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人材を確保したサロンが生き残る!船井総研が見た美容業界の課題

4月を迎え、サロンでも入ったばかりの新人スタッフをよく見かけます。その一方、採用が年々難しくなってきているという声もよく聞くようになりました。また、売上ではなく、人材不足のために廃業せざるをえなかったという例も最近は珍しくありません。現在の美容室業界が抱える最大の課題ともいえる「人材」について、日本有数のコンサルティング企業である船井総合研究所で美容室のコンサルタントを務める富成将矢(とみなりまさや)さんに伺ってみました。

40%も激減している美容学生

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船井総合研究所の経営コンサルタント富成将矢です。「2017年度の美容室業界はどうなる?船井総研が予測する10の変化」でも述べましたが、現在の美容室経営における成長のカギは「採用」と「集客」です。繰り返しになりますが、2016年に成長してきたサロンにはつぎのような特徴がありました。

  • 採用

目標人数を採用できている
採用の仕組みが明確である

  • 集客

売上に対する広告宣伝費は3~5%以内
新規客比率は12~15%をキープ

採用については背景に美容学生数の激減があります。日本全国の美容学生は2005年の約25000人から40%も減少し、現在は約15000人となっています。美容師は資格職ですから、学生数から将来の人材数を予測することができます。そして数字から見ると、人材確保は毎年確実に難しくなってきており、その傾向は今後も続いていくと考えられます。

労務倒産、採用は集客よりも重要

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美容室の倒産は、資金繰りが回らないことよりも人手不足による「労務倒産」の方が圧倒的に多くなっています。つまり人材確保は経営の根幹に関わる課題になってきており、そういう意味では集客よりも優先性が高いと言えます。

最近の傾向としては、大手と呼ばれる美容室が、地方の美容学校の就職ガイダンスへ参加するようになっています。これは、今まで普通に採用できていた有名サロンでさえ、難しくなってきていることの現れでしょう。

大手でさえそういう状況ですから、中規模店や小規模店はもっと厳しくなりますが、さらに深刻なのは地方のお店です。大都市のサロンが地元の学生を採用してしまうことで、そもそも採用すべき候補が残っていないという事態が起きかねません。

一方、学生側は給与、福利厚生、そして働きやすさなどを比較検討しています。各社は待遇の見直しを図ってきており、初任給18万円以上、完全週休2日制、社会保険完備、またスタイリストデビューまで2年以内というところもかなり増えてきました。

もう欠かせない、定着率の向上

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人材の確保には、「採用」だけではなく、「定着率」の向上も欠かせません。採用と定着でワンセットと言うべきでしょう。また、定着率を上げていくことは採用と同じくらい、もしくはそれ以上に難しいことでもあります。

美容師の離職率は新人が3年以内で7割とも言われていますが、最近では経験を積んだ中間層でも退職する例が少なくありません。

これからのサロン経営で、スタッフの定着率を向上させていくには、つぎの要素が大切です。

①明確なキャリアプラン

スタイリスト、店長などへの道筋がわかりやすい。また、女性の復職制度や独立支援制度なども含まれてきます。

②コミュニケーションのデザイン

 同僚間だけでなく、メンター制度など上司・部下間、先輩・後輩間でも。
また「経営方針発表会」や「朝終礼」を充実させ、会社の方針や顧客情報の共有も重要な「コミュニケーション」です。

「経営方針発表会」

  • 会社の方向性を全スタッフが理解できる。
  • 目指すべき数値目標・経営感覚を養うことができる。
  • スタッフ全員の士気を高めることができる。
  • スタッフ同士の結束が強くなる。
  • 周りの人へ感謝する気持ちが強くなる。
  • 会社好きになる。

「朝終礼」

  • 朝礼の目的
  • 目標数値とお客様の情報共有(当日の行動の具体化)
  • 理念の浸透
  • 終礼の目的
  • 明日につながる行動・意識の共有

③マネジメント評価

美容師の評価は売上や指名客数に対する歩合という考え方が根強いです。売上のみの評価になると、「会社の方針よりも売上を求める」「店長より役職を持たないスタイリストの方が稼げる」という風土が根付きやすくなります。長期雇用を前提とするなら、売上だけではなく、定性的な行動やマネジメント行動でも評価される仕組みがあることで、定着率向上につながってきます。

profile

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富成将矢さん Masaya Tominari

1991年生まれ。立命館大学卒業後、船井総合研究所入社。美容室の業績アップを得意としており、売上2000万円の美容室から、県内No.1美容室まで、規模に応じた経営戦略を組み立てながら、業績アップに必要なものを的確に提案するスタイルが経営者から高く評価されている。業界内有名美容室もクライアントに多数抱える実力のあるコンサルタント。日本各地にクライアントを持ち、今日も全国を駆け巡っている。
「富が成る」美容室経営ブログ:http://www.funaisoken.me/m-tominari/
美容室経営のことをもう少し聞きたいという方は、m-tominari@funaisoken.co.jpまで

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