働く上で覚えておきたい税金のこと。納めなければならない税金とは?
仕事をするようになって、待ち遠しいのはなんといっても給料です。今までアルバイトをしていたという人たちもいるでしょうが、社員になると、その達成感も金額も変わってくるでしょう。しかし金額が増えれば、納めなければならない税金も上がっていきます。ここでは、納めなければならない税金について説明します。
■社員が納める税金とは
一般的に会社に努めている場合、納めなければならない税金は、所得税、健康保険料、厚生年金保険料、雇用保険料、住民税です。これは税金の支払いに翻弄しないで済むというように、給料から天引きされることが多いため、当人は納めている感覚がないかもしれません。
新入社員の場合、初任給から引かれるものは、所得税と雇用保険料です。約1万円程度が控除なので、会社務めを始めた当初は税金なんて大したことがないと思ってしまうかもしれません。しかし、2ヶ月目からは事態が少々変わり、健康保険料や厚生年金保険料も引かれていくことになります。都道府県ごとによって金額が異なりますが、合わせて2万円以上も支払いをしなければなりません。
さらにプラスして、2年目の6月からは毎月7,000円程度の住民税が引かれることになります。そのとき、手取りで受け取る額は、こんなものかと少々げんなりしてしまうのではないでしょうか。
■所得税の支払いとは
所得税、それは国民が豊かな生活をしていく上ではどうしても避けることが出来ない支払いです。所得を税金として支払いをしなければならないのですが、だから様々な公共サービスなどの恩恵をもらっていると解釈をしましょう。
所得税率は累進課税が適用されているため、収入の多い人ほど高額の税金を徴収されます。課税される所得税には、「所得税の速算表 」というものがあります。
それによれば、
- 195万円以下 は5%
- 195万円を超え330万円以下 は10%
- 330万円を超え695万円以下 は20%
- 695万円を超え900万円以下は 23%
- 900万円を超え1,800万円以下 は33%
- 1,800万円を超え4,000万円以下 は40%
- 4,000万円超えは45%
とあります。
例えば、所得が330万の田中さんと、所得が340万の山本さんがいるとします。330万(所得) は 10%(所得税率) であり 、340万(所得) は 20%(所得税率) に。「%」だけではとても不公平感があります。
しかし、ここに、「控除額」というものが設定されていて、
195万円以下は0円。
195万円を超え330万円以下は97,500円
330万円を超え695万円以下は427,500円
695万円を超え900万円以下は636,000円
900万円を超え1,800万円以下1,536,000円
1,800万円を超え4,000万円以下は2,796,000円
4,000万円超は、4,796,000円
となっています。
330万が所得の田中さんは 「× 10%(所得税率) -97,500(控除額) 」であり、232,500円に。山本さんは、340万(所得) × 20%(所得税率) - 427,500(控除額) で252,500円です。
つまり、10%と20%と倍に税率は違っているのですが、違いは20000円ほどでしかないのです。
■健康保険料
健康保険料は、医療機関にかかった時の費用を一部負担してくれる制度です。一生懸命働いた給料から、引かれてしまうことを嘆いてしまうのかもしれませんが、誰でも健康保険の恩恵を受けているということはすぐに理解できるはずです。会社努めの人たちが、地道に健康保険料を支払いしなければこのようなシステムは決して作られることはありません。 健康保険料は都道府県によって違う保険料率が設定され、だいたいは10%前後です。
更に会社員の場合は、会社が半額を負担してくれていることも覚えておきたいところです。40歳以上65歳未満の場合は「介護保険料」が更に上乗せとなり支払いをしていかなければなりません。
■厚生年金保険料
それは老後の生活のために給付される年金制度です。個人事業主や学生が加入している国民年金がありますが、その場合一律の保険料の支払いとなりますが、民間の会社が加入している厚生年金の場合は給料に保険料率をかけて計算されていくことになります。
厚生年金保険料の保険料率は全国一律です。こちらも半分は会社が負担しています。
■雇用保険料
失業した時にも保障を受けたりしますが、このようなお金が、雇用保険料によってまかなわれています。雇用保険料率は全国一律、給料が高ければ、その分保険料も高くなります。
■住民税
地域社会のために使われる地方税の一つが、住民税であり、都道府県や市区町村に対して収める税金です。
全国一律で10%の支払いです。(都道府県4% + 市区町村6%)住民税は、前年の所得に対して課税されますので、フレッシュマンの人たちは、税金の天引きはこの程度かと、ある程度納得している頃に、更に大きなダメージとして、2年目の6月あたりにふりかかってきます。
税金は会社員の場合、天引きされているから意識がどんどん薄くなって行ってしまうことになります。なんのために、何に対していくら支払いをしているのか把握しておくことは、働く上での大事な義務と考えてみましょう。
文/sapuri