慎重な論理派『アナリティカル』型? ソーシャルスタイル理論 #4
人を、そのコミュニケーションスタイルによって4つに分類する「ソーシャルスタイル」。自分とお客さまや先輩・後輩がどのタイプになるかあてはめ、活用すれば、今よりももっとコミュニケーションがしやすくなり、仕事も円滑にいくかもしれません。
そこで「ソーシャルスタイル」4タイプ(「エクスプレッシブ」、「ドライバー」、「エミアブル」、「アナリティカル」)それぞれの特徴や強み・弱みを、4回にわたり、ご紹介していきます。
あなた自身や気になるあの人は、どのタイプ?
今回は思考も感情も表に出さない「アナリティカル」タイプについてです。
目立たないけどいい仕事します!「アナリティカル」なタイプ
「アナリティカル(思考派・Analytical・論理派)」穏やかに意見や考えを述べ、感情を抑えて冷静に行動します。
黙々と作業を進める職人や、研究者気質を持った人、というイメージです。毎日コツコツ正確性を求められる職業の人に多いようです。
- 穏やかな声で間を取りながら話しますが、感情はあまり出さずに淡々と話します。
- 話す時、身振り手振りをあまり使いません。視線を相手から外すことも多いです。
- 論理的で秩序立てて話をします。
- いつも冷静な印象です。ビジネスライクでやや硬い雰囲気があります。
- 考え深く、慎重ですが、それを積極的に発信はしていきません。
- 細かなことによく気がつき、見落としません。
- 時間をかけて、過程を大事にして物事を進めます。
緻密でしっかりとした準備や調査を怠らず「石橋を叩いて渡る」タイプの人です。
例えば旅行に行く時なども、本やパンフレット、WEBなどで情報を集めることから始めます。可能な範囲で情報を集め、考えられるリスクを最小限に抑えようとするのです。
思考も感情もあまり表に出さないのでグループでは目立たないタイプですが、他の人が見落としている点を見つけたり、細部までしっかりとフォローしてくれます。
矛盾する点やあいまいな点があれば徹底的に調査するなど、いい意味で批判的な態度があり、表面的な情報や人の意見を鵜呑みにしません。即断即決タイプの人に思い込みや勘違いがあれば、丁寧に、論理的に、そして忍耐強く説明してくれるでしょう。
完璧主義!…でもちょっとわかりづらい「アナリティカル」の弱点
- 細部にこだわりすぎて、前に進めない傾向にあります。時には石橋を叩きすぎて壊してしまいます。
- リーダーになった場合、具体的な指示が無いのに細かいことを気にするので部下が困惑しがちです。
- 決断に時間がかかるため、意思決定には不向きです。
- 人間関係を重視する人からは付き合いが悪いと思われてしまいがちです。
- ストレスが限界に達したとき、問題から逃げるという行動が見られます。
感情があまり出ず、付き合いの飲み会などでも積極的でないため「よくわからない人」と思われることもあります。
また、「自分の納得いくクオリティで仕事をしたい」と考えるのがアナリティカル。締め切りや納期の延長を主張することもあります。
また、細かなことに固執しすぎてものごとが滞ったり、決断ができなくてキャパを超えてしまうこともあります。そして、ストレスが限界になると「問題を避ける」ようになります。黙りこんだりその場からいなくなってしまうのです。その後は、あたかも何事もなかったかのように振舞うという行動も見受けられます。
じっくり・具体的に!「アナリティカル」な人との付き合い方
1.会話する時間は長めに設定しておく
アナリティカルの人が何か説明する場合も、こちらの質問に答えてもらう場合も、話が長くなるとあらかじめ思っていたほうがよいでしょう。ゆっくり話せるだけの時間を用意しておくのがベストです。
2.考える時間を与える
質問に対する回答に時間がかかることがあります。けれども、よく考えた結果の意見を言ってくれるので、あらかじめ内容を伝えておくか、チャットやメールなど、相手が時間を持てるツールを活用するとよいでしょう。
3.質問は客観的なデータを用意し具体的に
「今の状態はこうです。○○を○○にするための良い方法はないでしょうか?」など、自分が何を求めているのか、それは何故なのかを伝えないと、あまり意見を言いたがりません。
4.要点をまとめて確認する
話が細かくなりがちなので、ずっと聞いているとよくわからなくなってきてしまうかもしれません。話の途中途中で、「それはこういうこと?」「問題なのは○○?」と、確認していくとよいでしょう。
5.自分が先に結論・決断を出さない
悩みがちな相手に対し、ついつい先回りして決めてしまいたくなっても、意志がないわけではありません。考える時間が必要なだけです。いくつか選択肢をまとめて提示すると、決断しやすくなります。どちらも違う場合でも「違う」という結論に行きやすくなります。
6.専門性を褒める
自分の知識の量やスキルに対し、誇りを持っています。その専門分野については、促せば深いところまで語ってくれます。よく聞けば自分のスキルアップにもつながりそうです。
文/sapuri