クールなリーダー『ドライバー』型? ソーシャルスタイル理論 #2
人を、そのコミュニケーションスタイルによって4つに分類する「ソーシャルスタイル」。自分とお客さまや先輩・後輩がどのタイプになるかあてはめ、活用すれば、今よりももっとコミュニケーションがしやすくなり、仕事も円滑にいくかもしれません。
そこで「ソーシャルスタイル」4タイプ(「エクスプレッシブ」、「ドライバー」、「エミアブル」、「アナリティカル」)それぞれの特徴や強み・弱みを、4回にわたり、ご紹介していきます。
あなた自身や気になるあの人は、どのタイプ?
今回は思考は表に出すけれども感情は出さない「ドライバー」タイプについてです。
ダイナミックでスピーディ!クールさも併せ持つ「ドライバー」
「ドライバー(行動派・Driver・現実派)」タイプは短時間で結果を出す、そのためにまずは行動する人です。
人に命じられるのでなく自分で決定することに強みがあるので、経営者や大企業の管理職など「人の上に立つ」人の多くがドライバーの要素を持っています。
- 人間関係よりも、仕事や課題に興味を示します。
- 感情は出しませんが、メリハリや力強さのある話し方をします。
- 相手の目をしっかりと見て話します。
- 短めのセンテンスで、はっきり、断定的な表現をします。
- キビキビとしていてダイナミックな印象を与えます。リーダー的な役割をすることも多くあります。
- アクシデントがあっても動じないので頼れる人という印象があります。
- 白黒をはっきりさせることを望み、すばやく決断します。
- 大筋をつかんだら、どんどん動き、進めていきます。
- より短い時間で、よりよい結果を出そうとします。
発言、行動力強いのでリーダーとして周囲を引っ張る役割を期待されます。上昇志向が高く、指示する側に回りたいという意欲も高めです。
会話も行動もペースが早く、トラブルや逆風の時でも変わらないための、頼もしい存在となるでしょう。周囲の人に対しては能力を要求し、ストレートな物言いをします。
事実に基づき行動しますが、自分に必要な情報がプラスのもの、マイナスのもの共に2・3点集まれば即座にものごとを決めて実行に移していきます。必要があれば後から変更するので問題ないと考えています。
目的と期限を伝えておけば細かな指示は不要。期限をしっかり守り、仕事を引っ張っていくことでしょう。
なんだかプレッシャーを感じる…「ドライバー」の弱点はココ!
- 自分ですべての仕事を抱え込んでしまうことがあります。
- 他者の意見を引き出しにくく、自分の思い込みで動いてしまうことがあります。
- リーダーにはなりやすいが、褒めるなど仲間のモチベーションを上げる言動が苦手です。
- 感情が見えず、発言は強いのでキツい性格に見られてしまいがちです。
- チームの雰囲気がギスギスした雰囲気になることがあります。
「できる人」であるドライバー。気づかないうちに、まわりにプレッシャーをかけ過ぎたり、強引な印象を与えてしまうことがあります。周囲の意見に対し聞く耳をもたず、人に対して厳しいので、特にエミアブルやアナリティカルの人は言いたい意見を言えなくなるときがあります。
また感情を表さないので親しみにくく、相手の感情にも無頓着になってしうことがあります。ストレスがたまると、ますます感情を抑えようとします。エネルギーを注いでいるのにチームとしての生産性があがらない、という結果となってしまうこともあります。
ワンマン・スピード重視の「ドライバー」な人との付き合い方
1.ムダを省く
ダラダラとした説明や余計な雑談は好みません。前置きは不要なので、本題からズバリ切り出したあとで、重要なポイントとなる部分について説明するのがよいでしょう。話が早いほど能力が高い、と考えている部分もあります。
2.時間・締切はしっかり守る
スケジュール通りに物事が進むことを重視します。待ち合わせなどの際は気をつけましょう。指示に従い、最後までやり遂げるという基本的な部分が大切です。
3.「教えて欲しい」という姿勢
成長意欲がある人を好みます。何か疑問があるときは「何故○○なのですか」と積極的に。論理的な考えを持ち、それをしっかり説明してくれるドライバーの存在は自分自身の成長にとってありがたいものです。
4.他との比較データを出す
明確な根拠や理論を求めるので、こちらが意見を述べると「なぜそう思うのか」と返ってきます。話す時の下準備としてデータや情報はしっかり用意しましょう。事実的側面を重視するので「○○さんが言っていた」ではNGです。
他と比べて「どこがより良いか・得か」という情報は有効です。ここをしっかりと説明できれば、多少リスクがあっても大丈夫です。
5.選択肢から決定してもらう
人に決められるのは嫌いで、自分で決断したいタイプなので、選択肢を提示して選んでもらいましょう。表面的な主導権は相手に渡し、あくまで「自分が決めた」と思わせることが大切です。
6.ヘタなおだてはNG
褒められることが苦手です。特に「すごいですね」とか「さすが○○さんですね」といった抽象的な表現はしないほうがよいでしょう。
どうしても何かいいたいときは「○○さんを見習って○○しています」などと言うと、向上心のあるドライバータイプには響きやすいですが、特に褒められなくても気にしないのでそれほど気を遣わなくても大丈夫です。
文/sapuri