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小西さやか interview :「化粧品」に対する知識を、正しく多くの人へ広めるために!

「化粧品は、夢を見せてくれるもの。自分に合った化粧品を知って、いろんな夢を見てほしい。どんな夢を見るかで、効果は変わってくるんです」。そう語る小西さんは、大学院の時に額のニキビに悩まされ、間違った対処をしてしまい、いまも跡がのこっているそうです。どうかそうならないでほしいという気持ちが、小西さんを化粧品の世界に飛び込ませたように思えてきました。

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最初に抱いていた夢の仕事は「楽しくなかった」

小西さやかさん

「もともと卒業後は国連(国際連合)で研究職に就くのが夢でした。でも、大学院の時に国連大学で研究を始めてみたら、実際は想像と違い、自分の道はここではないと思ったんです。挫折でしたね。しかもその時、すでに大学院卒業まで半年。就職活動の期間は終了していました。私はこれから一体何をしたらいいのか……。私の研究分野の範囲内で、実家の近くにある会社はどこだろう……。そういう条件で何となく会社を絞っていったら、化粧品会社のノエビアにたどり着きました。しかもノエビアのサイトでまだ履歴書を受け付けていたため、履歴書を送ったところ、何と採用していただけました。

国連で働くためにがんばって研究して論文を出したり、海外の学会で発表したりしてきた実績を認めていただけたのだと思います。卒業後はノエビアで6年間、化粧品の処方開発や商品開発をさせていただき、結婚を期に退職し、ベンチャー企業の会社で化粧品事業を担当しました。開発だけでなく企画から容器選定、生産立ち会い、デザイン案作成、メディアへのPRや広告のクリエイティブ提案、実証データ実験などと、化粧品の全てに関わることができました。当時は『何で私が』って思ったこともありましたが、いろんな知識を統括的に得ることができ、いまに本当に役立っています」

最初はボランティアだった化粧品検定

「化粧品検定は、ボランティアで始めました。私はボランティア活動にも興味があって、会社員時代は夏休みになるとインドのマザー・テレサの家に行っていました。そうしたら、『日本の人は国内に助けを求めている人がいるのに、なぜ海外に来るの』と言われ、確かにそうだと思いました。ですが、帰国してホームレスの方にカイロを配る活動をしたら、『カイロではなく金をくれ』と言われ……。ショックでしたが、それなら自分の得意なものでボランティアをしようと、一般の人たちが化粧品に関する知識を無料で勉強できたらいいんではないかと、検定を思いついたんです。

日常生活の中で、化粧品に関して間違えやすいところを試験問題にして、有名な大学教授やノエビア時代の上司に監修をしていただき、検定のアプリを作りました。受験者が合格してフェイスブックにシェアすると『合格』と表示されるので、そのポストを見た人が受験してくれるという幸運な連鎖が起こり、2年間で4000人ぐらいの方が受験してくださいました。それがいまの『化粧品検定3級』です。3級は今でも無料で受けていただけます」

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検定の公平性を保つために独立

小西さやかさん

「化粧品会社で勤務しているときから、化粧品の勉強ができる検定の協会を作りたいと考え始めていました。ですが、検定の主催者が特定の化粧品会社に在籍していたら信頼性がないという意見がありました。そこで、働きながら『コスメコンシェルジュ』や『日本化粧品検定』の商標登録の申請をして、登録が完了した時点で独立を決意しました。

独立といっても、企業からの化粧品開発の受注やコンサルタントが本業で、検定協会はあくまでもボランティア。2年間ぐらいは、月に一回、週末に市販の合格証書に印刷して発送していました(笑)。ですが1年ぐらい経った時点で、もっとちゃんと化粧品を勉強できる教科書を作りたい、WEBではなく試験会場で受験できるような検定にしたいと思いました。

検定用の教科書を作る時にこだわったのは、研究者向けの難しいものではなく、イラストや図を使って一般の方にもわかりやすく、化粧品の中身や成分をしっかり勉強できること。すると、いままでこのような本がなかったからか、美容好きの方だけでなく、イオンさん、伊勢丹ヒューマンソリューションズさんが化粧品の販売員さんの教育に導入してくださいました。その結果、教科書は約2ヵ月に一度のペースで重版、検定試験はこの2年で2万人を超える方に受けていただきました。化粧品メーカーでも、コーセーコスメポートさんなどの社員に必須の資格にしてくださる企業さんもあるんです」

学びと喜びの場を提供していきたい

「日本化粧品検定は3級から1級、さらにその上にコスメコンシェルジュ、コスメコンシェルジュインストラクターの5段階があります。1級合格者は化粧品検定協会に入会していただき、成分表を見て特徴を読み取る研修を受け、化粧品を「読める」ようになったらコスメコンシェルジュの資格が得られます。モデルのアンミカさんやヘアメイクアーティストの山本浩未さんも、コスメコンシェルジュの有資格者です。さらに講習を受けて、筆記試験とプレゼンテーションによる実技試験に合格するとインストラクターに認定されて、他の人に指導をすることができるようになります。

協会は検定試験だけではなく、研修やサービスも提供しています。その企画づくりが非常に大変なところですね。また、研究者のセミナーは専門的すぎてまるで呪文のよう。私たちがめざすのは、美容家さんのセミナーよりも少し上です。だから教授や研究者にセミナーを依頼する時は、資料を一般の女性のレベルでチェックして、わからない言葉やページは修正をお願いしています。時には、『本当にここまでしないといけないのか』とおっしゃる先生もいらっしゃり、調整するのにとても苦労します。

