出会えた人すべてを幸せに快適を極めた空間で『PHINO』
昨年3月にオープンした北花田の「PHINO(フィノ)」。『出会えた人すべてを幸せに、健康で美しくあるように』というコンセプトを凝縮させたこの店を取り仕切るのは、以前大手のサロンで技術責任者まで務めたという、卓越したカット力を持つ家村一也さん。サロンに一歩入ると、まるで北欧住宅のリビングにいるかのような、洗練された、心地よい気分になれるこの店で、家村さんがこの仕事にかける想いを伺いました。
大手の役員から“現場一筋”へ
――家村さんは、以前大手のサロンで役員まで務められていたとのことですが、この店を立ち上げられた理由というのは何だったのでしょうか。
「以前は大手サロンの会社で役員として働いていたのですが、働いていた店舗が撤退することになりました。そこで、その店を私がオーナーとなって譲り受けるという話になりました。その後、どうしていくかについては幾つかの方向性があったのですが、自分自信の生き方や考え方に一番マッチしたのが、現在所属している株式会社ケイ・エス・ジャパンのオーナーの経営理念でした。以前からも色々と相談させて頂いていて凄く尊敬の出来る立派な方でしたので、話をして行くうちにいつのまにか、惹きつけられ、結果的に、この会社に所属することにしたのです。その会社はビューティケア、ヘルスケアなど多彩な事業展開をしているのですが、それらに共通するのは「出会えた人すべてを幸せに、健康で美しくあるように」という理念。これが私の思いと重なったことから、この会社のグループの一員となってサロンを運営していくことに決めたのです。私自身も経営に関わることに興味がなかったので、経営は会社にお願いして、私自身は自分の夢である”生涯現役”としてプレイヤーに専念させて頂けるようになりました」
想いを凝縮したインテリア
――この店は、サロンというよりどこかの邸宅のリビングのような感覚を受けますが、このような内装にされた理由はどのようなものなのでしょうか。
「所属している会社には建築部門もあり、そのショールームとしての意味もあることから、非常にクオリティの高い内装になっています。ここまでやっている店はまずないと思いますよ。コンセプトは、『一生現場で働きたい』という私の願いと、『出会えた人すべてを幸せに、健康で美しくあるように』という理念を実現することです。そのために、細部にわたってこだわりを持って作られています。まずはウェイティング。北欧の家庭のリビングを模して造られているのですが、床にはキリムというトルコの遊牧民の織物が敷かれています。リッチグラウンド&リッチウォーターという名のデザインで、『生活が豊かになるように』という願いを込めて作られたものです。待合いスペースなどにこれが置かれているのは、お客様にもこれに触れてもらうことで、その願いを実現してほしいという思いからです。店内の家具などは1950~80年代にデザインされたもの。流行りものではなく、何十年も前から愛され続けてきたものです。お客様には、自分の家のように快適に過ごしてもらいたい、という思いが込められています。そして天井はヒノキ材で爽やかな香りがします。壁は匂いの分子を吸着する珪藻土という素材で作られているため、パーマ液やカラー剤などの匂いもほとんどしません。断熱材もしっかり入っているので強い冷暖房も不要で、こういったことは働く側の人間にも優しい造りになっています」
提案の背景にはカットへの自信
――施術においてこの店の特徴はどのようなものですか?
「当店の一番のポイントは、ご自宅でのセットでも美しく仕上がる“再現性のあるカット”です。しかも流行りだけに流されない、一人一人に合わせたスタイルをご提案しています。そのためにはコミュニケーション、カウンセリングが大切で、どのような髪形にするか決めてらっしゃる方に対しても、その髪型にしたい理由をしっかり聞いたうえで、あらためて別の髪型をご提案することもあります。例えば、本来は髪を伸ばしたいのだけれどやむを得えない理由でショートにする、という場合も、髪を伸ばしたままパーマで工夫をしてまとまりのある髪型にするとか、ともかくストレートパーマをかけたい、というお客様に対して薬剤をうまく使いながらパーマと同様の仕上がりを提案するといった感じですね。私たちは、お客様がしたい髪型をするだけ、というスタイルではありません。私たちはプロであり、便利屋さんではありませんので。もちろんこういった提案ができるという背景には、カット技術に対する自信があるからです。」
開店以来瞬く間に人気店となり、スタッフも当初の3名から6名体制となった「PHINO」。後編では、この店の客層、そのスタッフの育成について家村さんに伺います。
若い世代も移り住む北花田!多様な客層にも対応『PHINO』>>