仕事や人間関係の“波”を乗り越えるサーフテクニック『THE SEA』
吉祥寺は五日市街道沿いという場所にありながら、どことなくウェストコーストの雰囲気を思わせる店づくりのサロン『THE SEA』。サーフィン好きのオーナーに、ご家族のことを伺いました。
自由人の家族サービスは早朝から始まる
――息子さんがいらっしゃるそうですが、どんな風に接していますか?
「夏休みはたくさん出かけますね。通常、土日は休めないので、普段行けない分たくさん出かけます。一緒にサーフィンをやってます。息子はイヤイヤですけど(笑)。『もう飽きた』って言っても、『もう1本!』って励ましながら。妻も一緒に波乗りしてますよ。夏休み以外は土日に触れ合えない分、朝4時半ころ起きて早くから遊んでます。公園に行ったり、この夏も朝6時からザリガニを探しに行ったりとか(笑)。夏でも朝なら涼しいですし、明るいですから」
――奥様は同業の方ですか?
「はい。まだ子供が小さいので毎日は出られませんけれど一緒に働いています。どちらかというと会計とか広報担当で、センスもいいので店のディスプレイも担当してもらっています。サーファーの人たち御用達の海を汚さないように作られた商品も、妻のおかげで取り扱えるようになりました。妻には時々お昼も作ってもらっています。お店にプラスして、家事全般頼り切りなんで頭が上がりません」
サーフィンから学んだことを仕事と子育に反映
――仕事とご家庭の割合は、全体を10割としたら、どれくらいのバランスですか?
「仕事の割合は少ないですよ。3割くらい(笑)。店長がいるので、基本まかせています」
――でも、趣味もお仕事に活きているんですよね?
「サーフィンは自分と向き合うスポーツですから。大きな波が怖くても、そこから逃げてしまうと絶対上手くならない。それでも波を乗り超えて続けていると、ある日急に上手くなる瞬間があるんです。何かにちょっとずつ気が付いてくるんですね。サーフィンやってると、人のせいにしない癖がつくんです。それが日常に戻って何か失敗や挫折があったときに、『これを人のせいにしないためにはどうしたらいいんだろう』『この波はどうクリアしたらいいんだろう』ということを繰り返して、どうその“波=問題”を乗り越えるか考えるようになります。僕はオーナーなので、ときにはスタッフの“波”になってしまうこともあるのですが、その人の可能性をふさがないためには、ある程度自由に動かして、『ああそれいいね』ってやっていくと、段々人のせいにしなくなる。なんかやらかしても『じゃあ次どうする』って考え方ができるようになってくるんです」
――お子様にもそういうふうに教えていらっしゃいますか?
「子育ても、すごく似ています。一概に何でもかんでもダメダメって禁止してもダメだし、発想でも行動でも、なにかこちらに伝わるものがあれば、ある程度は自由にさせています。それはスタッフに対しても同じ。子どもの場合は、事故とか怪我の危険にさらされるときに注意しますけど、それくらいなんで、妻が心配してます。僕はどんどんやらせる方なので」
Salon data
THE SEA
東京都武蔵野市吉祥寺本町1-20-9
0422-27-2395
http://thesea-hl.com/
お店の名前にふさわしい(笑)、オーナーさんのサーフィントークでしたが、もちろんただ遊んでいるだけでなく、お仕事や子育てにもその哲学は反映されています。そんな大らかな人柄も、お店の人気に反映しているのでしょう。