運動と食事で考える体質改善!『陰ヨガ』と『養生ごはん』 #2
世田谷の瀟洒なお宅で、静かなるヨガとも呼ばれている陰ヨガを体験したあと、漢方に基づく美味しいご飯が食べられると評判の「田淵家の陰ヨガと養生ごはんの宴」。主催の漢方スタイリスト・田渕結さんと、陰ヨガインストラクター・髙山恵さんに、リラックスする方法、体に気づきを与える食事についてうかがいました。
ストレス社会を乗り切るための食事と運動の考え方
――人と対応するのは、ヨガのインストラクターも食事を提供するフードコーディネーターも同様かと思います。仕事で相手に対して心がけていることを教えてください。
髙山「みなさんの体感を大事にすることを心がけています。ヨガは教えられるものではない、体験するものであると言われています。
インストラクターの言葉を信じ込むより、自分の体験から自分に合った深さ、タイミング、しっくりくる場所を見つけていくことが重要だと思います。無理をしないよう、でも怠けすぎないように声がけには気をつけています」
田渕「話しは少し違うかもしれませんが、わたしがフードコーディネーターを目指したきっかけが、祖母をガンで亡くしたことなんですね。病院、医師のあり方に疑問を感じ悔しい思いをしたのがきっかけです。漢方を勉強して病気や死についても自分らしく生きることを目指したいと思ったんです。相手に対しても、その人らしくあるようにと無理強いせず、自然に対応しています」
――ストレス社会と言われますが、解消方法やアドバイスはありますか? まず髙山さんお願いします。
髙山「疲れている時、特に忙しい時は頭の中がせわしなく動いているそうです。そんな時は、情報断食をお勧めします」
――情報を断ち切るということですね。
髙山「はい。テレビ、インターネットなど情報が溢れていて、その中から必要なもの、正しいものを選択するのはなかなか難しいものです。特に疲れている時、ストレスの溜まっている時は何が必要かの判断も鈍ります。食べ物を食べすぎて消化不良を起こすように、必要以上の情報は頭の中で処理されず、余計な心配やソワソワした気分を生んだり心を乱したりします」
――具体的にはいかがでしょう。
髙山「眠る直前までスマートフォンやテレビなどの光を目に当てない、なども頭を休めたり深い眠りの助けになってくれます。陰ヨガも情報断食の助けとなってくれます。体や呼吸に意識を集中させることで、思考を一時的にストップさせ何も考えていない時間を作り出します。お客さまにサービスを提供されるみなさま自身が健康なカラダとココロでいることが大切なのではないかと思います」
――田渕さんはいかがでしょうか。
田渕「漢方の世界では、ストレスがある状態は、“気滞(きたい)”と言われます。文字通り、“気”が滞っていて病気の手前にあるんです」
――滞った“気”を巡らせることはストレスを解消することなんですね。そのためには?
田渕「むすかしいかもしれませんが、一番はストレスを自覚しないことかもしれないです。 “これはストレスだ!”と意識してしまうと、逆にドンと疲れたことってありませんか。疲れを見て見ぬ振りをしてみます。また漢方では“言葉は気の余り”と言われ、黙っている、必要以外のことを言わないこともよいとされています。無駄に口数が多くなると気が消耗して元気がなくなるからです」
髙山恵さんのリラックスできる呼吸法
1.目を閉じて深呼吸をする
2.そのままの呼吸を観察する(気づいたことは、早い、遅い、長い、短い、なんでもOK)
3.落ち着いたら深呼吸する(深呼吸をすることで副交感神経が優位になり、リラックスした気分に)
*風呂あがりや寝るときのベットでもOK。アロマをたくなどもおすすめ。蛍光灯の光を避け、暗い場所や優しい光で試してください。
Profile
髙山恵(たかやまめぐみ)
ヨガインストラクター
全米ヨガアライアンス イシュタヨガ認定インストラクター(RYT 500)、マタニティヨガ Teacher Training 修了、レストラティブヨガ Teacher Training 修了、陰ヨガTeacher Training 修了。会社員の時に始めたヨガで、肉体や精神のバランスを取ることが可能だと知る。受講者の体感にそったレッスンが、心が癒やされると評判。
『髙山恵 YOGA Tula』
http://yogatulaa.wixsite.com/yogatulaa
Profile
田渕 結(たぶちゆい)
漢方スタイリスト
祖母の死がきっかけで漢方を学ぶ。気軽に薬膳が楽しめるよう日々レシピを提案中。
飲食店のメニュー提案、日々の生活も含め、個別に養生をアドバイスする漢方スタイリングを行なっている。
『養生ごはんと陰ヨガの宴』
https://m.facebook.com/yuiinthekitchen/
疲れた時、どこかに不調を感じた時、心を沈めたい時などに有効な陰ヨガ。年齢性別を問わず、いつでもどこでも始めることができることも魅力のひとつです。季節ごとのテーマ(陰ヨガ+養生ごはん)でシリーズ化していく計画もあるそうなので、気軽に参加して、ストレスを解消しましょう。