こだわりが光る! サロン専売プロダクト名鑑 『グリップシザーズ/Door代官山』

サロンのこだわりが垣間見える自社開発のプロダクト。配合成分が珍しいもの、パッケージにこだわりがあるもの、開発者の想いが込められているものなど、そのラインアップは実に様々です。

ここでは、各サロンで開発されたプロダクトについて、開発者にインタビューを実施。毎回様々なヘアサロンの専売商品をご紹介します。「自社開発したい!」「他社のこだわりを知りたい!」という方はぜひ参考にしてみてください。

今回は、多くのメディアから注目を集めているプロフェッショナル集団Door代官山が開発した「オリジナルシザーのグリップシザーズ」をご紹介します。

「グリップシザーズ」を開発したのは…

Door代官山 代表 吉澤剛さん

美容師歴30年。都内の有名にて腕を磨き「フレーミングカット」、「ゴムレスパーマ」という独自技術を確立(特許庁より商標登録済)。サロンワークはもちろん、一般誌&業界誌の撮影、セミナー講師などでも幅広く活躍中。これまでに2冊の美容師教育本も手掛ける。簿記1級も取得。

「グリップのカーブが一流の技術を支える!」

――まずは、Door代官山について教えてください。

Door代官山は、「フレーミングカット」と「ゴムレスパーマ」という独自に開発した技術をウリにしているサロンで、2つの技術ともに特許庁の認定を得ています。それぞれについて説明すると、まず 「フレーミングカット」はスタイリングの必要がなく乾かしただけでキマる技法です。開発した理由は、「日本人毛やアジア人毛の少しクセのある髪質を美しくカットする方法が必要だ」と感じていたからでした。

実は、日本人は10人中7人がクセ毛です。髪の毛がカーブしているので、カットする際に何も考えずに点と点を結んで切ってしまうと、どうしても曲がってしまいます。そこで、より美しく仕上げるために髪の毛を化学的に分析して、論理的に考え抜かれたカット技術を生み出しました。

次に「ゴムレスパーマ」は、ゴムではなくクリップで留めてパーマをかける方法です。科学者の見解からも、パーマの際にもっとも髪に負担を与えているのはゴムの圧力だったのでクリップに目に付けて試行錯誤をして開発しました。

――これまでに、どのような商品を開発してきましたか?

シャンプーやトリートメントなどの商材をはじめ、レザーやシザーを開発してきました。とくにレザーとシザーには力を入れており、レザーを開発したきっかけは「ハサミだけでは、アジア人の髪の毛をコントロールできない」と思ったからです。そこで、「切るのではなく、削ることで髪の毛に動きだせるレザーが必要だ」と思いました。

商品のこだわりは、適度な重量があったほうが削りやすいので、材質に真鍮を使ったことです。今回は、オリジナルシザーの「グリップシザーズ」について詳しく紹介したいと思います。

――それでは、「グリップシザーズ」の開発経緯について教えてください。

きっかけは、私が従来のハサミに満足できていなかったからです。それまでに、カットのし過ぎで腱鞘炎になったことが4回ほどあり、「もっと身体に優しいハサミがあったらうれしい」とずっと思っていました。

そんな時に、メーカーさんから「新しいハサミを開発したいんですけど何かアイデアはありませんか?」と。そこで、先ほどの悩みを話したところ、「一緒に作りましょう」と話が進み試作を重ねて開発しました。完成までには2年くらいかかりましたね。

――「グリップシザーズ」にはどのよう特徴があるのでしょうか?

特徴は、なんといってもグリップのカーブです。人が持った時に自然とフィットする曲線で作られており、施術中のストレスを大幅に減らすことができます。ちなみに、発売当初(2010年)は業界内からこの形状について批判的な意見を聞いたこともありました。しかし一度使ってみると、そのスムーズな使い心地、人体に合ったフィット感、抜群の切れ味に感銘を受けたらしく、とてもよろこんでくださって、現在も注文が絶えない人気商品になっています。

シリーズは「グリップシザーズ」と「グリップセニングシザーズ」の大きく2つに分かれており、それぞれで2種類ずつ開発しています。「グリップシザーズ」は5.5インチと6.0インチが揃っており、特殊刃付けで2段階の切れ味を備えていることがポイントです。

また「グリップセニングシザーズ」は、削り率14%と削り率50%の2種類を開発しました。すべてが国内最高クラスの刃物鋼であるコバルト超合金鋼を使用していることもこだわりですね。

サロン発のオリジナル商品を成功させる3つのポイント

サロン発のオリジナル商品を成功させるポイントをまとめると下記の3つでした。

1.日頃のサロンワークの悩みを開発に落とし込む

2.従来の考え方に縛られないアイテムを作る

3.素材や種類を決めるために、試作を重ねる

スタッフは全員「グリップセニングシザーズ」を使っているという吉澤さん。「サービスの質を一定にするためには、道具を揃えることが大切です」と笑顔で話します。Door代官山の一流の技術を支えるオリジナルシザーに興味がある方は、一度体験してみてはいかがでしょうか?

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Salon Data

Door代官山

住所:東京都渋谷区代官山町20-5 REID-C Daikanyama 3F
TEL:03-5456-4031
定休:毎週月曜、火曜
URL:https://door-daikanyama.jp/

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