でも、セミナーの参加者から『お肌が荒れてすごく悩んでいたんだけれど、この検定を勉強したら肌悩みが解消した』という喜びの言葉をいただくと、良い場を提供できたという喜びがあるんです」

化粧品検定の有資格者に、もっと活躍の場を

小西さやかさん

「私が目指しているのは、この2~3年のうちに、化粧品売り場に行ったら必ず一人はコスメコンシェルジュがいて、化粧品選びを助けてくれる環境にすることです。そのために、美容業界の展示会での営業を強化するなどして、企業がコスメコンシェルジュの資格を認めてくれるように働きかけています。

なぜならせっかくコスメコンシェルジュの資格をとっても、採用する企業側が理解していなければ、それは『使えない資格』です。企業が理解してくれていれば、『この人はある程度のレベルをクリアしているから即戦力として働ける』という判断基準になります。実際に、コスメコンシェルジュを優先して採用してくださる企業が増え、販売だけでなく、企画職やPR、美容ライターの募集など続々と資格者へのリクルーティングがきています。

さらに、コスメコンシェルジュの有資格者がメディアで活躍できる場の提供をしたいと考えています。現在もJCOMの『ステキLIFE』というTV番組に資格者が順番に出演したり、雑誌でベストコスメ選定メンバーを務めたりしています。また、コスメコンシェルジュに限らず、化粧品検定の有資格者の中には化粧品業界で働いた経験があるものの、結婚や育児のために家に入られた方もいらっしゃいます。そういう方に、自宅で美容関係の原稿を執筆していただくなど、家のことや育児をしながらでもできる仕事を提供していければと思います。

他にも、大手の『ハピネス』や『フォルテ』といった美容室や、DUPA美容協同組合、大手美容ディーラーさんなどで続々と美容師さんたちが受験してくださってます。お客様が化粧品をネットで買うことが多くなったとしても、美容室で直接スペシャリストに化粧品のことを質問できるようになれば、美容師さんが正しい知識を教えてあげることもできますし、ヘアだけでなく、スキンケア、肌悩みのアドバイスにものることができるようになります」

就職・転職に悩んでいる方へのメッセージ

「たしかに、隣の芝は青く見えてしまうかもしれません。でも、仕事が楽しくないのは全力で取り組んでいないからかも。本当に努力して仕事に立ち向かえば、達成感や喜びが生まれてきます。仕事も楽しくなっていきます。すぐに辞めていく人を見ていると、自分ができる限界まで頑張らずに、決められたことだけを中途半端にするだけで、自分には向いていないとあきらめてしまっているように思います。全力を出し尽くしたけれど楽しくないのなら、他の道を選ぶこともいいでしょう。

また、楽しいことを選ぶのも重要でしょう。私も、ずっと国連で研究をするのが小さい頃からの夢でしたが、化粧品会社で働いてみて、その仕事の楽しさに魅了されました。最初の夢とは違ったけれど、化粧品業界に来て本当に良かったと思っています。自分にとって、何が一番光るダイヤになるかはわかりません。努力しなければ、石のまま終わってしまいます。何でも全力でやってみて、自分に合っているかどうか判断してほしいですね」

Profile

小西さやかさん

小西さやか(こにしさやか)さん

日本化粧品検定協会代表理事
コスメコンシェルジュ

兵庫県出身。大学院卒業後、化粧品会社ノエビアでおよそ8年間、化粧品の処方開発や商品開発に携わり、ベンチャー企業に転職。同社では2年間、化粧品の開発だけでなく企画からデザイン、広告まですべてを手がける。2011年に化粧品の開発コンサルタントとして独立。同時に、日本化粧品検定協会を設立する。現在、同協会の代表理事として化粧品検定のさらなる普及を図るとともに、メディアや大学での講義など幅広く活躍し、化粧品の正しい知識を伝えている。

座右の銘:「あらゆるものには輝くダイヤが隠されている。磨けば光る」(エジソンの言葉)

Company

日本化粧品検定

書籍

一般社団法人日本化粧品検定協会

化粧品についてのスペシャリストを育成するのが日本化粧品検定です。美容皮膚科学やシミ・シワなどの肌の悩み毎のお手入れ方法、メイクの基礎や化粧品化学や法律など化粧品について多岐にわたって学ぶことができます。ご自身で化粧品を楽しみたい方から、化粧品の販売やカウンセリング、商品開発や薬業などのお仕事で使いたいという方まで、さまざまなシーンでの活用が期待できます。1級合格者にはコスメコンシェルジュ、コスメコンシェルジュインストラクターへの道もひらけています。著書の『コスメの教科書』は、書店やAmazonで欠品する大人気の本となる。近書に『効果が9割変わる『化粧品』の使い方』がある。本書はAmazonのメイクアップ部門で1位を獲得し、発売時から順調に売れ続けています。
東京都中央区日本橋茅場町3-7-2 JOMビル3階
TEL:03-6264-9446
FAX:03-6264-9449

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Infomation

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日本化粧品検定は、化粧品についての知識のスペシャリストを育成する検定です。まずはWEBから、3級にチャレンジ!(無料)合格者には合格証書をもれなく発行します。

https://cosme-ken.org/thirdclass/

教科書

1級、2級の検定を受検される方におすすめ!

【1、2級の検定公式テキスト】
「日本化粧品検定協会公式コスメの教科書」
全国書店、Amazonほか。
価格:1,944円(税込)
出版社:主婦の友社
発売日:2013年9月13日

購入はこちらへ https://cosme-ken.org/textbook/form/

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