を、自社の戦略を見直す機会にしてみてはいかがでしょうか。

profile

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富成将矢さん Masaya Tominari

1991年生まれ。立命館大学卒業後、船井総合研究所入社。美容室の業績アップを得意としており、売上2000万円の美容室から、県内No.1美容室まで、規模に応じた経営戦略を組み立てながら、業績アップに必要なものを的確に提案するスタイルが経営者から高く評価されている。業界内有名美容室もクライアントに多数抱える実力のあるコンサルタント。日本各地にクライアントを持ち、今日も全国を駆け巡っている。
「富が成る」美容室経営ブログ:
http://www.funaisoken.me/m-tominari/
美容室経営のことをもう少し聞きたいという方は、
m-tominari@funaisoken.co.jpまで

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